出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/29 13:19 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動BN-1200は、ロシアのOKBMアフリカントフ社(元実験機械製造設計局、アトムエネルゴマシ子会社)によって開発が進められているナトリウム冷却高速増殖炉。世界原子力協会はBN-1200を商用炉に分類している[1]。
BN-1200は第4世代原子炉に準拠した安全性の向上と、MOX燃料での増殖比1.2~1.3ないし1.35の達成および窒化ウラン燃料での増殖比1.45達成を目標としている。また、BN-600をベースとしつつ、BN-600やBN-800に比べてサイズの大きい燃料集合体を採用し、燃料交換方式も単純化することを目標としている。また、炉内遮蔽体として炭化ホウ素を採用する可能性がある。
計画では熱出力は2,900MW(290万kW)、電気出力は1,220MWである。中間熱交換機における一次冷却材温度は550℃、蒸気発生器では527℃で、グロス熱効率は42%、正味熱効率は39%を予定している。安全性向上のため、一次系外部ナトリウム配管を削減するとともに受動的事故時除熱系を設置している。また、炉心設計寿命は60年を見込んでいる。
OKBM社はMOX燃料を装荷した最初の原子炉を2020年に運転開始し、2030年までにさらに8機を運転することを構想していた。サンクトペテルブルクアトムエネルゴプロジェクト(SPb AEP)も設計改良に参加する。第4世代原子炉を意識した設計がなされており、発電コストは0.65ルーブル/kWh(2.23セント/kWh)を想定している。ロスエネルゴアトムは設計作業に外国、特に中国やインドの専門家が参加することも想定している。
ロスアトムの科学技術委員会はスヴェルドロフスク州ザレーチヌイのベロヤルスク原子力発電所にBN-1200を建設し2020年にも運用することを承認した。ロスアトムは2012年初頭にBN-1200またはBN-1600あるいは鉛冷却高速炉のBREST-300を2基建設するという声明を出した。
2012年6月にはスヴェルドロフスク州政府がベロヤルスク原子力発電所5号機としてBN-1200の建設を承認した。技術的な設計作業は2013年には完了し、機器類の製造を2014年、現地工事を2015年に開始する予定であった[2]。2017年の開発完了を予定していたが、ロスエネルゴアトムは2015年にBN-800を運転して得られる経験を燃料の設計に反映し、コスト面の問題を改善するために建設を無期限延期することを発表した[3]。
2016年には2025年頃の着工が計画され、新設のサウスウラル原子力発電所1、2号機としての着工も検討されている[4]。
一次系・二次系の主循環ポンプや中間熱交換器、制御棒駆動機構等の主要設備についてはBN-600やBN-800の設計をほぼ踏襲しており、さらに以下のような設計改善が図られている[5]。