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小島秀夫 監督インタビュー 〜『DEATH STRANDING 2』のサウンド制作を振り返る

DEATH STRANDING 2

自分でアクションできるゲームだからこそ 
一番脳に響くのが音なんです

ついに発売となったPlayStation 5用ソフト『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』(以下DEATH STRANDING 2)。2019年にKOJIMA PRODUCTIONSの第1作目として発売された『DEATH STRANDING』の続編ということで、開発が発表されてから多くのファンが待ち望んできた作品だ。サンレコ2021年11月号では、『DEATH STRANDING Director's Cut』のリリースに合わせて監督の小島秀夫、サウンド・デザイナーの中山啓之にインタビューを行ったが、そこからKOJIMA PRODUCTIONSはオフィスを移転し、新たなサウンド・スタジオを伴って『DEATH STRANDING 2』を制作した。PlayStation 5へとハードの世代が変わったこともあり、グラフィックだけでなくサウンド表現も前作から進化しているようだ。『DEATH STRANDING 2』の制作について、KOJIMA PRODUCTIONSの代表であり、ゲーム・クリエイターとして長きにわたって活躍しつづける小島秀夫のインタビューをお届けしよう。

Overview:DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH

DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH

人と人とのつながりを描いた感動の旅路、『DEATH STRANDING』(2019年)から続く物語。主人公のサムは、仲間と共に人類を絶滅から救うべく新たな旅を始める……。サムを演じるのは名優ノーマン・リーダス。前作から引き続きレア・セドゥやトロイ・ベイカーも続投し、エル・ファニングや忽那汐里ら新たな俳優陣も参加している。

大規模組織での創作の難しさ

──以前から、"プレイヤーの横にオーケストラが居て、プレイに合わせて演奏してくれるような音楽を取り入れたい"と発言されていました。『DEATH STRANDING 2』では、主人公サムの行動によってBGMの音のレイヤーが変化し、プレイヤー独自の音楽が生まれる様子があります。 

小島 『メタルギアソリッド』でも似たことはやっていたんですよ。ただ、一流のミュージシャンに演奏してもらって実装することは難しかったので、当時はデジタル上で再現していたわけですが、今では実際の演奏者の方々にお願いすることができています。 

──今回は理想を実現できましたか? 

小島 本当はもっと自動演奏的にしたいという気持ちはあります。例えばプレイヤーが移動しているときにボーカル曲が流れるとして、プレイヤーが立ち止まったり休憩したりすると歌がフェードアウトしたり、同じメロディを楽器が繰り返したりする。それからプレイヤーがまた動き出すと、またボーカルが流れて曲が展開していく……。それは僕らの制御でもできるんですけど、それこそAIを活用すればもっと細かいことができるはずです。AIに曲自体を自動で生成・演奏させるというアイディアもありますが、それだけではつまらない。やっぱりミュージシャンのセンスというものが欲しくなるんです。まぁ、22世紀くらいにはAIがキャラまで演じていると思いますけどね。

──AIによるクリエイティブについてはどう感じられていますか? 

小島 AIを使うことに関してはポジティブに捉えています。KOJIMA PRODUCTIONSのスタッフは現在150名を超えているのですが、やっぱり人が増えてしまうと隅々まで目を配ることが難しくなってくる。でもそこにAIが入ってくることで、少人数で時間もかけずにモノ作りができる。最近、フランスの少人数チームが大規模な作品(『Clair Obscur: Expedition 33』)をスタジオ設立から数年で作り上げたことが話題になりましたし、アカデミー賞の長編アニメ映画賞を獲ったアニメーション映画『Flow』もかなりの少人数で制作されたものでした。そういったことが今後はより際立ってくると思います。

──ハードウェアの環境がPlayStation 5へと移ったことで、さらに表現できる幅が広がったという実感はありますか? 

小島 飛躍的に広がったかというと、そんなこともなくて。技術面は徐々に向上していますが、システムや概念といったものは変わりません。突然変異みたいに全く違うものになってほしいという願望はありますね。 

──サウンド制作についての変化は? 

小島 『メタルギアソリッド』のときもいろいろと自由にやらせてもらっていたので、『メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ』以降ではハリウッドの作曲家を招いたり、『メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット』ではルーカスフィルムのスカイウォーカー・サウンドにポスプロをお願いしてきました。しかし、これも先ほどの話につながりますが、それらのチームもやはり大規模ゆえに隅々まで目配りしづらい面があります。そこで...

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