ふと思いついて、寒空の下、無機質な人工島を歩いた。
5年ほど働いた街の、何度か歩いたり自転車で走ったりもしたことのある道だ。

けれども日が短い冬に歩いたのは、これが初めてだったかも知れない。
枯れ草も冬の賑わい
冬の散歩のお楽しみは、もっふもふの種を宿した雑草を観察すること。


枯野見(かれのみ)
冬の温かい日に郊外の野原をゆったり歩いて草紅葉(くさもみじ)を眺める『枯野見(かれのみ)』は、江戸時代から続く文化だ。
江戸っ子の粋な遊び心が表れた、わび・さびの風情。
実はこの枯野見が結構好きである。
ポートアイランドを歩く上で全く期待していなかったけれど、植え込みの隙間などに旺盛に生えた雑草がとても頼もしい。
人間の都合で道端に植栽され、アスファルトに圧迫されている樹木を見かけると、個人的にはとても辛い気持ちになるのだけれど、隙間から勝手に生えてくる雑草にこそ生命力の何たるかを思い知らされる。


これは包まれている感じがするので、弾けるタイプだろうか。
植栽だろうけれど、なかなか可愛らしい造形だ。
「枯れる」という言葉を当てはめた時の印象は、動物と植物では異なるのかも知れない。けれども枯野見で見かける草たちは、往々にして種を宿しているのだから、これは動物で言うところの妊婦さんである。
色鮮やかに咲き誇る花よりも、次世代に全てをかける生命の神秘を感じる光景なのだ。
特に植物の場合は、その形態や機能面に、生存戦略がありありと投影されるのだから面白い。
風が少々強めで寒かったし、太陽も傾きかけていたけれど、思いがけず楽しめた。