どうも、たきじです。
今回は2025年公開のアメリカ映画『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』の解説&感想です。人気コミック『ファンタスティック・フォー』の3度目の映画化作品であり、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)作品としては『サンダーボルツ*』に続く第37作にあたります。
↓ MCU前作の解説&感想はこちら
↓ 過去シリーズの解説&感想はこちら
作品情報
タイトル:ファンタスティック4:ファースト・ステップ
原題 :The Fantastic Four: First Steps
製作年 :2025年
製作国 :アメリカ
監督 :マット・シャックマン
出演 :ペドロ・パスカル
ヴァネッサ・カービー
エボン・モス=バクラック
ジョセフ・クイン
ジュリア・ガーナー
サラ・ナイルズ
マーク・ゲイティス
ナターシャ・リオン
ポール・ウォルター・ハウザー
ラルフ・アイネソン
上映時間:114分
解説&感想(ネタバレあり)
過去のMCU作品未視聴でも楽しめる
マーベルの人気コミック『ファンタスティック・フォー』の映画化は本作で3度目。2005年、2007年と2作制作された最初のシリーズ、2015年のリブート版はいずれも成功とは言い難い出来でした。それから10年、満を持してMCU作品として制作されたのが本作『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』です。
とは言え、オープニングのタイトルロゴはいつものMCU作品とは違っています。これは本作がMCUの本流とは異なるバースの物語だからでしょうか。MCUの前作『サンダーボルツ』のポストクレジットシーンで、宇宙船が「別次元から来た」みたいなことが言われていましたよね。
その意味で、本作はこれまでのMCU作品を観ていない人でも"平等に"楽しめる作品と言えます。テレビシリーズの視聴まで求められた最近のMCU作品の中では貴重な作品かもしれません。
オリジンを描かないという割り切り
本作の大きな特徴の一つが、ファンタスティック・フォー誕生の経緯を省略している点です。能力獲得の経緯やこれまでの活躍は、彼らを特集するテレビ番組を通じて観客に示されます。この番組を通して、ヒーロー映画の雰囲気も簡潔に描写され、つかみとしても十分に機能しています。
こうしたオリジンを省略するという手法は、近年では珍しいものではありません。『インクレディブル・ハルク』、『スパイダーマン:ホームカミング』、『THE BATMAN -ザ・バットマン-』など、過去に映画化された原作の再映画化の場合は、この手法が用いられることも少なくありません。
過去に映画化されているとは言え、その作品を未見で原作も知らない人にはやや不親切でもありますが、物語の本題にすぐに入れるのは大きな利点でしょう。
60年代レトロSFの世界観
本作の舞台となる世界は、私たちの世界とよく似ていながら、どこか少し違う感じが、パラレルワールド的な魅力を生んでいます。
空飛ぶ車が街を行き交うように、ハイテク技術が存在する一方で、音声記録はいまだにレコード盤。 60年代レトロの空気感に、未来的な科学技術が自然に溶け込んでいます。こうしたディテールは、原作コミックが生まれた時代のSF的想像力を、そのまま映像化したかのようで面白いです。
美術や衣装デザイン、音楽はいずれも非常に完成度が高く、この独自の世界観を見事に形作っています。エンドロールも、50〜60年代に活躍したソウル・バス風のレトロでオシャレなデザインで素敵でした。
本作はMCU作品の中でも、ビジュアル面ではかなり印象に残る一本と言えるでしょう。
ギャラクタスという存在
物語の脅威として登場するギャラクタスは、そのスケール感ゆえにどうしても『エターナルズ』のセレスティアルズと印象が重なりますね。
設定上は異なる存在であるものの、MCUで共有された世界にセレスティアルズが存在するため、どうしても新鮮味は薄れてしまいます。本来なら畏怖すべき存在が、少し記号的に見えてしまう点は惜しいところです。
どうでもいいですけど、ギャラクタスを見て大魔神を思い起こしてしまったのは私だけでしょうか?
予定調和に感じられるドラマ展開
ドラマ面では、やや予定調和に感じられる場面が散見されます。
例えば、「ギャラクタスが地球から手を引く条件として自分たちの子供を要求した」という情報を、リードが会見で自ら明かしてしまう展開。天才科学者としてはあまりに不用意に思えます。それでデモに集まった過激な人々を、スーが"感動的な"スピーチ一つで鎮める場面も、正直かなりご都合主義です。ここだけ切り取ると2人によるマッチポンプですね(笑)。
また、ジョニーがごくわずかな手がかりから異星語を解読するのもずっこけてしまうレベルです。お前も天才だったんかと(笑)。
こうやって物語を強引に動かすのが重なると、お粗末な脚本という印象だけが残ってしまいます。
クライマックスに強引さも
それはクライマックスにも表れています。ギャラクタスとの戦いは、スーの力押しとも言える展開で決着がつきます。まあ、これは単なる予定調和というより、「母親の強さ」を前面に出した結果と見るべきかもしれません。
シルバーサーファーが本作では女性になっているのも、「母性」というテーマを重ねるためでしょう。この工夫自体は悪くありませんが、シルバーサーファーが自己犠牲によって地球を救うという展開は過去作ですでに描かれていたので、やや陳腐にも感じられました。
越えられない壁
ファンタスティック・フォーとしての4人の連携は、それなりに丁寧に描かれており、チーム映画としての楽しさはしっかりあります。
しかし、ここでどうしても立ちはだかるのが、ピクサーの傑作アニメ『Mr.インクレディブル』です。
同作はファンタスティック・フォーが元ネタの一つだけあって、多様な能力の使って戦う様子や、家族のドラマ、チームとしての連携といった要素で本作と共通しています。そして、それらの要素をうまくまとめて、ドラマとアクションが噛み合った最高の作品に仕上がっています。
つまり、それらの要素をうまくまとめた映画の最適解になっているので、これには容易に敵わないのです。
最後に
今回は映画『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』の解説&感想でした。
本作には、ギャラクタス、シルバーサーファー、そしてラストではドクター・ドゥームも登場。主要な要素はしっかり揃っており、ファンタスティック・フォー映画として必要な条件をしっかり押さえています。
一方で、突き抜けた面白さはありませんし、展開も予定調和な部分が少なくありません。それでも、過去シリーズと比べれば、うまくまとまっていることは間違いありません。
革新的でこそありませんが、ようやく"正解に近いファンタスティック・フォー映画"が出てきたと言える作品です。
個人的な満足度:7/10
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!
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