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月魚


三浦しをん

角川書店 2004-05
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 瀬名垣太一の友人が営んでいる古書店『無窮堂』を訪ねたとき、友人の本田真志喜は煙草を吸っている彼を見て、そして見なかった振りをした。抗議する彼に、和服を着こなした真志喜は不機嫌そうに目を細め「明日、吸い殻ちゃんと拾えよ」と言って彼を家に上げる。「へえ、泊まっていっていいんだ」と茶化す瀬名垣の言葉に、真志喜の細い首筋がうっすらと桜色に染まる。
「水底の魚」「水に沈んだ私の村」「名前のないもの」という、瀬名垣と真志喜の活躍を描いた連作短編。ところで、うえの段落では、いかにも真志喜が女っぽくあらすじを書いてみたけれど、これが実は男なのである。そう、本書はふたりの男の友情を描いたものなのだ。どう読んでもBLだったが。まあ、著者が三浦しをんという時点で、予期されてしかるべきだったかもしれない……。内容に関しては、端的に言って面白かった。メインテーマとして古書が扱われているゆえか、文面から著者の本への愛が伝わってきて、非常に好感が持てた。したがってBL読みはもちろん、BL読みでないひとにも本書はオススメ。




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