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私が業務で活用するSEOツールと選定の理由

先日、情報収集方法の考え方についての記事を公開しました。

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今回は、私のSEO業務を支えるツールやソフトウェアについてご紹介します。

私が利用・導入しているSEO系ツールと選定理由

 

SEO支援ソフトウェアの歴史

誰も興味がないと思いますが、まずはSEO支援ソフトウェアやサービスの歴史について、軽く触れておきます。

大半のソフトは自分で利用したか、開発会社にデモをみせてもらって機能を把握してきました。

1990年代:検索エンジン乱立時代に対応したツール

SEO支援ソフトウェアは、1996年には既に存在していました。 当時は検索エンジンが乱立していた時代で、例えば10種類のロボット型検索(アルゴリズム検索)があれば、それぞれに最適化したウェブページを作成する必要がありました。これを支援する代表例が、ADPG (Automatic Doorway Page Generator) *1です。

このソフトウェアに「最適化したいキーワード」と「対策したい検索エンジン」を指定すると、それに最適化したタイトル要素やメタディスクリプション、メタキーワード、さらには文章を自動で出力してくれました。価格はおよそ29ドル~49ドル(米ドル、以下同)で販売されていました。

また、Yahoo!に代表されるディレクトリ型検索も人気で、CSJインデックスやJOY、NETPLAZA、Exciteなど主要なもので数十種類ありました。日本のNTT新着情報*2ホームページを開設すること自体が注目を集める時代なのでのような新設サイト紹介や小型リンク集まで含めると数百、さらに「いますぐリンク」*3まで含めると数万に及ぶこともありました。これら一つずつ登録・掲載申請するのは膨大な作業時間が必要なため、一括登録支援ソフトやサービスも存在しました。日本のイー・エージェンシーさんの「さぶみっと!JAPAN」*4もその一つで、私も大変お世話になりました。英語圏でも同様に29~49ドルで、ロボット型検索やディレクトリ型検索への登録申請を行うWindows用ソフトウェアが販売されていました。2015年で運営が終了した「サーチエンジン一発登録 一発太郎」も当時の定番サービスです。

ちなみに、ADPGは現在の価値観からするとウェブスパムです。このドアウェイページという検索エンジンのための「入り口ページ」がスパムとして認識され始めるのは、Googleが台頭し、Google、Yahoo!、MSNの三大検索エンジンが市場を支配し始める2003年以降のことです。先述の通り、1990年代は検索エンジンが乱立していた時代であり、各々のアルゴリズムに対応したページを作成すること自体は、当時の業界では悪いことという感覚はもっていなかったという記憶です*5

 

2000年代:順位取得・リンク分析ツールの登場

検索エンジンの順位取得ツールや外部リンク分析ソフトが登場するのは、2000年以降です。GoogleやInktomi*6が、リンクポピュラリティによってページをランキングするアルゴリズムを導入していたことからリンク対策支援の需要が高まったのが主な要因です。ちなみに最初のリンクファームは1998年とのこと。

また、2000年代になると検索エンジンの利用者数が急増し、多くの企業が自社の順位状況を把握したいというニーズが生まれました。SEO代理店も、多数の顧客に順位状況をレポートする仕組みを求めていたため、雨後の筍のように検索順位取得ツールが出現します。

リンク分析ソフトウェアとしては、OptilinkというJavaで動作するWindows/Macクロスプラットフォームのアプリケーションが登場しました。動作が非常に不安定だった記憶しかありませんが、当時としては先進的なツールでした。

WebPosition GoldというSEOに必要な機能をパッケージ化したソフトウェアも英語圏で人気を博します。WebPosition Goldは、Google公式のドキュメントで名指しで批判されるほど、当時高い知名度を誇っていました。

日本でSEOの仕事をしていた私の立場からすると、当時は「日本語に対応したソフトウェアが非常に限られていて困った」ことをよく覚えています。日本語などの多バイト文字に対応したSEOソフトやサービスは皆無でした。私は気に入ったソフトウェアの開発会社に「日本語に対応してもらえませんか」と要望を送りましたが、ほとんどが塩対応でした。そんな中、ある順位取得ソフトの開発会社が「いいよ!」と快く、すぐに日本市場への対応をしてくれたのです。その会社のことは後述します。

2000年代後半になると、SEO支援ツールは代理店や事業会社のSEO業務を支援するサービスと、SEO自体を自動化するサービスに分かれていきます。現在ではおなじみのSemrushは2008年、Ahrefsは2010年の創業です。日本国内で事業展開しているDemandSphereは2010年創業、2014年に電通が買収するCovarioは2006年の創業です。この時期にSEO支援サービスの方向性が確立されていきました。

