トピック

iPhone機種変前にやっておくべき3つのこと

iPhone 13シリーズが発売されましたね。このタイミングで機種変更を考えている人もいるのではないでしょうか。すでに手元に届いている人もいるかもしれませんね。新しいiPhoneを手に入れて気持ちが盛り上がる一方、少々面倒に感じるのがデータの引越しです。

iPhone本体の進化と同様、iOSもアップデートされており、最新のiOS 15ではデータの移行は難しくありません。ですが、すべてiPhone任せでいいのでしょうか?

例えば、各Webサービスのアカウント情報のチェック、アプリ独自のバックアップ、引継コードの生成、二段階認証の状況など、バックアップのみでは対応できないコトもあります。iPhoneの状況を完璧に把握している人は少ないと思います。というわけで、iPhoneの機種変前にやっておくべき3つのことを紹介したいと思います。

その1 最新のiOS 15にアップデートする。アプリも忘れずに

iPhone 13シリーズの発売とあわせて、最新のiOS 15も9月21日にリリースされました。2014年発売のiPhone 6シリーズ以降であればアップデート可能です。FaceTimeの機能や集中モードの追加、プライバシー保護など、いろいろと機能強化されています。詳しくは、Apple公式サイトを参照してください。新しいiPhone 13シリーズは、iOS 15で出荷されているはずです。

詳しくは後述しますが、最新のiOS 15にアップデートしておくと、iCloudの残容量が不足していてバックアップが作成できない! という時に救われます。ただ、今使っているiPhoneのバックアップが作成できているなら、iOS 15にアップデートせずに、iOS 14.Xのままでも構いません。

[設定]アプリの[一般]-[ソフトウェアアップデート]の項目からアップデートを確認しよう

また、iOSのバージョンに関わらず、アプリのアップデートはしておきましょう。Appアプリを開き、右上のアカウントのアイコンをタップして、[すべてをアップデート]です。

Appアプリから[すべてをアップデート]でアプリをアップデートしておこう

その2 バックアップを作成しておく

本体の故障など、万が一のためにバックアップを作成しておくべきでしょう。基本的にiPhoneのバックアップは、iCloudに保存されています。設定状況は、設定アプリを開いて、画面上部のApple IDから、[iCloud]-[iCloudバックアップ]の項目から確認可能です。バックアップを意識したことのない人は一度確認しておくといいと思います。

設定アプリのApple IDから[iCloud]をタップすると[iCloud]の画面が表示される
[iCloudバックアップ]のスイッチがオンになっていれば、iCloudへのバックアップが設定されている

[iCloud]の画面上部にある[容量]の項目でiCloudの使用状況を確認できます。上の例では、無償で提供される容量5GBを使い切ってしまっています。最後のバックアップも1年以上前。故障などでバックアップから復元するとなると、その時点まで巻き戻されてしまいますね。不安な状態です。このまま[今すぐバックアップを作成]をタップしても「iCloud Driveの容量が足りない」とメッセージが表示されます。

iPhoneをパソコンに接続してiTunes経由でローカルにバックアップを作成することも可能ですが、いろいろとややこしい。また、50GBで月額130円のサブスクリプション契約をするのも悪くないですが、いっさい課金はしたくない、などの事情もありますよね。

そこで試して欲しいのが、iOS 15で採用された「データ移行のための一時的なバックアップ作成」です。iCloudの残容量が不足していても、一時的に作成したバックアップを利用してiPhoneで復元できます! 以下の操作はiOS 15にアップデートしてから行なってください。

iOS 15にアップデートしておく。設定アプリの[一般]をタップ。下部の[転送またはiPhoneをリセット]をタップする
[転送またはiPhoneをリセット]の画面。[開始]をタップする
[続ける]をタップする
この画面は表示されないこともある。[すべてのAppデータをiCloudで移行]をタップする
[完了]をタップする

バックアップの作成は時間がかかるので、他の操作をしながら気長に待ちましょう。なお、一時的なバックアップが保管されるのは21日間とのこと。新しいiPhoneの入手の目途が立っていない場合は、届いてから作業したほうが確実ですね。

通常のバックアップは失敗したとの通知が表示されているが、[転送またはiPhoneをリセット]から作成している一時的なバックアップは進行中だ
バックアップが完了すると、その旨のメッセージが表示される。一時的なバックアップは21日間保管されるとのこと
作成した一時的なバックアップは、新しいiPhoneでの復元に利用できる

その3 バックアップで対応できないコトに備える

バックアップがあれば万全というわけではありません。アプリやWebサービスを利用するには“自分しか知らない”アカウント情報でのログインが必要です。忘れていないでしょうか? ECサイトやポイントサービス、ストリーミングサービスなど、かなりの数のサービスを利用していると思います。

メールアドレスをアカウント名として登録していたり、Apple IDやGoogleアカウント、Facebookアカウントなどでログインする「ソーシャルログイン」を利用していたりといろいろ。Webブラウザーからログインできるか試しておくことをオススメします。

Webブラウザーでサービス名を検索したら、リンクを長押ししてメニューを表示。[バックグランドで開く]や[新規タブで開く]をタップすると、アプリではなく、Webページとして表示できる
利用しているアカウント情報でログインできるか試しておく

アプリにログインしたまま長年利用していると、何もかも忘れていることも珍しくありません。ログインできない時は、Webブラウザーに保存されているパスワードを確認してみてください。Safariは設定アプリの[パスワード]、Chromeは設定メニューからパスワードを表示できます。

Safariは設定アプリの[パスワード]からパスワードを確認可能
Chromeの場合は、Googleアカウントでログインしておく。設定メニューから[パスワード]をタップして確認する

決済のあるWebサービスでは、電話番号による二段階認証が設定されていることがほとんどです。ログイン済みのアプリの設定画面を確認しておいてください。どうしてもログインできない場合は、各Webサービスの用意する「パスワードを忘れた方はこちら」の手順を参照してください。

なお、ゲームなどの一部のアプリでは、古いiPhoneで生成した“引継コード”を新しいiPhoneに入力するものもあります。思い当たるアプリを使っている場合は、あらかじめ引越し方法を確認しておきましょう。

“引継コード”を生成してから引越すアプリもあるので注意

多くの方が使っているLINEも要注意です。トーク履歴などは、LINEアプリ内で別途“バックアップ”する必要があります。詳しい手順は以下を参照してください。

LINE引越しの注意点。スマホ機種変前に準備しよう

LINEのトーク履歴はアプリ内からのバックアップが必要

Walletやネットバンキングのアプリは新しいiPhoneが届いてから

古いiPhoneでの引越し準備はここまで。決済用のカード情報が紐付く“Wallet”やネットバンキングのアプリについては、新しいiPhoneが届いてから設定すれば大丈夫です。新しいiPhoneが手元にある人は、焦って古いiPhoneのフォーマットしないように注意。思わぬ落とし穴があるかもしれません。次回は引越し後にやっておくべきことをまとめて紹介します。

iPhone引越し時&直後にすべきこと。確認を怠るとアプリ使用時にひと手間