出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/02/26 10:14 UTC 版)
| 『12 hugs (like butterflies)』 | ||||
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| 羊文学 の スタジオ・アルバム | ||||
| リリース | ||||
| ジャンル | オルタナティヴ・ロック | |||
| 時間 | ||||
| レーベル | F.C.L.S. | |||
| 専門評論家によるレビュー | ||||
| 後述を参照 | ||||
| チャート最高順位 | ||||
| 後述を参照 | ||||
| 羊文学 アルバム 年表 | ||||
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| 『12hugs (like butterflies)』収録のシングル | ||||
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『12 hugs (like butterflies)』(トゥエルヴ ハグス ライク バタフライズ)は、日本のオルタナティヴ・ロック・バンドである羊文学の通算4作目のフルアルバム[1]。2023年12月6日にF.C.L.S.から発売された。前作『our hope』から約1年半ぶりとなるフルアルバムで[2]、前作以降にシングルとして発表された「永遠のブルー」「FOOL」「more than words」を含む全12曲が収録された。一方で同じくシングル曲の「OH HEY」「生活」「風になれ」の3曲は収録されなかった。
アルバムタイトルはバタフライハグに由来し、「自分自身をハグする12曲」という意味が込められている。録音作業は「原点回帰」をテーマに行われ、意識的に宅録の雰囲気も取り入れられた。
アルバムはオリコン週間アルバムランキングでは最高10位、Billboard Japan Hot Albumsでは最高9位を記録した。
フクダヒロアによればサウンドアプローチ的には斜に構えず、羊文学の原点回帰
をテーマに録音作業が行われた。アルバムの音楽性についてフクダは1st EP『トンネルを抜けたら』では尖ったサウンド、2ndアルバム『our hope』ではオルタナティヴロックとJ-POP〔ママ〕の両立を目指しましたが、今作は尖ったサウンドや大衆性、メインインストリーム〔ママ〕とアンダーグラウンドを両立させた作品になりました
と説明している[3]。
塩塚モエカはピュアな感覚で作った
と思ったし、宅録の雰囲気を取り入れることを意識したと語っている[3]。また、アルバムについて以前まではもがいていたり、負のパワーの中にあるパワフルさみたいなものが出ていたりする曲が多かったけれど、今回は1歩引いた視点で捉えられているのかなと
これまでは周りの人をあまり大切にできていないと感じることがあったのですが、このアルバムを作ってるときに、その友達のことをすごく大切だと感じる瞬間が多くて。自分以外のものが初めて見えてきたのかなって思いました
と語っている[4]。
アルバムのタイトルは、塩塚が両手を交差させて自分自身を抱擁する「バタフライハグ」にちなみ、自分自身をハグする12曲
という意味合いで付けたもの[2][5]。このタイトルについて河西ゆりかは曲たちの色合いがバラバラの曲が多くて、だけど歌詞は一貫性があったりしていて、「すごくいいね」って
と思ったとし、フクダはすごく秀逸な言葉選びで、発明的で、すごくアルバムに対して意味のある言葉選びだなって思いました
と語っている[5]。
「Hug.m4a」は、スマートフォンで録音された64秒の弾き語りの楽曲[2]。アルバムのタイトルが決まった後に最後の楽曲として作られたが、実際に最後に持ってきたら作品の力強さが少し失われる
ということから、1曲目に置いたところイントロとしてすごく良かった
ことからこの構成でいくこととなった[2][6]。
「more than words」は、2021年の冬に作られた楽曲で[7]、2023年9月から放送の毎日放送・TBS系アニメ『呪術廻戦 渋谷事変』のエンディングテーマとして使用された[8]。
「Addiction」は、塩塚がよく聴いているぽつぽつ歌っていながら、裏は激しかったり複雑だったりする展開を意識して作られた楽曲[9]。歌詞の「So take me somewhere Preferably off the phone-screen.」という一節は、塩塚がスマホ中毒であることに関係している[9]。楽曲について河西はシューゲイアーパンクなイメージ
があるとし、フクダはエモーショナルなオルタナティヴロック
という印象があると述べた[9]。
「GO!!!」は、シャーリー・マクレーンの『アウト・オン・ア・リム』から触発された楽曲。塩塚は当時「自分の運命」について考えていて、嫌なことがあると友達と「これは試練なんだ!」とか言ってたんですけど、それにもだんだん耐えられなくなってきて(笑)。気付いたら「自分でやる」という強い思いを歌詞にしていました