後者のSEO自動化ソフトのうち、最適化プロセス自体を自動化する類いのものは、ほぼスパムです。2025年現在も、AIが出力したコンテンツを大量にそのまま公開するような(生成自体の自動実行)運用を行っていればスパム扱いされることは容易に想像できます。これは、プロセスを自動化しようとすると無理が生じるということを示しています。

 

2010年代〜2025年現在:コンテンツとAI時代のツール

2011年にGoogleが発表した「パンダ・アップデート」により、ウェブマスターの興味関心はリンクからコンテンツへと大きく転換しました。ここで登場したのが、コンテンツ生成・支援ツールや、そのコンテンツを作成するためのヒントを提供するツールです。2000年代後半にはワードサラダ(英語でgibberish content)と呼ばれる、文法的には正しいが意味が通じない文章を生成するスパムソフトが台頭しましたが、パンダアップデート以降は徐々に進化し、2025年現在はご存知の通りChatGPTやGeminiなどの大規模言語モデルに取って代わられています。

コンテンツ作成のためのヒントツールとは、Googleオートコンプリート(キーワードサジェスト)のデータを自動的に表示するツールが良い例です。

並行して、事業会社と代理店で広く導入が進んだSemrushとAhrefsは、機能を次々と拡張していきます。新たなSEO業務支援ツールも市場に登場しました。Faber Companyのミエルカは2015年3月に登場しています。

Googleマップやビジネスプロフィールなどを管理・運用するローカルSEO支援向けツールが登場するのもこの時代です。

さて、2025年現在、Google AI OverviewsやAI Mode、ChatGPT search、Perplexityなど、検索・AIエージェントが登場し始めました。今後は、従来の検索エンジン向けのツールだけでなく、こうした新世代の検索・AIの台頭により生まれる新たな需要に対応したツールがさらに増えてくるでしょう(すでに大量に生まれています)。

以上、SEO支援ソフトウェア・サービスの歴史でした。

ここからが本題です。

 

私が実際に利用しているSEOソフトウェア・ツール

私は個人事業主から始まり、前職の約17年間は広告代理店、そして2025年現在、現職のDMMグループでSEO統括業務に携わっています。

こうした背景から、次に紹介するツールはエンタープライズ(大企業・大規模組織)を想定したものが中心となります。もっとも、副業でスタートアップや小規模企業を支援している関係で、そうした組織規模における事情やニーズもある程度は理解しているつもりなので、可能な限り言及します。

また、Looker StudioやGoogle Trends、Google Search Console、Bing Webmaster Tool、Google Analyticsといったファーストパーティー提供の、利用して当然のツールは言及しません。

 

順位取得ツール

いままでに100以上のランキングチェックツールを試してきましたが、ひとつ選ぶなら Advanced Web Rankingです。20年以上利用しています。

Advanced Web Ranking (AWR)
https://www.advancedwebranking.com/

www.advancedwebranking.com

Advanced Web Ranking (AWR) は、2002年創業の検索エンジン順位取得ツールです。私が2002年頃に「日本語の検索エンジンに対応してほしい」と要望を出したところ、数日で対応していただいたことが利用のきっかけです。その後も、日本の検索エンジンの検索結果レイアウトや仕様変更にともない順位取得に不具合が発生しても、メールすれば最短半日で修正してくれました。ローカルデータが破損して10GBほどのファイル修復をお願いしても*7、数日で復旧してくれました。テクニカルサポートが最高でした。加えて、競合他社と比較してソフトウェアの安定性がずば抜けて高かったことが選定理由です。現在まで長らくお世話になっています。LookerやTableauにデータを読み込んで分析するといった用途でも活躍します。

このAWR、料金が2025年7月現在、Pro版で99ドルからと少々高額です。この金額では予算的に厳しい場合は、日本企業が提供している機能がシンプルな順位取得ツールがおすすめです。私が見せてもらったツールのなかでは、GMO順位チェッカーやミエルカ、DemandSphereなど、どれも順位計測ツールとしては必要十分だと思います。予算に合わせて好きなものを選べばいいのではないでしょうか。

SE Rankingは、お試しで利用したことがあるのですが、個人的には(AWRに慣れすぎていて)とっつきにくかったものの、一般的には利用しやすいと思います。

なお、海外にあるオープンソースの順位取得ツールはおすすめしません。検索エンジンからボットとしてアクセス拒絶される確率が高いです。

DemandSphere (https://www.demandsphere.jp/)

GMO順位チェッカー (https://rank-checker.com/)

ミエルカSEO (https://mieru-ca.com/)

SE Ranking (https://seranking.com/jp/)

 

 

