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969『トーキョー・プリズン』

 人生観を揺るがしかねない概念を秘めているわけでも、墓場にまで持ち込みたいほど愛着を持っているわけでもないが、なんだろうか、この感情は。考えるだけで頭の中の蛇が頭をもたげ、胸が締め付けられ呼吸が苦しくなるのだ。柳広司の著作は初めて読んだが、まさかここまで肌に合うとは思わなかった。秋山が触れたかった概念、感じたかった世界、読みたかった小説が、存分に、そして寸分の狂いもなく提示されているのだ。この不条理に対する悲哀と怒り、そしてそこから生まれる狂気と歪みとを忘れぬうちに書いておこう。本書は紛れもなく傑作であると。
 柳広司の著作は本書が初めてなので、他の作品も順次、読んでいこうと思う。いつか本書にもまた戻ってくるだろう。




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