出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/11/29 02:30 UTC 版)
| 『BLUE LIMBO』 | |||||
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| 平沢進 の スタジオ・アルバム | |||||
| リリース | |||||
| ジャンル | テクノポップ プログレッシブ・ロック |
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| 時間 | |||||
| レーベル | ケイオスユニオン/TESLAKITE | ||||
| 平沢進 アルバム 年表 | |||||
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| 平沢進関連のアルバム 年表 | |||||
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『BLUE LIMBO』(ブルー・リンボー)は、日本のシンガーソングライター平沢進の9枚目のアルバム。「ディストピア3部作」1作目。2003年2月13日に自主レーベルのTESLAKITEより発売された。
蛮行と戦争の恐怖で制御される「惑星BLUE LIMBO」を舞台とするコンセプトアルバム。
これまで平沢は人道的な抗議行動や、政治性を帯びた行動には距離を取っていたが、アメリカ同時多発テロ事件に対するアメリカの報復攻撃に対する疑問や、アルバム制作中に訪れたカンボジアで内戦の爪痕を目の当たりにした影響から、本作以降ディストピア的な世界観を前面に押し出たメッセージ性の強い楽曲を多く発表するようになる。当アルバムは、後に「ディストピア3部作」の1作目と呼ばれることになる。
本作以降アルバムが発売する毎に1曲先行無料配信されるようになった。
インタラクティブ・ライブ「LIMBO-54」終了後、公式サイトで「ナノ重複記念曲集」が配信され、BLUE LIMBO収録曲のアレンジや未発表曲が収録されている。
「高貴な城」は歌詞が直接的となっている例外的作品であり、戦時下に留まらず、世界で犠牲となっている子供達について書いている[1]。
国際法を無視して殺戮を行う国家と、憲法を無視してそれに同調する日本国に抗議します。9・11アメリカ事変以降、世界は正義の名の元に行われる殺戮によって多くの罪無き人々が殺されるのを目撃しました。
その勢いは今、考えられる可能なあらゆる平和的手段による努力なきままイラクへの武力行使を開始し、日本国民はその共犯者になりました。
私は今、「殺戮を許すまじ」とする世界の多くの人々の行動と連携し、ここに抗議の音楽配信を行います。
戦争に反対する人々の動機や立場は様々です。
ですが、私はここで私の音楽をダウンロードしてくださる方々がどのような立場であるかは問いません。
差し迫った惨劇を前にして、より多くの人が反戦の意志を奮わせ、持続させるための、一つのささやかな道具として、私の音楽を使っていただけることを望むのみです。
私の音楽が全ての人に有効であるとは思っていません。ですが、このことによって見知らぬ同業者や、他の分野の方が鼓舞され、
小さいながらも連鎖反応が起きるかもしれないという希望を持ち、私にできる最も効果的な行動と思えることとして、この配信を行うことにしました。
リスナーの皆さんへ
当然のことながら、皆さんは常に私のメッセージから自由です。戦争について、皆さん自身の考えを持ってください。
今まで私は人道的な抗議行動や、政治性を帯びた行動には距離を置いてきました。背景に政治的な利害や、おめでた平和主義が隠れているものに情緒的に賛同すれば、正しいことをしていると感じていても、目に見えない「いけない事」に加担してしまう可能性を感じたからです。
9・11以降の世界は正気を失いました。確証が無いままに手際よく憎悪を向ける相手を提示され、正気を失わせる恐怖と憎悪は多くの人々を殺戮に同意させてしまいました。
そして今、人々が正気を取り戻し始め、平和的手段による問題解決を望む中、アメリカは国際法秩序を無きものとする殺戮を開始しました。
このような差し迫った危機を目の前にして、もはや距離を置くことは私にはできません。今、この法秩序を無視した殺戮を許せば、その後の地球は無法地帯になりかねないのです。
私はこのような殺伐とした状況の中でアルバムを作ることになりました。準備に際して訪れたカンボジアでは、大虐殺の痕跡と、今もなお被害に苦しむ人々や、命をかけて殺戮の後始末をする人々を見ました。見上げた遺跡の石像は激怒しているかのように見えました。
「正しいか、正しくないか迷っている間に、次々と人が殺されてゆく」と。そこで私は、情緒的であろうとなかろうと、こみ上げる感情に素直になり、きっぱりと意思表示をしようと決めたのです。
国家は利害で動きます。自分の属する国家が結果として殺戮を容認する姿勢を見せようと、国民の一人として私は、「それには同意しない」と、今ここに反戦の意思を表明します。
— 平沢進「殺戮への抗議配信」[2]