SEO総合ソフト・サービス

続いて、様々な機能を統合したSEO支援ツールの紹介です。この分野はSemrush一択だと考えています*8

Semrush
https://www.semrush.com/

www.semrush.com

この分野は長らくAhrefsが人気を博していたと思いますが、ここ数年はSemrushが機能追加と改善を繰り返して猛追してきた印象です。

機能てんこ盛りで、どのメニューを押すとどんな機能が利用できるのか理解できないという点は両者共通の欠点だと思いますが、コストパフォーマンス的にはSemrushでしょう。最近の不満の一つは、便利そうな機能を見つけてクリックすると追加費用が発生する旨の案内が表示されてがっかりする点。

大規模組織であればSemrush導入で良いとして、中小規模の場合はどうしたらいいでしょうか。これは「企業による」「サイトによる」という、いわゆる"It depends"(状況による)の話になってしまいます。その上でアドバイスをします。

第1に、現状把握のために自社と競合の順位状況や外部リンクの状況、つまり検索市場における自社と他社の現状を把握しないことにはSEOに着手できません。これはあらゆる企業に適用される話です。無料ツールで代替可能な現実的な選択肢はありませんので、予算をとって導入することをご検討ください。

第2に、これは毎月継続利用が必要かという点です。順位を継続的に取得したいだけなら、順位取得ツールの項目で紹介したようにもっと安価な手段で代替可能です。順位取得を除くと、必ずしも毎月Semrushが提供する機能が必要とは限らない企業もあるのではないでしょうか。つまり、定期的な現状把握は必要だけれども毎月は不要であれば、年あたり1~3か月だけ利用するという選択肢もあります。私自身、副業で利用するツールのなかには、1年のうち2か月だけ契約して利用しているサービスもあります。

自分が必要とする機能と、それが1年のなかでいつ必要なのか、それは毎月必要不可欠なものなのか。このあたりを検討して、部署の予算を考慮して決めてください。予算がなくて1か月すら導入できないというのであれば、あなたが今すべきことは上司を説得して予算を獲得することです。

 

キーワード調査ツール

大半の企業はGoogleキーワードプランナーで十分です。個人事業主や中小企業のほとんどはキーワードプランナーで十分です。これでは機能が不足していると認識している方におすすめするツールはKeyword Toolです。

Keyword Tool
https://keywordtool.io/

keywordtool.io

10年近く利用している検索語句調査ツールです。Googleのほか、YouTube、Bing、Amazon、TikTokなど、検索エンジンやプラットフォームごとの検索キーワードを調査できます。データ収集はクリックストリームデータやサードパーティーツールからの取得と統計処理なので、データの正確性は求めていません。しかし、全体的な傾向を把握するには十分ですので、このデータから様々な仮説を立てて検証しながら戦略方針をブレインストーミングする際に利用しています。

繰り返しますが、大半の企業はGoogleキーワードプランナーで十分です。

 

DS.INSIGHT

 

ds.yahoo.co.jp

LINEヤフーが提供するキーワード調査ツール。提供機能を考えると料金は決して高くありませんが中小企業は躊躇するかもしれません。私も個人では契約していません。前後の検索語句を調べることでユーザーの検索ジャーニーの仮説を立てるときに役立ちます。「時系列キーワード」「トレンドランキング」「検索推移」を頻繁に利用します。共起キーワードは使ったことがありません。

個人的には有料オプションでいいからソーシャルメディア分析機能もつけて、検索推移と重ねてグラフ表示できるようになると分析が捗ると思いました。

 

 

コンテンツ制作関係

いま世間に出回っている「AIで大量に記事を作れます」「AIで記事作成を自動化・効率化します」といった、文章作成そのものを自動化・効率化する類のサービスの大半が単に低品質なコンテンツを吐き出すためのスパム支援ツールです。そもそもの話、ChatGPTやGeminiに尋ねれば同じ情報が出てくるようなものを自社サイトに掲載すること自体に意味がないことに気がつくべきです。

そのうえで、コンセプトも課題する解決もよいと思っているのが StoryHubです。

 

StoryHub

storyhub.jp

トライアルした領域では残念ながら要求水準を満たせなかったので見送ったのですが、用途や領域次第で十分に活用できるとみています。

ちなみに前職同僚がここに転職したときに知って興味を持ちました。知り合いだから紹介しているのではなく、純粋に顧客に提供しようとしているコアバリューが適切だと思いました。

AIでSEO記事を量産できることを謳うツールでまともなものは存在しません。こうしたツールはどうしてもクッキーカッターのようなコンテンツの生成に陥りがちなのです。大手メディアでさえSEO特化のAIライティングツールの提供に乗り出していますが、自分たちのメディア価値を間接的に毀損するリスクは考えないものでしょうか。

