新幹線に関するヨタ話をもう少し続ける。新幹線を使うと、奈良はかくまで近く便利である。それを言い出したら大阪や京都の人は、近鉄の通勤電車を使えば行けるってことになるのだが。そもそも奈良在住の人は地元が奈良だ! …って何をあたりまえのことを力説しているのやら。
だったら自分の地元をもうちょっと大事にすべき、ということは以前から意識しているつもり。しかしメジャーな観光地の非日常感というかお祭り感というかは、なかなか簡単には手に入らないのだ。有名な神社仏閣は、地元にもいくつかあるにはある。確か愛知県の寺院数は、なぜか全国1位じゃなかったっけ? だけど中途半端に観光地化に失敗しているところがわりと多いように見えて、あの寂莫感はなんかダメですわ。え゙、大須観音? いやあそこはほらその、なんだ…
ええい、何の話だ? そうそう、新幹線。新幹線に期待を抱く人や地域は少なくないようで、ちょっと遠出すると「〇〇新幹線の早期実現を!」てな看板を、そこかしこで見かける。しかし効用逓減の法則というのがあって、新幹線を引けばいいってものでもないはずなのだが。現に佐賀県は、地元負担と新幹線開通で見込まれる経済効果が明らかに見合わないってことで、国やJR九州とモメてるんじゃなかったっけ?
あと北陸新幹線の敦賀~大阪区間に関して、ツイッターにこんなツイートが流れてきた。FF外から引用失礼します。
来た!北陸新幹線(敦賀・新大阪間)計画段階環境配慮書!
— 彩葉 (@iloha_train) May 31, 2019
…のは、いいのですが、計画ルート…大雑把過ぎませんか?これじゃ、何も決まってないも同然…。https://t.co/5fxLLaiOXm pic.twitter.com/BtuT6x3kxa
フォロワー1万目前の有名ツイッタラー 社虫太郎@kabutoyama_taro さんによる、このツイートに対する一連のリプが面白かった。こちらもFF外から引用失礼します。煩雑になるのでリンクは一つしか貼らないけど、ご興味を持たれた方は、リンク先から前後のツイートを辿ってみてください。確かに「どうすんだこれ?」感ある。
これって結局、現在の東海道新幹線中心で考えるからおかしなことになったのであって、敦賀〜京都は米原ルートで済まし、大阪〜名古屋のメインルートを計画中のリニア奈良ルート(走らす車両は必ずしもリニアである必然性はない)に置き換えれば良かったんじゃないのかねぇ。
— 社虫太郎 (@kabutoyama_taro) June 1, 2019
東海道新幹線の大阪~京都は、ほぼ飽和状態と言われる。しかし中途半端な迂回路を作っても、そちらが閑散化するだけで混雑解消の効果はあまりないんじゃないかな。名古屋市営地下鉄の東山線と桜通線が、格好の先例である…ってまたもよその地域に通じないことを。
社虫太郎 さんの言う、大阪~奈良~名古屋を結ぶリニア新幹線ならぬ在来新幹線(なにその形容矛盾?)というのは、個人的には次善の策としてかなりいいアイデアだと思うのだが、どうだろうか? ちょうど今の近鉄奈良線を延長して若草山と鈴鹿山脈をブチ抜くようなルートで…それをやったら難波~奈良と難波~名古屋の路線を持ってる近鉄が氏ぬのか。
我田引鉄な妄想話になってしまった。けっきょく私も新幹線が好きなんやないかい!
* * *
奈良観光の続きである。
奈良国立博物館の特別展「藤田美術館展」に出品される国宝・曜変天目茶碗を見に行きたかった。国宝に指定されている曜変天目茶碗は3点しかないが、それが同時期に公開されるとのことだったので。
滋賀県で公開されている MIHO MUSEUM のものは、3月に見に行った。
東京の静嘉堂文庫美術館はちょっと遠いにせよ、奈良県立博物館にも行っておきたかった。見比べる、というほどの鑑賞眼は持ち合わせていないけど、せっかくの機会だからということで。
しかしGW期間中に奈良県立図書情報館と奈良市立中央図書館に行ったときには、京都で寄り道してしまったため博物館に行く時間が無くなってしまったことは、何度となく述べた通りである。
近鉄奈良駅そばの観光案内で、100円割引券だけゲットしていた。以前も貼ったが再掲。MIHO MUSEUM の半券を見せてもよかったはずだけど、まあいいや。
元興寺から国立博物館へは徒歩で移動した。経路にあった大乗院庭園というところ。

入館無料とのことだったので、立ち寄ってみた。

ガラス越しに眺めた庭園。広かった!

内部では(おそらく)市民サークルの陶芸展をやっていた。
こういうスペースがそこかしこにあるのだから、奈良市内ってすごいよね。
引き続き徒歩で国立博物館を目指す。
交通量の多い道路が、荒池という池を横切っているところ。東側の若草山方面。池に注ぎ込む小川の形が、絵巻に出てくる川のようだった。写真からは、わかりづらいかな。

西側。池越しに興福寺の五重塔が見える。

あとでマップを確認したら、この道路は国道169号線 だったのだな。紀伊半島を縦断して三重県熊野市に至る。なお日本一長距離の路線バスは、R169と並走し和歌山県新宮市に至る1番違いのR168を走っている。
奈良公園に出ると、観光客が激増して雰囲気が一変した。
野良ジカもいっぱいいた。こいつら人に慣れきっているが、よく知られているように野生動物である。