と語っている[9]。発売翌年には首都医校・大阪医専・名古屋医専の2024年度テレビCMソングとして使用された[10][11]。
「永遠のブルー」は、NTTドコモ「ドコモ青春割(「ブレない青春」篇/「ブレない旅立ち」篇)」のCMソングとして使用された楽曲[12]。楽曲は塩塚の好きな少年漫画をイメージして書かれた[9]。
「countdown」はパンク調の楽曲で、コンセプトショップ・BOYのオーナーがシャウトを担当した[9]。ドラムは少年ナイフをはじめとした1980年代の女性バンドのパンクサウンドを意識している[9]。
「Flower」は塩塚が本作収録曲で唯一アルバムのテーマとは関係ないと見なす楽曲で、歌詞は「未来のAIの恋」について書かれている[13][14]。メロディは塩塚が新しい家に引っ越して間もない頃に部屋でギターを弾いていた時に思いついたもの[13]。
「honestly」は塩塚がこの曲を出したらどうなるかとか、これだとまだ足りないんじゃないのか
と考えすぎてつらかった時の気持ちをぶつけるように書いた楽曲[5]。
「深呼吸」は、本作の制作前から存在していた楽曲[13]。塩塚によれば歌詞がかけずにそのままになっていった楽曲で、振り返ってみても、やっぱり無理だなあとか思いながら書き進めていました(笑)。メロディラインが複雑だから難しかったんですけど、結果的には良い曲になったと思います
と語っている[13]。
「人魚」は、塩塚が大きな失恋をしたことを思い出して書いた楽曲[15]。タイトルは友人と実写映画『リトル・マーメイド』を見に行った時に聞いたギリシャ神話における人魚の話を思い出し、曲に合うということから付けられた[15]。「つづく」も失恋に基づく楽曲。演奏はプリプロダクションのテイクが使用されているが[注 1]、曲の最後のみブリッジのぺダルを借りてサンプル音源のように刻んだギターの音が加えられた[15]。
「FOOL」は、MBS・TBS系ドラマイズム『往生際の意味を知れ!』のエンディングテーマとして使用された楽曲[16]。当初歌詞は前半[注 2]までしかできていなかったが、タイアップの話を受けてからサビ以降が書き足された[15]。ニュースサイト『音楽ナタリー』の取材で、アルバムの最後に配置された理由について聞かれた塩塚は私たちは去年まで「優しさや儚さ」をテーマにしていたんですけど、今年は「これまで以上に力強い存在としてやっていく」みたいなコンセプトで活動していて。だからこの曲を最後に置くことで、このアルバムを今年出すことに意味が出てくるのかなと思ったんです
と説明している[15]。
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2023年10月3日にZepp Hanedaで開催された『羊文学 Tour 2023 “if i were an angel,”』の東京公演で、12月6日にアルバム『12hugs (like butterflies)』を発売することを発表した[17]。11月3日に収録曲とジャケット写真が公開された[18]。同月8日にはアルバムの発売に先駆け、「GO!!!」の先行配信が開始され[19]、同日よりSpotifyにてカウントダウンが開始された[20]。また、同月28日から25日にかけて本作と西武渋谷店が連動したクリスマス企画『by your side』が開催された[21]。
本作が発売された12月6日に「GO!!!」のミュージック・ビデオが公開された[22]。ミュージック・ビデオには女優の花瀬琴音が出演した[23]。同日には公式YouTubeチャンネルにて本作を発売を記念したトークライブを生配信した[24]。この2日後にはStationheadにて本作の発売を記念した「羊文学新作同時視聴会」が開催された[25]。
2024年3月8日には10台以上のスマートフォンを使用して撮影された「Addiction」のミュージック・ビデオが公開された[26]。5月30日から7月7日にかけて本作のアートワークを担当したharu.が塩塚から受け取ったセルフライナーノーツを基に楽曲を再解釈し、さまざまなアーティストとともにアルバムの世界観を表現した展示会『"ひみつの庭" inspired by 羊文学 - 12 hugs (like butterflies)』が開催された[27]。
本作は初回生産限定盤(CD+Blu-ray)、通常盤(CD)の2形態で発売され、初回生産限定盤に付属のBlu-rayには『FUJI ROCK FESTIVAL'21』に出演した際の映像が完全収録された[28]。2024年1月31日には完全生産限定盤として本作の12インチアナログレコードが発売された[29]。
ジャケットはバタフライハグのポーズをする塩塚の写真で[6]、撮影は写真家のニコ・ペレズが担当した[30]。アートワークを手がけたharu.は、メンバーから「女性が素肌でハグしているような感じ」という具体的なイメージがあったとし、羊文学の注目度が上がるにつれて、大衆からビジュアルについて言及されるシーンも増えたように感じていて。素肌ということで、受け取る側へ、意図しない方向の解釈を与えたくなかった。だから素肌っぽくあることを意識しながら、ビーズを散りばめた衣装を台湾のアーティストに依頼したんです
