フォールトトレランス(耐障害性)とは、火災・停電・機器故障などの障害が発生した場合でも、システムの稼働を継続させるための対策や設計思想の総称です。「fault(障害)」に対して「tolerance(耐性)」を持つという意味に由来しています。
フォールトトレランスを実現するうえで重要な考え方のひとつが、フェールソフトです。これは機器の一部に障害が発生した場合でも、機能を完全に停止させるのではなく、一部の機能を縮小・制限しながら運転を継続するアプローチです。複数のエンジンを搭載した飛行機や、サーバの冗長化構成などがその代表例です。
一方、フェールセーフは障害発生時に安全を最優先としてシステムを停止・安全な状態へ移行させる考え方です。信号機が故障時に赤点滅へ切り替わる仕組みがその典型例で、稼働継続よりも安全確保を優先します。
さらに、障害対策の観点から重要な設計思想としてフールプルーフがあります。これは利用者が誤った操作をしてもそもそも障害が発生しないよう、設計段階から仕掛けを組み込む考え方です。入力フォームのバリデーション処理や、危険な操作前の確認ダイアログなどがその例として挙げられます。
この3つの考え方は互いに補完し合う関係にあります。フールプルーフで誤操作による障害を未然に防ぎ、障害が発生した際にはフェールソフトで継続性を確保しつつ、安全性が脅かされる場合はフェールセーフで確実に保護する。この多層的なアプローチを組み合わせることが、高い信頼性と安全性を兼ね備えたシステム設計の基本となります。
入力画面で数値を入力すべきところに誤って英字を入力したらエラーメッセージが表示され、再入力を求められた。このような工夫をしておく設計思想を表す用語として、適切なものはどれか。
| ア | フールプルーフ |
| イ | フェールソフト |
| ウ | フォールトトレランス | エ | ロールバック |
答え:ア
フールプルーフとは誤った操作をしても故障しないようにしたり、そもそも誤りを起こさせないようにする設計です。