どうも、たきじです。
今回は2024年公開のアメリカ映画『デッドプール&ウルヴァリン』の解説&感想です。デッドプール・シリーズとしては『デッドプール2』に続く第3作。ディズニーが21世紀フォックスを買収したことに伴い、本作からマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)作品に組み込まれました。MCU作品としては『マーベルズ』に続く第34作にあたります。
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作品情報
タイトル:デッドプール&ウルヴァリン
原題 :Deadpool & Wolverine
製作年 :2024年
製作国 :アメリカ
監督 :ショーン・レヴィ
出演 :ライアン・レイノルズ
ヒュー・ジャックマン
エマ・コリン
モリーナ・バッカリン
ロブ・ディレイニー
レスリー・アガムズ
アーロン・スタンフォード
マシュー・マクファディン
上映時間:127分
解説&感想(ネタバレあり)
過激なオープニング
これまで、デッドプールやウルヴァリンが登場するX-MENフランチャイズの作品は、かつてのハリウッドのメジャー映画スタジオの一つ、20世紀フォックス(現・20世紀スタジオ)によって製作されてきました。しかし、2019年に20世紀フォックスがディズニーに買収されたことで、本作『デッドプール&ウルヴァリン』はMCU作品として制作されました。
血みどろの過激なオープニングクレジットは、MCUにR指定映画が入ってきたことを高らかに宣言するものであり、これまでのMCU作品に対する挑発にすら感じられます。
そして何より衝撃的なのは、ウルヴァリンの物語の完結編である『LOGAN/ローガン』のラストを事実上ぶち壊していることでしょう。同作で感動的な最期を迎えたウルヴァリンの遺体を冒涜する内容ですからね。同作のラストをあまり気に入っていない私ですら、あまりにブラックすぎて少し引いてしまいました(笑)。しかし、この遠慮のなさこそがデッドプール・シリーズの魅力でもあります。
20世紀フォックスのマーベル映画の区切り
これまでMCUとは違う世界線で描かれてきたデッドプールやウルヴァリンが、どのようにMCUと関わるのか、というのは気になるところでした。そこで便利なのが、やはりマルチバースという概念です。
本作は、神聖時間軸と呼ばれるMCUの世界線と緩やかに接点を持ちつつ、物語の中心はあくまで「消滅の危機にあるデッドプールたち世界線」に置かれています。つまり、MCUはネタとして触れられる程度で、ストーリーとして深く絡み合うことはありません。むしろ、X-MENシリーズに限らず、これまで20世紀フォックスで製作されてきた過去のマーベル映画が絡められ、20世紀フォックスのマーベル映画の歴史に区切りをつける作品になっています。
「虚無」という設定がもたらす見事なメタ構造
本作最大の発明は、「虚無」という概念でしょう。時間軸が剪定され、崩壊した世界の住人たちが送られる場所。これは物語上の設定であると同時に、メタ的な視点で言えば、「打ち切られた映画シリーズの墓場」のような場所にも映ります。現実世界における「シリーズ終了」や「企画消滅」を、劇中では「時間軸の消滅」と位置付け、そこにいたキャラクターを虚無に集わせる。この発想には感心しました。
中でも、『キャプテン・アメリカ』のクリス・エヴァンスの登場は驚きでした。名言が出るぞ、というところでキャプテン・アメリカの「アッセンブル!」ではなくヒューマン・トーチの「フレイム・オン!」だったのは吹き出してしまいました。エヴァンスは20世紀フォックスの『ファンタスティック・フォー』シリーズでヒューマン・トーチことジョニー・ストームを演じています。
他にも『ブレイド』のウェズリー・スナイプスや『エレクトラ』のジェニファー・ガーナーなど懐かしい面々、『LOGAN/ローガン』のローラ、企画が消滅したチャニング・テイタムのガンビットなど、時代に置き去りにされた者たちが次々に登場します。
敵側にも、『X-MEN』シリーズから多数のキャラクターが登場。パイロやセイバートゥースの他、俳優は変更しているものの、トード、アザゼル、デスストライク、ジャガーノートなども登場して楽しませてくれます。
極めつきは虚無に転がる20世紀フォックスのロゴ。なかなかブラックなユーモアです。
マルチバース自体は最近の流行で食傷気味なところもある中で、こうした新しい発想があると新鮮な気持ちで楽しむことができます。
ウルヴァリンという象徴とデッドプールによる継承
『LOGAN/ローガン』でウルヴァリンの物語は終焉を迎えましたが、本作では別の世界線のウルヴァリンが登場し、デッドプールと共に戦います。様々な世界のデッドプール軍団と戦うシーンでウルヴァリンがついにコミックスでお馴染みのマスクを被る瞬間は本作屈指の盛り上がりどころ。長年のファンほど、胸が高鳴ったのではないでしょうか。
これまで、20世紀フォックスのX-MENを象徴してきたのは、間違いなくウルヴァリンでした。彼が去ったことで消滅しかけた世界をデッドプールが救うことでこの世界はかろうじて続いていきます。
デッドプールの今後の作品は決定していないものの、彼の存在によって20世紀フォックスの遺産が継承されていくというのは、映画の中の世界と現実の世界がリンクしていて、実にうまいところでした。
最後に
今回は映画『デッドプール&ウルヴァリン』の解説&感想でした。正直に言えば、本作のストーリー自体は決して緻密ではありませんし、ドラマも薄く、感情の深掘りは最小限です。しかし、20世紀フォックスが築いてきたマーベル映画への前向きな追悼であり、ウルヴァリンからデッドプールへの継承の物語としてみれば、一見の価値のある作品でした。
個人的な満足度:7/10
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