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映画「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」ネタバレ考察&解説 70~80年代香港映画のパワーを猛烈に感じる力作!キャラクターも立っていて、九龍城砦に住む人たちの生活を描いているのも高得点!

映画「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」を観た。

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トニー・ジャーを主演に迎えた「ドラゴン×マッハ!」や、「西遊記」を題材にしたアクションアドベンチャー「モンキー・マジック」シリーズのソイ・チェン監督がメガホンをとり、5000万香港ドル(約9億円)をかけて制作した九龍城砦のセットで撮影した格闘アクション。「るろうに剣心」シリーズや「シャクラ」の谷垣健治がアクション監督を務め、「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」や「イップ・マン」シリーズの川井憲次が音楽を手がけている。出演は「SPL 狼たちの処刑台」のルイス・クー、「神探大戦」のレイモンド・ラム、「燃えよデブゴン」のサモ・ハン、「コールド・ウォー 香港警察 堕ちた正義」のアーロン・クォック、「奪命金」のリッチー・レンなど。香港映画史上歴代1位となる爆発的なヒットを達成しており、日本でも評価は観客、評論家共にすこぶる高い。今回もネタバレありで感想を書いていきたい。

 

監督:ソイ・チェン
出演:ルイス・クー、レイモンド・ラム、サモ・ハン、アーロン・クォック、リッチー・レン、フィリップ・ン
日本公開:2025年

 

あらすじ

1980年代。香港に密入国した青年チャンは、黒社会のルールを拒んで己の道を選んだために組織から目をつけられてしまう。追い詰められた彼は運命に導かれるように、黒社会に生きる者たちの野望が渦巻く九龍城砦に逃げ込み、そこで出会った3人の仲間たちと深い友情を育んでいく。しかし九龍城砦を巻き込む抗争は激化の一途をたどり、チャンたちはそれぞれの信念を胸に命をかけた戦いに身を投じる。

 

感想&解説

とにかくSNSや映画サイトでも鑑賞したファンからの熱量がすごく、映画レビューサイトのFilmarksでも”4.3”という高得点で、軒並み高評価のレビューが並んでいる本作。約9億円をかけて制作したという、”九龍城砦”のセットをフルに使って撮影されたという格闘アクションは、「るろうに剣心」シリーズや「レイジング・ファイア」などで有名なスタント・コーディネーター谷垣健治氏が務め、音楽を「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」や「イップ・マン」シリーズの川井憲次氏が手掛けている。このように日本のスタッフが本作のクオリティに大きく影響しているのは、嬉しい限りだ。監督のソイ・チェンは2000年代初頭から映画監督して作品を残しているが、今作で大きくブレイクスルーしたクリエイターだと言えるだろう。

タイトルの「トワイライト・ウォーリアーズ」は最初こそ、パッとしないタイトルだなと思ったのだが映画を観終わった後なら、これ以上ないくらいハマっている題名だと感じる。”日が沈む黄昏時に闘う戦士”という意味だろうが、このタイトルが示するものは、1993年に取り壊された”九龍城砦”であり、そこに住んでいたかつての住民たちであり、長い間斜陽だと言われていた香港映画界であり、その香港映画の作り手たちなのだろう。本作はアカデミー賞国際長編映画賞の香港代表となり、香港映画としても歴代No.1の動員を達成したエポックメイキングな一作となったが、この大ヒットの意義は大きいと思う。

 

極めて漫画的な世界観だが、それもそのはず本作は漫画が原作らしい。最初はまったく素性の分からない主人公、そして極限状況の中、男同士の拳で築かれていく友情、強く尊敬できる師匠の存在、そして圧倒的に強い最恐の敵と、いわゆる”少年漫画”の要素をとにかく全部入りさせて、高圧縮で煮込んだようなエンターテイメントなアクション映画なのだが、とにかく本作はキャラクターが”立って”いる。その筆頭がルイス・クー演じる”ロン・ギュンフォン”だろうが、九龍城砦内で理髪店を営む店主でありながら、サングラスと煙草がトレードマークで滅茶苦茶強い上に、気が優しくてリーダーシップがあるという典型的な”師匠キャラ”だし、テレンス・ラウ演じる”ソンヤッ”は眩しい位の二枚目キャラで、主人公と友情を育む。

