『エンジニアリングマネージャーのしごと』という本を読みました。エンジニアリングマネージャーについて書かれている本は(最近対象増えてきた印象はあるが)少なく、その中でこの本は割と代表的な本だと思います。
なぜ読もうと思ったか
私は現在エンジニアリングマネージャーをしているが、よりチームをスケールさせるためには、自分の持っている仕事をメンバーに委譲していく必要がある。
そこで、エンジニアリングマネージャーがするべき仕事をしっかりと定義し、それ以外の仕事で委譲できそうなところはメンバーに委譲していきたい。
また、エンジニアリングマネージャーとしての自分の仕事について、改善できる部分があれば改善したい。
その目的で読んだ結果どうだったか
僕が持っていた「エンジニアリングマネージャーの仕事のうちコアな部分は何か?」という疑問について明確な答えは得られなかった。
「エンジニアリングマネージャーがどう振る舞うべきか?」が書かれている。一般的にエンジニアリングマネージャーとしてやるべき仕事(評価、採用、メンバー育成等)についての方針をつかむには良さそう。
読んだ感想
内容は参考にできることがが多いと思う
- 組織によってマネージャーに求められる仕事が微妙に異なるため、全部が全部が役に立つわけではないが、カバーしている内容は幅広いので、必要な部分だけ参考にするのが良い
長い
- 全18章のボリュームがあり、読むのに時間がかかる
- マネージャーの仕事は多岐に渡り、かつ抽象的なので、仕方ない部分はありそうだが...
- 各章はもう少し簡潔にできそうな気がした
- 原著が英語ということもあり、日本語訳は少し読みづらい部分がある
各章の名前が独特すぎて何について書かれているのかわかりづらい
- 例えば、「メンバーの評価」に関する章が「1年でいちばん輝かしい季節」というタイトルになっており、内容を直感的に把握しづらい
- 特定の項目だけ読みたい場合もあるので、章のタイトルでわかるようになっていて欲しい
本の構成
- 1章 新たな冒険
- マネージャーになった時に、まずやるべきことれている
- 2章 まず自分を管理しよう
- マネージャーになったらどのように仕事をしていくべきか
- これまでと違い、「部下がいる上司」として仕事することになるし、仕事の内容も変わってくるが、どうするべきか
- 3章 人間と関わる
- マネージャーになったからには、人とのコミュニケーションの取り方についてより注意していく必要がある
- 4章 1on1
- メンバーとの1on1について
- 5章 その人に合った仕事とは
- メンバーにどのような仕事を任せていくべきか
- 6章 1年でいちばん輝かしい季節
- メンバーの評価について
- 7章 採用中!
- メンバーの採用について
- 8章 ゲームオーバー
- メンバーが離職するケースについて
- 9章 友人を作り、人に影響を与えるには
- マネージャーになると、チーム外のメンバーとのコミュニケーションについてより重要になる
- 10章 人間って難しい
- マネージャーになると、周囲からの見られ方が変わってくる。チーム内だけではなく、チーム外からの目も厳しくなるが、そういった状況でどのように対応していくか
- 11章 プロジェクトって難しい
- マネージャーになるとプロジェクトに責任を持つ必要が出てくる
- プロジェクトが大きくなってきた場合、プロジェクトがピンチになった場合、どう振る舞うべきか
- 12章 情報の証券取引所
- 情報をどのように取り扱うべきか
- 13章 コントロールを手放す
- マネージャーになると基本的には忙しくなるが、限られた時間をどこに割くべきなのか?について考える
- 14章 良いハウスキーピング
- チームの学習を促進したり、コミュニケーションを促進したり、チームが正常に機能するように必要なポイントについて
- ハウス = 自分の持っているチームを指している
- 15章 デュアルラダー
- デュアルラダー(2つの梯子)とは、インディビジュアルコントリビューター(技術を極めていく人)になるコースと、マネジメントになるコースの2つのコースがあるという意味
- それぞれのコースについてメンバーをどのようにキャリアアップさせていくか
- 16章 現代の職場環境
- 近年トレンドになっている「ダーバーシティ」「リモートワーク」「ワークライフバランス」などについて触れる
- 17章 スタートアップ
- スタートアップとは何なのか?スタートアップでもマネジメントは必要なのか?
- 18章 クリスタルボール
- クリスタルボール = 水晶玉 = 占いに使うやつ。チームの未来やビジョンを決めることについて
個人的に「特に参考になるな」と思った箇所
- メンバーとのコミュニケーションの取り方について
- マネージャーの言葉には重みがある
- 評価を伝える時(フィードバックの時)の心構え
- メンバーへの仕事の委譲のしかた
- サマリー(週報など)について
- 1on1 はどうあるべきか
- メンバーの退職にはどのようなケースがあるのか
- 他チームとの繋がりの作り方について
- 社内政治の扱い方
- 自分でコントロールできない事象についての心構え
- マネージャーの仕事のキャパシティについて
- チームでよく発生する問題とその対処法
- Architecture Decision Record (ADR) など
- メンバーのキャリアアップをどのようにサポートするか
マネージャーに求められる仕事について
マネージャーといっても、組織によって求められる仕事は色々あります。特に求められる仕事は以下の4つかと思います。
- ピープルマネジメント
- メンバーの成長をサポートしたり、評価をする仕事
- テクニカルマネジメント(テックリード)
- 担当しているプロダクトを技術面について責任を持つ仕事(どのような技術スタックを使って実装するか等)
- プロダクトマネジメント
- 担当しているプロダクトの実装の優先度をコントロールする仕事
- プロジェクトマネジメント
- あるプロジェクト(大きな機能開発など)の進行について責任を持つ仕事
この中で、エンジニアリングマネージャーの一番コアの仕事は「ピープルマネジメント」です。それ以外の仕事は必要に応じて(メンバーに適任者がいるかどうか、エンジニアリングマネージャーのキャパシティがあるかどうか)について、エンジニアリングマネージャーが担ったり、メンバーが担ったりします。
このポイントについて、『エンジニアリングマネージャーのしごと』の中には明確にが出てきませんが、この知識は前提で書かれているので、本書の中ではピープルマネジメントの話が中心となります。
特に、プロダクトマネジメントやプロジェクトマネジメントについての知識を求めている場合は、この本の中には出てこないので注意したほうがいいです。
さいごに
オライリーから出版されている『エンジニアリングマネージャのしごと』を読みました。
最近はエンジニアリングマネージャーに関する本も増えてきています。例えば、『エンジニアのためのマネジメントキャリアパス』とかもそうですね
なので、探したら『エンジニアリングマネージャーのしごと』よりも良い本はありそうな気がします。今後も良さそうな本があれば読みたいと思います。