国立博物館の建物が見えてきた。これは「なら仏像館」で、本館ではない。

本館へ行くには仏像館を迂回しなければならなかった。本館ではなく「東新館」「西新館」という名称のようだが。

案内図を接写。この図で右から左へ移動している。

エントランス。

残念ながら館内は撮影禁止だったため、写真はほとんどない。
窯変天目茶碗のみならず全9点の国宝が出展されていたが、一番人気ははやり窯変天目で、館内ブース前の行列待ち時間が約40分だった。
日曜日だったとは言え会期末近くでこの行列なら、GW期間中は何分待ち、いや何時間待ちだったろう? 5月4日付拙エントリー に、天皇代替わり特別秘仏開帳の京都長楽寺は約34分待ち行列と書いたが、そっちの方がマシで結果オーライだったということか? ちょっと意外。
参考までに、曜変天目以外の国宝は、パンフレットによると
絵巻
紫式部日記絵詞 鎌倉時代
玄奘三蔵絵 鎌倉時代
水墨画
柴門新月図 室町時代
仏画
両部大経感得図 平安時代
漆工品
仏功徳蒔絵経箱 平安時代
花蝶蒔絵挟軾 平安時代
仏典
大般若経 奈良時代
古筆
深窓秘抄 平安時代
とのこと。入れ替えがあるので、全部が見られたわけではない。
パンフレットのうち、国宝の載ったページを貼る。

館内は撮影禁止のため、得意のOCR文字起こしができない。
数少ない撮影OKコーナーの写真を貼ろう。

上の写真の右手に見えた嵌め込みガラス越しの中庭は、撮ってよかったのかな?

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朝から移動しづめ、歩きづめだったので、少し疲れた。
ミュージアムの喫茶・軽食エリアで、遅めの軽い食事をとりつつ休憩。

屋外テラス席だったから、撮ってよかったかな? ダメ?

軽食メニューはオムライス、カレーライス、ナポリタンがあったが、ナポリタン以外は売り切れだった。

飲み物のホットコーヒーをつけて1,500円。割高なのは、しゃあない。パスタはアルデンテと言っていいのかしっかり腰があって、トマトソースは酸味が利いていて、美味であった。
座って何か食べると、体力そこそこ回復するね。ありがたい。
地下道経由で「なら仏像館」に移動した。これは地上から撮った写真だけど。

ここも館内撮影禁止のため、イメージの足しにならないかとスキャンしたパンフレットの一部を。

国宝、重文が目白押しである。もしこれらが寺院に収蔵されていたら、こんなに間近で見ることはできないだろう。
寺院によっては、秘仏にしていたかも知れない。
ふと「仏像の価値って何だろう?」と、考えてしまった。
もちろん美術的な価値があるということは、わかる。
また仏教美術には仏教のPR効果のようなものも、あるように思う。もう14年も前になるが、岡崎市美術博物館で「興福寺国宝展」というのをやっていた。そこで有名な木造無著・世親立像を間近で見、「そゆえばこいつら何者なんだ?」と思ったことが、何度目かの仏教を勉強してみようという動機付けの一つになったのだった。無著(アサンガ)は無着とも表記され『金剛般若経』の注釈を書いた人、世親(ヴァスバンドゥ)は天親とも訳され浄土真宗で読誦される『正信偈』中にも登場する。いずれもインド大乗仏教史上の巨人で、業績はブログ1記事やそこらでは紹介しきれない。
今回見た中で知らなかったのは、龍猛菩薩(真言八祖だそうだ)、明星菩薩(弘仁寺、虚空蔵菩薩の化身とのこと)。それぞれ地蔵菩薩に似た造りだった。それから蔵王権現の伽藍神。裾をなびかせて疾走する神像で、修行をサボる僧を見つけると手に持った矢で目を潰すという物騒な奴だそうだ。他にも多数。これを機会に調べ始めたら、いろいろ広がるかも知れない。
だけど、寺院の本尊としては、名号だけ、日蓮宗系であれば題目だけというのも大いにアリではないかと、最近とみに思うようになった。純粋に信仰の対象としては、そうあるべきじゃないだろうか。いろんな事情があって簡単にはいかないだろうけど。
なお伽藍神は、あとで調べたら奈良国立博物館HPの収蔵品データベースから写真を見ることができた。龍猛菩薩と明星菩薩はヒットしなかった。
青銅器館というのもあった。なら仏像館と棟続きだった。展示物の製作年を見るとB.C.15~11なんてことがサラっと書いてあって、ちょっとすごい。
彝器〔いき〕と総称されるようで、三本足で注ぎ口のついた爵〔しゃく〕、ラッパ状の觚〔こ〕、楕円形の断面をもつコップのような觶〔し〕、壺状の瓿〔ほう〕、耳状の取手のついた罍〔らい〕、フタとループ状の取っ手のついた卣〔ゆう〕など、読めない漢字一文字の名前が並ぶ。
卣〔ゆう〕や罍〔らい〕は、MIHO MUSEUM にもあったな。
漢字を上掲の収蔵品データベースにコピペすると、写真が見れるものもある。No Image も多いけど。
4:30p.m.にあと30分で閉館のアナウンスがあり、5:00p.m.ちょうどに追い出された。
県庁前の通りにあった看板。この付近にバス停があり、うまい具合にまたしても巡回バスが停車中だったので近鉄奈良駅まで乗せてもらった。

後日談になります。身バレ住所バレしてる「はてなー」さんからプレゼントをいただきました。お礼申し上げます。ありがとうございました。


こういうことが、ごくたまにあります。別の方からですが、半年ほど前にも頂き物をしたことがありました。
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