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OpenAI、技術者を企業派遣して「AI同僚」を推進する「Frontier」
2026年2月6日 10:57
OpenAIは5日、企業のAIエージェント導入を支援し、「AI同僚(AI coworkers)」を事業に組み込むために、同社のエンジニアが顧客企業に常駐して手助けする「OpenAI Frontier」を開始した。
HP、Intuit、Oracle、State Farm、Thermo Fisher、Uberなどが最初の採用企業となるほか、CiscoやT-Mobileなどの顧客がすでに試験導入を開始し、AI業務推進を図っているという。
OpenAI Frontierは、企業が実業務を遂行できる「AIエージェント」を構築・展開・管理するための新プラットフォームとなる。Frontierはエージェントに、人間が業務で成功するために必要なスキルを提供。これには、共有のコンテキスト、オンボーディング、フィードバック付き実践学習、明確な権限などが含まれる。これらにより、チームに限定したユースケースだけでなく、事業全体で機能する「AI同僚」を実現する。
企業においては、多くのクラウド・データプラットフォームや、アプリケーションに分散した非連携システムが存在し、AIを横断的に活用することには制限もある。こうした企業独自の文脈に対して、組織的知識と内部言語を学習しながら、既存システムと連携し、AIエージェントの最適な導入を図っていく。
そのためにシステム横断で業務が実際に遂行される方法を理解し、必要なコンピューターとツールへのアクセスを持つとともに、業務の変化により品質が向上するよう「成果」を定義。それらが複数のクラウドをまたぐ複雑なシステム間で動作するよう調整する。
こうした取り組みのため、OpenAIのエンジニア(FDE:Forward Deployed Engineers)が顧客企業の現場に参加し、並行して作業しながら、本番環境でエージェントを構築・運用するためのベストプラクティス開発を支援していく。
能力の高い従業員は、ビジネスの仕組みや情報の所在、優れた意思決定の在り方を理解し、行動する。Frontierは、サイロ化されたデータウェアハウス、CRMシステム、チケット管理ツール、内部アプリケーションなどを接続し、AI同僚に優れた従業員と同様の共有ビジネスコンテキストを提供。AI同僚が、情報の流れ、意思決定が行なわれる場所、成果を理解してコミュニケーションを行なえるようにする。
ベンダー側のエンジニアが、顧客企業の利用部門に加入し、現場のニーズを把握してアプリケーション等の開発や導入を支援する「FDE」は、米Palantir(パランティア)の成功などから注目を集めている。OpenAIでも企業向けにこうした取り組みを推進し、Frontierを主に大企業向けに展開していく。今後数カ月でより広範な提供を目指しているという。
クリスタルインテリジェンスはFrontierを基盤に
OpenAIは、ソフトバンクと共同で、AIで企業の経営を変革する「クリスタル・インテリジェンス(Crystal intelligence)」を共同展開する方針を発表しており、25年には日本市場向けのSB OAI Japanも設立した。
今回のOpenAI Frontierの発表にあわせ、「Frontier」を基盤としたクリスタル・インテリジェンスの展開に向けた取り組みを強化していく。クリスタル・インテリジェンスは、日本の企業がAIを全社横断で活用するために必要な機能群や、導入支援・運用サポートを統合した法人向けAIソリューションとなる予定。
SB OAI Japanは、ソフトバンクでの先行検証で培った知見や日本企業に対するシステム導入のノウハウを基に、FDEが企業ごとにAIエージェントを導入するための業務整理やユースケースの設計、データや既存システムとの統合、セキュリティ・ガバナンス設計、実装・定着までを一気通貫で支援する。また、独自のAIエージェント群を提供予定。SB OAI Japanでは、2026年中のクリスタル・インテリジェンス展開を目指す。



