出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/05 08:46 UTC 版)
「Berkeley Software Distribution」の記事における「4.3BSD」の解説
4.3BSD は1986年6月にリリースされた。主な改良点は性能であり、4.2BSDは4.1BSDほど性能をチューニングできていなかった。そのリリース前に、BSDでのTCP/IPの実装はBBNの公式実装から大幅に変更されていた。DARPAは数カ月かけてそれを試験し、BBN版より4.2BSD版が優れていると結論付け、それがそのまま4.3BSDで採用された。 4.3BSDリリース後、BSDのプラットフォームを古くなったVAXから新たなプラットフォームへ移行することが決まった。当初 Computer Consoles Inc. の68kベースの Power 6/32(コード名 "Tahoe")が候補となったが、間もなく開発者らがそれをやめた。それでも 4.3BSD-Tahoe という移植版(1988年6月)は貴重であり、BSDにおける機種依存コードと機種共通コードの分離をもたらし、将来の移植性向上に寄与した。 移植性以外にも、CSRGはOSIネットワークプロトコルスタックの実装、カーネルの仮想記憶システムの改良、インターネットの成長に対応した(LBLのバン・ジェイコブソンによる)TCP/IPアルゴリズムの改良といった改良も行っている。 それまでBSDの全バージョンでAT&TのプロプライエタリなUnixのコードが含まれており、AT&Tのソフトウェアライセンスを必要としていた。ソースコードライセンスは非常に高価で、第三者からはAT&Tとは無関係に開発されたネットワーク関連コードだけをリリースして欲しいと要望されることもあった。そこで生まれたのが Networking Release 1 (Net/1) で、AT&Tのライセンスが不要なコードのみで構成されており、BSDライセンスでフリーソフトウェアとして自由に再配布可能とされた。これが1989年6月にリリースされている。 4.3BSD-Renoは1990年初めにリリースされた。4.4BSDとして開発中のバージョンの中間リリース的性格のリリースであり、その使用は一種のギャンブルだという意味でギャンブルの街リノの名を冠している。このリリースは明確にPOSIX準拠を目指しており、ある面ではBSDの精神からかけ離れているとされることもある(というのも、POSIXは System V ベースとなっている部分が多く、Reno はそれまでのリリースに比べるとかなり肥大化している)。ゲルフ大学(英語版)が移植したNFSも新機能として含まれていた。 2006年8月、Information Week 誌は4.3BSDを「これまでに書かれた最も偉大なソフトウェア」と評した。コメントには「BSD 4.3 はインターネットの単独で最大の理論的下支えを代表している」とある。
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