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映画『ブラックパンサー』解説&感想 ヒーロー映画で初めてのアカデミー作品賞ノミネート

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どうも、たきじです。

 

今回は2018年公開のアメリカ映画『ブラックパンサー』の解説&感想です。ブラックパンサー・シリーズの第1作にして、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)作品としては『マイティ・ソー バトルロイヤル』に続く第18作にあたります。

 

 

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作品情報

タイトル:ブラックパンサー

原題  :Black Panther

製作年 :2018年

製作国 :アメリカ

監督  :ライアン・クーグラー
出演  :チャドウィック・ボーズマン
     マイケル・B・ジョーダン
     ルピタ・ニョンゴ
     ダナイ・グリラ
     マーティン・フリーマン
     ダニエル・カルーヤ
     レティーシャ・ライト
     ウィンストン・デューク
     フローレンス・カサンバ
     アンジェラ・バセット
     フォレスト・ウィテカー
     アンディ・サーキス

上映時間:134分

 

解説&感想(ネタバレあり)

アカデミー作品賞ノミネートの背景

本作はスーパーヒーロー映画として史上初めてアカデミー作品賞にノミネートされました。個人的にも、世間的にも、本作がスーパーヒーロー映画として特別に面白い映画というわけではないと思いますが、本作がアカデミー賞でそのように評価されたのは、時代背景抜きには語れないでしょう。

 

本作の公開に先立つこと10年。2008年に公開されたクリストファー・ノーラン監督によるバットマン映画『ダークナイト』は、娯楽映画でありながら芸術性、社会性を兼ね備え、商業的・批評的に大きな成功を収めました。そんな同作がアカデミー作品賞ノミネートされなかった事は当時大きな議論を呼び、アカデミー賞と大衆感覚の乖離が指摘されました。

 

これをきっかけに、アカデミーは作品賞のノミネート枠を最大10作品に拡大し、娯楽映画への評価の幅を広げる方向に舵を切りました。さらに、2010年代後半からは、多様性を尊重する流れが強まりました。

 

そんな時代背景の中で、アフリカ文化や黒人コミュニティを描写した、黒人中心のスーパーヒーロー映画は、文化的・社会的意義が評価されやすい状況が整っていたと言えるでしょう。

 

アフリカ文化の描写とその限界

と、まあもっともらしいことを書いてみましたが、個人的には「文化的・社会的意義がある」と語るほど、本作がアフリカ文化を描けているのかというと疑問があります。本作のアフリカ描写は「アメリカから見たアフリカ」の域を出ていないようにも思えます。キャラクターの言動やノリもどこかアメリカ的ですし。

 

アフリカという発展途上の地域に、実は超先進的な科学技術を持った国が隠れていたという設定は面白いです。一方で、国王になる儀式みたいなくだりはいまいち乗れません。「部族同士で戦って(殺すことも辞さず)、力のあるものが王となる」なんていう前時代的なしきたりが、先進的な国家像と相容れないですし、ステレオタイプ的なアフリカ像を想起させてしまう面も否めません。

 

いろいろ書きましたが、結局のところ、多様性尊重の時代にあって、黒人中心のキャスト、スタッフによる初めてのスーパーヒーロー映画に対する賞賛が、本作の作品賞ノミネートにつながったのだろうと感じています。メジャーリーグで活躍した初めての黒人選手ジャッキー・ロビンソンの背番号42が全球団で永久欠番になっているのと同じような、先駆者に対する敬意と賞賛ですね(ちなみに本作で主人公ティ・チャラを演じたチャドウィック・ボーズマンは、ジャッキー・ロビンソンを描いた映画『42 〜世界を変えた男〜』でロビンソンを演じています)。

 

スーパーヒーロー映画としての魅力

さて、本作について、スーパーヒーロー映画として特別に面白いとは思わないと書きましたが、他のMCU作品と同程度には面白い作品でした。

 

中盤の、カジノ(007シリーズやミッション:インポッシブル・シリーズで出てきそうな)での長回しのアクションや、その後の遠隔運転によるカーチェイスは見応えがありました。この遠隔操作の自動車や、相手からの攻撃をチャージするスーツなど、ガジェットの機能(あるいはキャラクターの能力)などの独自性のある設定によって全く新しいアクションを組み立てるのはMCU作品の多くに共通する魅力です。

 

クライマックスも文句なし。ブラックパンサーとキルモンガーの一騎打ちに加え、軍勢による野戦や、遠隔操作の航空機を使った空中戦が並行して描かれ、大興奮のアクションをうまく構成しています。

 

また、本作のテーマ性もなかなか面白いところでした。ワカンダが持つ豊富な資源やテクノロジーを、世界にどう役立てるべきか?国王としてどう決断すべきか?という議論。これは、経済力、軍事力を持った大国であるアメリカの抱える議論("世界の警察" or "アメリカ・ファースト")とも重なり、アフリカを舞台とした物語を、ぐっとアメリカに引き寄せています。

 

さて、本作において、他作とクロスオーバーする主なキャラクターは、ロス(マーティン・フリーマン)とクロウ(アンディ・サーキス)ということになります。いずれもMCUのキャラクターの中では脇役なので豪華さには欠けますね。『ホビット』のビルボとゴラムの共演という点では豪華とも言えますが(笑)。

 

 

最後に

今回は映画『ブラックパンサー』の解説&感想でした。多様性尊重の時代にあって、黒人中心のキャスト、スタッフによる初めてのスーパーヒーロー映画として価値ある作品。スーパーヒーロー映画として突出しているわけではないものの、MCUの一作品として十分に楽しめる作品でした。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!!

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