 

 

切られた顔の傷を隠す為にマスクをしている”セイジャイ”や、サモ・ハン演じる悪役の名前が”大ボス”という分かりやすさ、さらにフィリップ・ン演じる”ウォンガウ”が使う気功が、チートレベルで最強なのもいかにも少年漫画的で面白い。「硬直!」は映画を観た人なら誰しも言いたくなる、名セリフだろう。さらに”セイジャイ”がラストで晒す素顔が、これまたビックリするようなイケメンであったりとビジュアルとキャラ設定が分かりやすいのと同時に、作り手のサービス精神が満載なのだ。この作品はとにかく観客を楽しませようという気概が強く、ストレートに胸熱の展開が楽しめる。超絶アクション映画だが決してアクションシークエンスだけではなく、九龍城砦に住む人たちの苦難も含んだ生活を詳細に描いているのも、この映画の世界観を立体的にしていると思う。

 

舞台は1980年代の香港。密入国したチャン・ロッグワンは偽身分証を手に入れる為、黒社会の”大ボス”が開催した賭け試合に出場したことから目を付けられるが、黒社会と繋がりたくないロッグワンはそれを拒否する。だが偽身分証を掴まされ、金袋を奪い逃走したことから、手下に追われ九龍城砦に逃げ込むことになる。そこで出会った理髪店の主人ロン・ギュンフォンはかつて黒社会の勢力争いを制した男だったが、ロッグワンを迎え入れてくれる。さらにそこで出会った3人の若き仲間たちとも彼は深い友情を育んでいく。ここからネタバレになるが、しかし過去にあった黒社会の抗争の中で、ロン・ギュンフォンの義兄弟である”秋(チャウ)兄貴”は妻子を殺し屋の”チャン・ジム”に眼前で殺されており、チャン・ロッグワンはその息子であることが発覚したことから、秋(チャウ)兄貴からは命を狙われることとなるが、それを裏で操っていたのは大ボスとその手下であるウォンガウだった、というストーリーだ。

 

ジャンルとしてはそこまで深く知っている訳ではないが、鑑賞しながらショウ・ブラザーズやゴールデン・ハーベストによる、元気だった70~80年代の香港映画の懐かしさとパワーを猛烈に感じる。恋愛要素などをオミットしているのも潔いし、九龍城砦を舞台にした人々の貧しいながらも力強く生きている様子も適度に散りばめており、難民や黒社会といった社会テーマもスパイスとして効いている。日本文化としての「ダンシング・ヒーロー」やアダルト・ビデオ、カラオケ機器といったアイテムも登場しているのも日本人としては嬉しいところだろう。カンフーアクションもリアルアクションとVFX処理の良いところ取りで、格闘シーンとしても虚実のバランスが良いし、2階建てバスでのフロントガラスを突き破るシーンは「ポリス・ストーリー/香港国際警察」、ワイヤーアクションはユエン・ウーピンがアクション指導した「グリーン・デスティニー」、黒社会を背景にした男の友情は「男たちの挽歌」なども彷彿とさせて、懐かしい香港アクション映画の血筋を感じるのだ。

 

さらにエンディングでは、強敵ウォンガウを4人の力を合わせて倒したという達成感と、4人の若者たちの”変わらないものもある”という友情を感じさせるセリフ、九龍城砦の生きる人たちの絶妙なノスタルジックさ、更にそこに見事に哀愁ある川井憲次氏によるBGMが混じり合い、鑑賞後の後味がとても良い。この後味の良さも本作の重要な要素なのだと思う。4人がマージャン卓を囲むシーンなども印象深いし、”凧上げ”を通じていつかはこの生活から脱出したいという、市井の人達の気持ちを表現しているのも演出として上手い。また端役の子役なども出番は少ないが良い演技だったと思う。今までに観た事のないテーマやアクション演出という作品ではないかもしれないが、作り手の意志がしっかりと伝わりつつ、高い水準でパッケージングされた良作だろう。どうやら本作に続く前日譚と後日譚の2作品も製作が開始されているらしいので、こちらも非常に楽しみだ。

 

8.5点(10点満点)




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