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生成AIを使って気が付いた、将棋AIとの3つの共通点

最近、生成AI(Gemini)を深く使うようになって、強く感じることがあります。
それは、世間で言われている生成AIに対する言説が、将棋AIに対する言説と驚くほど似ているということです。

今回は棋士の視点から、将棋AIと生成AIの共通点について感じる、3つのポイントについて書いてみます。

1. 「考える時間」で結論は全く変わる

生成AIを使ってみて「大した答えが返ってこない。AIはまだ使えないな」と言う人がいます。
これは将棋AIの黎明期から普及期にかけて、よく聞いたセリフと全く同じです。

将棋AIの場合、例えば100万ノード(局面)しか読ませていない浅い探索の段階では、将棋AIが悪手を示すこともあります。
しかし、同じ局面でもさらに時間をかけて深く読ませれば、きちんと正解手が浮かび上がってくることが多々あります。

生成AIも同様で、浅い探索(Geminiの高速なモデルなど)で最初の回答だけを見て判断するのは、浅いノードでの候補手を鵜呑みにするのと同じです。
複雑な問題であればあるほど、深く推論(Geminiの上位モデルなど)させないと、AIの真価は発揮されません。

2. 「問いの立て方」がすべて。強い人ほどAIの使い方が上手い

将棋AIを使って研究すれば、誰でも強くなれるわけではありません。
どのような局面を将棋AIに探索させるか。その「問いの立て方」にこそ、将棋AIの使い方の上手さが表れます。

藤井聡太六冠は将棋AIを上手く使いこなしている一人で間違いないでしょう。
藤井六冠は将棋AIの示す手をなぞるのではなく、そこへ自身の感覚と深い読みを混ぜ合わせ、その手に対して質の高い問いを将棋AIに繰り返しぶつけることで、精度の研究を生み出しているのです。

これは生成AIにおけるプロンプトと全く同じ構図です。
どのようにプロンプトを与えてAIを活用するか。
結局のところ、基礎の力や言語化能力が高い人ほど、生成AIからも質の高いアウトプットを引き出せるのでしょう。

3. 「ハルシネーション」と「将棋AIの示す手の暗記」

生成AIの課題としてよく挙げられるのが、もっともらしいウソをつくハルシネーションです。実は、将棋AIを用いた研究でもこれと全く同じ構図があります。

研究段階で将棋AIが最善と示した手を、その背後にある理由を深く考えずに鵜呑みにしてしまうと、実戦で痛い目を見ます。
将棋AIが浅い読みで誤った評価をしていたり、その後の展開を指しこなす力が人間側にない場合があるからです。

本当に実戦で役立つ研究にするためには、将棋AIが示した手をただ暗記するのではなく、その手を起点にしてさらにAIに深く読ませたり、自らが思いついた手を検証するという作業が不可欠です。

これは、生成AIが生成した回答や文章をそのまま鵜呑みにするのではなく、人間が自分の目で確認をして、自分の思考とすり合わせながら検証していくプロセスと一致しています。

まとめ:先行事例としての「将棋界とAI」

こうして見てみると、将棋AIと現代の生成AIは、ツールとしての性質や使い手の向き合い方において、驚くほど共通点が多いことがわかります。

どちらも魔法のように正解を教えてくれるわけではなく、時間のかけ方や、問いの質や人間側の思考の深さが結果に反映されます。

将棋界は、他分野よりずっと前からAIと向き合い、どう使いこなすかという試行錯誤を繰り返してきました。
現在、社会全体で生成AIの活用法が模索されていますが、将棋AIにまつわる様々な言説やノウハウは、これからのAIとの付き合い方において先行事例と言えると思います。

 

それではまた




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