『機動戦士ガンダム:銀灰の幻影』のレビュー行くぜ!
パブリッシャー:Astrea
機種:Meta Quest
ジャンル:VR映画
発売日:2024/10/4
価格:2800円
フランスの製作会社であるアトラスⅤと、バンダイナムコフィルムワークスの共同開発で送る、ガンダム初のVR長編作品だ。公式ジャンルは「VR映画」だが見るだけではない。プレイヤーが操縦するバトルシーンやミニゲームが豊富にあり、体感アトラクションのような作りになっているぞ。
現状はMeta Quest2、3、3Sのみでの配信だが、2だとロードが長いとかフリーズするというレビューを見かける。俺はMeta Quest3でプレイしたが、その辺で問題は無かった。
VRかつ現状ではMeta Quest限定配信ということで視聴のハードルは高いんだが……。VRで「ガンダムあるある」を思いっきり体感させてくれる最高の1本。遊べる環境のガンオタなら絶対後悔しない内容だぞ!

まずは主人公のタイプや字幕などの設定をしてゲームスタート。主人公の声は新祐樹と種﨑敦美の2タイプから設定可能となっている。
主人公は画面に顔こそ映らないが、ユウ・カジマみたいな無口系キャラではなく、しっかりセリフを喋りまくるので声優を選べるのは豪華。
- 最初からハイテンション!宇宙世紀0096で語られる銀ピカ傭兵集団のストーリー
- VRで「ガンダムあるある」を体感できるストーリー構成
- レバーを押し引きするだけの簡単戦闘。ニュータイプっぽさを味わえる箇所も
- VRでアクシズ落としに参加できるだけで買った価値はあった
- 「VRゴーグルでのブンドド」が遊べるおまけのMRコンテンツも最高
- これで2800円は安い!モビルスーツに憧れたガンオタなら満足できるはず!
最初からハイテンション!宇宙世紀0096で語られる銀ピカ傭兵集団のストーリー

スタートすると過去のアニメ映像を使ったアムロとシャアの戦い、そして宇宙世紀の振り返りが始まり、VRでスペースコロニーや戦艦の横を駆け抜ける演出でもうテンション上がる!
今回舞台となるのは宇宙世紀0096。
連邦とジオンの脱走兵で構成された傭兵組織アージェント・キールに所属する主人公が、新型ガンダムである「デルタザイン」を駆り、ジオンに通じていた連邦高官アザミ・メギッネの暗殺任務に挑む。しかし、連邦からの依頼だったのに連邦軍のジェガンから襲撃を受けるなど状況は混迷している。果たして主人公は任務を果たせるのか!

女狐キャラで「アザミ・メギッネ」ってネーミングセンスちょっとひどくないかな!?『逆転裁判』に近いセンス。
時系列的には『機動戦士ガンダムUC』の裏側で起こっていた事件を描いているが、直接的な繋がりはあまり無し。傭兵組織アージェント・キール、連邦に良いように使われてるだけの組織か?と思うんだけど、バックボーンが全然語られないからよく分からなかった。
公式サイトでデルタザインの説明に「AE社から提供された」って書いてあるのがきな臭い!

アージェント・キールのモビルスーツは連邦とジオンが混在していて全機体が銀ピカ。
近代化改修で性能がギラ・ドーガに匹敵するザクIIやジムもいるという、そこそこ無茶な設定が話題になっていたが、遊ぶ分には銀ピカのモビルスーツかっけぇ!VRでデカいザクが見れて嬉しい!カラーリングのおかげでVRでも視認性が良い!となった。
外伝作品なので新規が本作から入るにはちょっと背景が複雑だが、シナリオ自体は単純で劇中に説明も入る。
「連邦とジオンってのが宇宙戦争してる」
「主人公は双方の脱走兵で構成された傭兵組織にいるのでどちらでもない」
「ジオンに情報流してる連邦の人間を暗殺するのが仕事」
「ニュータイプというオカルト染みた存在がいる」
「ガンダムはかっこいい」
くらい押さえておけば、雰囲気でなんとかなるかな。全体的にガンダム知らない人でも遊べるように意識されてるのは感じた。
VRで「ガンダムあるある」を体感できるストーリー構成

基本は見るだけで進行するが、モビルスーツの発進シーンや戦闘、デブリの撃墜、ピンチを切り抜けるシーンなど、ここぞという場面ではプレイヤーが操作する作りだ。
VR作品は「主人公=プレイヤー」を意識させるためか、一人称視点中心でカメラワークが単調な作品が割と多いんだが、本作はカット割りが細かく、アニメを見てるのと同じ感覚で白熱できるぞ。視点の切り替えがちょっとせわしない箇所もあるが、全体的には好印象。
「遠くのモビルスーツがこちらを狙っている」みたいな構図がスッと入ってくる感覚がたまらん!