と回想している[31]。
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2023年3月1日に「永遠のブルー」が配信シングルとして発売された[32]。オリコン週間デジタルシングル(単曲)ランキングでは初登場32位[33]、Billboard Japan Download Songsでは初登場35位を記録した[34]。3月23日には自身初の全編アニメーション作品となる同曲のミュージック・ビデオが公開された[35]。
4月26日には「FOOL」が配信シングルとして発売され、同日にミュージック・ビデオも公開された[36]。配信アートワークとミュージック・ビデオにはドラマ『往生際の意味を知れ!』の主演である見上愛が起用された[37]。
9月1日に「more than words」が配信シングルとして[38]、9月27日にリミックスバージョンとアニメバージョンなどを同時収録したCDシングルとして発売された[39][40]。オリコン週間シングルランキングでは初登場15位を記録[41]。2024年8月時点でBillboard JAPAN・オリコン双方の集計上で累積再生数が1億回を突破している[42][43]。
ライターの鬼頭隆生は、本作について超然とした神秘性はそのままに、より広い場所へと届くであろう快作
と評した[44]。ライターの藤澤香菜は、音楽雑誌『ROCKIN'ON JAPAN』(2024年1月号)で本作に収録の12曲について「他者への慈愛」で包まれているような感覚がある
とし、螺旋階段を上りながら、羊文学は自らの毒気も不完全さもありのまま受け入れ、自らを赦したのではないか。だからその先で鳴るこのアルバムはしなやかでこんなにも力強く、深い深い愛情を携えて響くのだ
と評した[45]。
| 全作詞・作曲: 塩塚モエカ、全編曲: 羊文学。 | ||
| # | タイトル | 時間 |
|---|---|---|
| 1. | 「Hug.m4a」 | |
| 2. | 「more than words」 | |
| 3. | 「Addiction」 | |
| 4. | 「GO!!!」 | |
| 5. | 「永遠のブルー」 | |
| 6. | 「countdown」 | |
| 7. | 「Flower」 | |
| 8. | 「honestly」 | |
| 9. | 「深呼吸」 | |
| 10. | 「人魚」 | |
| 11. | 「つづく」 | |
| 12. | 「FOOL」 | |
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合計時間:
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| # | タイトル |
|---|---|
| 1. | 「mother」(Live at FUJI ROCK FESTIVAL'21) |
| 2. | 「人間だった」(Live at FUJI ROCK FESTIVAL'21) |
| 3. | 「ロマンス」(Live at FUJI ROCK FESTIVAL'21) |
| 4. | 「1999」(Live at FUJI ROCK FESTIVAL'21) |
| 5. | 「砂漠のきみへ」(Live at FUJI ROCK FESTIVAL'21) |
| 6. | 「ghost」(Live at FUJI ROCK FESTIVAL'21) |
| 7. | 「powers」(Live at FUJI ROCK FESTIVAL'21) |
| 8. | 「マヨイガ」(Live at FUJI ROCK FESTIVAL'21) |
| 9. | 「夜を越えて」(Live at FUJI ROCK FESTIVAL'21) |
| 10. | 「あいまいでいいよ」(Live at FUJI ROCK FESTIVAL'21) |
| 11. | 「祈り」(Live at FUJI ROCK FESTIVAL'21) |
| チャート (2023年 - 2024年) | 最高位 |
|---|---|
| Japan Hot Albums (Billboard JAPAN)[46] | 9 |
| 日本 (オリコン)[47] | 10 |
| 日本 (オリコン合算アルバム)[48] | 13 |
| 国/地域 | 発売日 | 規格 | 規格品番 | 備考 |
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| 全国 | 2023年12月6日 | 音楽配信 | KSCL03482B00Z | |
| 日本 | CD+Blu-ray | KSCL-3480/1 | 初回生産限定盤 | |
| CD | KSCL-3482 | 通常盤 | ||
| 2024年1月31日 | LP(2枚組) | KSJL-6223 | 完全生産限定盤 ブラックヴァイナル |