出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/02/04 14:04 UTC 版)
| BD+60 1417 b | ||
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DECamが撮影したBD+60 1417(中央)と惑星b(白矢印先の赤い点)
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| 星座 | りゅう座 | |
| 見かけの等級 (mv) | 20.481±0.178[1] (パンスターズyバンド) |
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| 分類 | 太陽系外惑星 木星型惑星 |
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| 発見 | ||
| 発見年 | 2021年[2] | |
| 発見者 | バックヤード・ワールド | |
| 発見方法 | 直接撮像法[2] | |
| 位置 元期:J2000.0[3] |
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| 赤経 (RA, α) | 12h 43m 33.2722368600s[3] | |
| 赤緯 (Dec, δ) | +60° 00′ 52.703215884″[3] | |
| 視線速度 (Rv) | -10.12 ± 0.14 km/s[3] | |
| 固有運動 (μ) | 赤経: -126.5010 ミリ秒/年[2] 赤緯: -64.2561 ミリ秒/年[2] |
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| 年周視差 (π) | 22.2159000 ± 0.0291017ミリ秒[2] (誤差0.1%) |
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| 距離 | 146.8 ± 0.2 光年[注 1] (45.01 ± 0.06 パーセク[注 1]) |
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| 軌道要素と性質 | ||
| 軌道長半径 (a) | 2,094 au[4] (軌道傾斜角補正による1.26倍加算を反映) |
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| BD+60 1417の惑星 | ||
| 物理的性質 | ||
| 半径 | 1.29±0.06 RJ[1] | |
| 質量 | 13.47±5.67 MJ[1] | |
| 表面重力 (log g) | 4.26±0.20[1] | |
| スペクトル分類 | L8γ[1] | |
| 有効温度 (Teff) | 1240±81 K[1] | |
| 他のカタログでの名称 | ||
| W1243, CWISER J124332.12+600126.2 | ||
| ■Template (■ノート ■解説) ■Project | ||
BD+60 1417bは2021年に直接撮像法で発見された太陽系外惑星である。地球から45パーセク離れた恒星であるBD+60 1417を公転する惑星としてはこれまで唯一見つかっているものである[5]。 BD+60 1417は若いK0型星だが、BD+60 1417bは晩期L型星のスペクトル分類を持つ[4][6]。 アマチュア天文学で直接撮像法を用いて発見された初めての太陽系外惑星である。アマチュアや市民科学者が太陽系外惑星を発見する例の多くはトランジット法を用いたものであり、その他の例は稀である。トランジット法以外の手法でアマチュアが発見した惑星のもう1つの例は、重力マイクロレンズ法で日本人アマチュアの小嶋正が発見したKojima-1Lbのみである[7]。
BD+60 1417に対しては、以前からジェミニ望遠鏡、ケック望遠鏡、パロマー天文台が直接撮像法で系外惑星を捜索していたが、検出ができていなかった。
その後、BD+60 1417bはオンライン上のシチズン・サイエンスのウェブポータル、ズーニバースの市民科学プロジェクトのバックヤード・ワールドに参加していた市民科学者のJörg Schümannによって、WiseViewツールを用いて広視野赤外線探査機(WISE)の画像から、この恒星と同じ固有運動をしている天体として発見された。これを受けて追加でリック天文台で可視光分光観測が、NASA赤外線望遠鏡施設(IRTF)で近赤外分光観測が行われ、BD+60 1417の周囲に確かに年齢の若い惑星質量天体が存在することが確認された[4]。
WISEの画像から直接撮像法で太陽系外惑星が発見されたのは、COCONUTS-2bに続いて2例目である。
この惑星の主星であるBD+60 1417は若いK0型星で、質量は1 M☉、半径は0.797 ±0.051 R☉と見積もられている[4]。 見かけの等級は9.37等級である[3]。若い恒星であるという典型的な兆候として、X線観測衛星ROSATでは以前からこの恒星からX線を検出しているほか[8]、スペクトル中にリチウムの吸収線も見られる。年齢は0.5~1.5億年と推定されている[9]。 恒星の自転周期はTESSが観測した光度曲線中に見られる黒点による変光周期から、7.50 ± 0.86日と決定されている[4]。2023年には大双眼望遠鏡(LBT)に搭載された装置PEPSIで観測され、[Fe/H] = 0.27 ± 0.03 dex、C/O = 0.23 ± 0.12、Mg/Si = 1.41 ± 0.19といったいくつかの元素の存在比が測定された[1]。
BD+60 1417は太陽質量と同じような質量を持つ主系列星の中で、1,000 au 以上離れた惑星質量天体を持つ唯一の恒星である。他に 1,000 au 以上離れた惑星系を持つ主星はすべて太陽質量の半分以下の質量しか持たないか、白色矮星であるWD 0806-661のような例しかない[4]。
惑星の赤外線スペクトルからは、水蒸気、一酸化炭素、ヨウ化カリウム、水素化鉄が大気中に検出される赤いL8γ型の天体であることが示されている。
| 太陽系外惑星 |
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