新型ガンダムであるデルタザインに乗り込んでの発進シーンももちろん最高なんだけど、艦内にあるリフトグリップに掴まって移動するとか、パイロットスーツの腰に付いたブースターで障害物を避けながら移動するとか、ワイヤーガンで格納庫を飛び回ってモビルスーツの操縦席に行くとか、細かいところでも「VRでこれが出来るのか!」が詰まってる。

VR作品には大分慣れてしまってる身だが、それでも全天周囲モニターを体感した時は「うおお!」って声出たよ!これで四方から来るモビルスーツに対応するエースパイロット共はやっぱすげぇわ。
レバーを押し引きするだけの簡単戦闘。ニュータイプっぽさを味わえる箇所も

戦闘は左のレバーを前に倒すと防御、右のレバーを前に倒すと攻撃。レバーを後ろに引くとリロードという簡単操作。シーンによって武装が変化し、ビームライフルを使う場面ではプレイヤーの頭の動きで照準を付けるので楽々。
レバーを倒してビームサーベル!レバーを倒してビームサーベル!
の繰り返しでジェガンを倒してると「絶対そんなスーパーロボットみたいな操作じゃないだろ」ってなるけど動かしてて楽しいから良し!
視点の動きだけで攻撃を次々に避けるシーンもあり、「ニュータイプの戦闘」を上手くVRでの簡単操作に落とし込めている。ズサが撃ってくるミサイルの迫力すげぇぞ!
VRでアクシズ落としに参加できるだけで買った価値はあった

主人公は元連邦でアクシズ落としに参加したという過去があり、回想シーンでは3Dで表現されたアクシズ落としにVRで参加できる!アムロも喋る!「こんなことに付き合う必要はない!」にVRで付き合える!
これだけで買った価値があったと断言できるくらい燃えた。マジで最高。
ちなみに劇中では登場人物がνガンダムとサザビーが戦っている資料映像を見るシーンもあるんだが、『逆襲のシャア』のアニメそのまま使ってるので一体誰が撮ったんだよこの映像!ってなってしまう。
木星出身の小説家ヨシユキ・トミノかもしれない。

ゲームとしては2~3時間くらいのボリュームなのでシナリオはあっさりしてるし、主人公や所属組織の掘り下げが全然無いからふわっとした箇所が多い。最後の行動でエンディングが3種類(たぶん)に分岐するから全部見たんだけど、やや消化不良だ。
ただ、VRアトラクションとしてはこれでもか!と見せ場を詰め込んであるし、短い分、登場キャラの味付けが濃い目なのもインパクト有り。軽口を叩きつつ主人公を励ますハロの相棒っぷりが好き。「ガンダム」と「ニュータイプ」を巡る話としてはまとまってるから、総合的には満足!
セーブされるタイミングが分かり辛く、止め時が見つけ辛いのは気になった点かな。
「VRゴーグルでのブンドド」が遊べるおまけのMRコンテンツも最高

本編から独立したおまけモードとしてMRバトルとMRギャラリーがある。MRは複合現実。VRゴーグルを通した現実の映像にCGを合成して楽しむコンテンツだ。
MRバトルは自室の壁に異空間への穴が開いて、そこから出てくるモビルスーツと戦うシューティングゲーム。この手のゲームはMeta Quest3だと本体のチュートリアルにも入ってるくらいポピュラー。そういやニンテンドー3DSでもあったなこういうの。
しかし本作は「ガンダムのフィギュアを手で持ち、やってくる敵モビルスーツを迎撃する」という構成。つまりは「VRゴーグルを使ってリアルなブンドドが出来るモード」ってわけだ!この発想が天才!

ストーリーモードには出てこなかった機体も多数登場するモードで、使えるのは初代ガンダム、νガンダム、デルタザインの3機。敵としてジオングやサザビーやジェガンやボールやガンキャノン重装型などの混合部隊が襲来する。
「手に持ったフィギュアを敵の方向に向けると自動で射撃」
「手に持ったフィギュアを敵弾に当てないようにする」
という操作が直感的だし、敵に素早く接近してのビームサーベル攻撃や、ゲージを溜めると放てるファンネルやダブルハイパーバズーカも爽快!
単純なゲームなので1回全ステージクリアしたらもう満足ではあるものの、体を動かしながら敵の弾幕やファンネルを避けるのが忙しくて汗かいちゃう。
難易度は割と高めで、ジオングのサイコミュ攻撃と突然のタックルがそこそこインチキ臭い。ボスが出てきたらある程度ゴリ押しでいいからビームサーベルで体力を削り、倒したら落ち着いて残ったザコを掃除すると安定する。

こちらは特にストーリーは無く、「バティ」という謎の声とハロがナビ役でガイドするのみ。
本編と違ってここだけ日本語ボイス無しでテキストも異様に堅く、ガンダム知らない外国人が「ロボットのパイロットが主役」ってイメージだけで書いたみたいだ。

拡張現実なので、テキストでプレイヤーに想像力を喚起させようとしてるんだろうが……。
νガンダムのパイロットと同僚の戦士たちに、
敵と交戦する準備が出来ると、全員の口から雄叫びが上がる。
「拳を上げた!大胆に行くぜ!」と皆が鬨の声を上げるのに、
胸が高鳴っているパイロットが加わる。
とか、νガンダム使ってる時にそんなこと言われても「俺はどこの世界の誰なんだ?」ってなるだろ!『ガンダム・ザ・バトルマスター』の世界か?

MRライブラリでは本作に登場した19体のモビルスーツから1体を選び、格納庫でじっくりとその姿を眺めるモードだ。モビルスーツのリアルなサイズ感をド迫力のVRで堪能できる。
VRでジオングを見るとめちゃくちゃ迫力があって、足があるかどうかまで気が回らないから、シャアはさすがの慎重派だったんだなぁ。
これで2800円は安い!モビルスーツに憧れたガンオタなら満足できるはず!

これで2800円は安すぎる!
本編+MRコンテンツどちらも満足度高く、ガンダムオタクでこれ遊んで白熱しない人はあんまりいないだろ!純粋に体感型のVRコンテンツとしてめちゃくちゃ力が入ってるから、「Meta Questを買ったらまずコレ!」として勧める1本としてもアリだと思うね。
Meta Quest限定なのがなんとも歯がゆいが、遊べる環境にあるなら是非一度体験してみてくれ!