出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/01/27 02:13 UTC 版)
| |
|
| 開発元 | ジャック・ドーシー、Block, Inc. |
|---|---|
| リポジトリ | github |
| プログラミング 言語 |
|
| 対応OS | |
| 規格 |
|
| 種別 | インスタントメッセージ |
| ライセンス | |
| 公式サイト | bitchat |
Bitchat(ビットチャット)は、peer-to-peerの暗号化メッセージングアプリである。Twitter(現 X)の開発者であるジャック・ドーシーとBlock, Inc.が開発し、2025年7月にリリースされた。Bitchatは、Bluetooth Low EnergyによるBluetoothメッシュネットワークを介してメッセージのやり取りをし、インターネット接続や移動体通信ネットワーク接続、ユーザアカウント、サーバを必要としない。Bitchatは、インターネット上でメッセージをグローバルに到達させるためにNostrプロトコルを併用している。
Bitchatは、オフライン通信のためのBluetoothメッシュネットワークとインターネット通信のためのNostrという、2種類の補完的なトランスポート層プロトコルを使用している。Bluetoothを介したローカル通信はNoise Protocol Frameworkに基づいて動作し[1][2][3][4][5]、これにより、インターネット接続をせずに、近隣のデバイス間でメッセージの中継を行える[6][2][7]。ユーザはローカルの#meshチャンネルでチャットを行える。バージョン1.3.0からは、Nostrを利用したジオハッシュに基づく位置チャンネルにより、インターネットを介した近隣や世界中のユーザとのチャットも行えるようになった[8]。他のユーザとのダイレクトメッセージはエンドツーエンド暗号化され、まずBluetoothでの通信を試み、Bluetoothが利用できない場合のフォールバックルーティングとしてNostrを使用する。さらに、アプリに表示されるロゴを3回タップすると、保存されたデータを全て消去するパニックモードを設けている[7]。ドーシーは、このアプリはInternet Relay Chatのメッセージングシステムに似ていると述べている[9]。
2025年7月6日、ドーシーはXにおいてBitchatを初めて発表した[2][3]。ドーシーは自身のGitHubページに、Bitchatの分散型アーキテクチャと暗号化設計に関するホワイトペーパーを掲載した[1][10][7]。TestFlightでのベータテストを開始すると、すぐに上限の1万ユーザに達した[2][3][1]。TestFlightでのテストリリース直後、セキュリティ研究者によって、Bitchatで別のユーザになりすますことができる可能性が示された。ドーシーはBitchatのプロジェクトページにおいて、Bitchatは開発中であり、外部のセキュリティレビューを受けておらず、必要なセキュリティ目標を達成できない可能性があると述べた[11]。
Bitchatは、自然災害やインターネット遮断時など、従来の通信網が利用できない状況下での遅延耐性ネットワークを目的として設計されている[9][10]。また、音楽祭などの大規模イベントにおける、インターネット接続に依存しない通信を可能にする[1][3]。このアプリは、検閲や監視への懸念にも配慮しており、香港の民主化デモ参加者に使用されたFireChatやBridgefyなどの先行事例も反映している[7][3][2]。
2025年10月のマダガスカル抗議活動において、このアプリが顕著に利用され、マダガスカル国内において1週間で7万ダウンロードがあったとBlock社は報告した[12]。2025年9月下旬時点で同社が報告した全世界でのダウンロード数は約36万件だった[13]。同様の傾向は同年9月のネパールでの抗議デモでも見られ、9月8日の1日だけでネパール国内から約5万件のダウンロードがあった[14][15]。2026年1月、インターネットが遮断されたウガンダとイランからのBitchatのダウンロードが増加していると報道された[16]。