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915『プラスティック・ソウル』

 読み始めて、すぐ唸ってしまった。阿部和重の作品は『インディヴィジュアル・プロジェクション』しか読んだことはないが、あの作品を覆っていた雰囲気は霧散しているように感じた。アシダを主人公とした三人称から私を主人公とした一人称へ、目まぐるしく視点が立ちかわり、また物語自体も行っては帰り、右を向いたかと思うと左を向く。物語を含め、全体的によく分からず、唖然。多分、著者が阿部和重でなければ、中途で読むのを止めていたと思う。しかしそうでなくとも、何故か読ませる筆致、そしてつきまとう何だか嫌な感じは上手く表現されていて、やっぱり最後まで読んだかもしれない。
 巻末に収録されている評論やインタビューの抜粋などが、なかなか面白かった。『ニッポニアニッポン』と物語的に続いているらしいので、機会があれば阿部和重の作品は一気に読んでしまいたいと思う。




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