文章を量産することに焦点を当てるのではなく、企画や構成案の設計支援をコンセプトとしたものや、手元にあるOGC (Occupationally Generated Content)やUGC (User Generated Content) の活用機会を創り出すツールのほうが将来性があると思います。

 

Google Gemini

https://gemini.google.com/app?hl=ja

社内向け文書を作成するときに利用しています。ある解説資料を自分で作成したあとに「デジタルマーケティングの基本的な知識がある方々向け」と「デジタルマーケティングすら詳しくない方々向け」の二つのターゲット向けに資料を最適化するようGeminiに指示を出します。こうして取り扱う内容は同一の2つのバージョンができるので、相手にあわせていずれかを共有します。

DMMグループは60以上の事業部が存在しており、事業部によってデジタルマーケティングのリテラシーはピンキリです。こうした事情から、検索エンジンやSEOについて何らかの説明資料を作成するとき相手に合わせた資料を作成したいのです。そこをGeminiで効率化しています。

なお、SEMリサーチにて2025年以降に公開している記事はGeminiまたはChatGPTに校正をお願いしています。専門性が高いことに加えてときどきマニアックな情報がちりばめられている影響か、ChatGPTはハルシネーションが激しく校正作業の効率化が目的なのにむしろ無駄な修正作業が増えてしまいます。こうした事情から検索・SEO領域のコンテンツ編集業務は Gemini をメインにしています。

一般的なマネジメントや企業組織の研修、トレーニング系の文章であればどちらのAIを使っても問題なく編集・校正してくれる印象です。専門性が高い領域は利用者側がいろいろ工夫する必要があります。

 

その他

Screaming Frog

https://www.screamingfrog.co.uk/seo-spider/

Screaming Frogは、前職も現職も導入しているのですが、私自身は(直接操作するわけではない)関係で割愛します。

 

Amethyst (JADE)
https://amethy.st/

自社が保有するGSCデータをベースに分析したいのであればJADEが提供するAmethyst もおすすめです。一部事業部で使わせてもらってますが、痒い所に手が届く機能が備わっています。

 

以上です。後で思い出したら、随時追加していきます。

 

 

www.sem-r.com

www.sem-r.com

*1:ドアウェイページとは、検索エンジンから来訪(入口=ドアウェイ)するユーザーのためのページ。つまり通常のホームページのトップページとは別に、検索エンジン用に最適化されたページも検索エンジンに登録しておき、このドアウェイページが検索上位に表示されるようにしておく。Google誕生前の時代は企業名やサイト名で検索しても、その公式サイトが1位に表示されないことが常態化していた。したがって検索エンジン用に最適化された入口ページを別途用意する必要があった。1998年に登場したGoogleがPageRankアルゴリズムによって企業名やサイト名で検索したときにその公式サイトを1位に表示することを実現し、利用者を増やしていくことになる。

*2:NTT新着情報とは毎日、新たに開設されたホームページを紹介するサイト。当時はまだ企業や団体のホームページが開設されること自体が注目される時代なので、こうした新規開設ホームページを紹介するサイトの需要があった。コンテンツがあふれかえっている現代から考えると、平和な時代です。

*3:いますぐリンクとは、ほかのホームページや個人サイトへのリンクを一覧にしたリンク集サービス。自分用のリンク集ページを無料で開設することができた。このリンク集にリンクを登録するとGoogle PageRank のリンクポピュラリティの評価につながるため、SEO目的でリンクを掲載する需要があった。いますぐリンクは数万ページ存在したが、それすべてに自分のホームページへのリンクを登録している人もいた。Google アルゴリズムが変更されたあと、こうした単純リンク集からのリンクは評価が減衰されたため、SEO目的にリンクを登録する需要は消滅した。

*4:さぶみっと!JAPANとは、複数のロボット型検索エンジンやディレクトリ型検索に登録・申請することを支援するサービス。当時は、5つのロボット型検索エンジンにURL登録申請をするためには5つのサイトそれぞれの申請フォームでひとつずつ手続する必要があった。さぶみっと!JAPANは、最初に入力した申請内容をクリックひとつで同時に複数の検索エンジンに登録申請することを可能にしていた。

*5:ウェブスパムが一般メディアで取り上げられたのは、ドイツBMWとリコーのケースだと思います。日本では2006年のサイバーエージェントのケース。

*6:1996年1月創業。米HotBotやiWon、MSNなどの検索アルゴリズムに採用される。リンクポピュラリティによるランキングを採用していた。2003年に米Yahoo!に買収される。

*7:当時の10GBは巨大ファイルだった

*8:予算が豊富な企業であればAhrefsもSemrushも両方導入もあり。あえてひとつを選べと言われたら私はSemrushを選択します。




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