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【日記】「坊っちゃん」は一文目から名作すぎる(48歳になってもHIPHOP入門㊵)

2025年3月某日 「損ばかりしている」って最高じゃない? 

僕に訪れた日本文学再ブーム。読みました。夏目漱石「坊っちゃん」。今さら当たり前のことを言って大変恐縮ではあるんだけど、どうしても言いたい。「一文目から最高」でしょ。(以下、太字部分が引用です)

 

親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。

 

この小説の語り手/主人公である「坊っちゃん」の魅力が、一文目から爆発してる。愛嬌あるせっかちさ。何から語り始めるのかと言う時に、「自分の気質」を選んで、言い訳なくスパっと言い切ってしまうのが憎めない。自分でも持て余してるらしい「無鉄砲」。だけど、そんな自分がちょっと好きなんだろう。粘着質さのないナルシシズムが魅力的。何の説明もなしに「親譲りの無鉄砲」で話を始めちゃうところが、無鉄砲さをよく伝えてる。

 

それでさ、「損ばかりしている」って最高じゃない? そりゃそうよ。「親譲りの媚びと要領の良さで得ばっかしている」奴の話なんてまったく聞きたくないでしょ。「損ばかりしている」って聞いたら、読者はその時点で味方になりかけてしまう。「小供の時から」っていう一節もすごく利いていて、この一文目の続きの、幼少期からの"無鉄砲自慢”に、力強くつながる。こんなに短い文章なのに、エピソードトークへの必要十分な導入になってるのが見事。

 

この一文目はすごい。小説のテーマも主人公のキャラも伝わってるし、この時点で主人公のファンになりかけ、続きを読みたくなる最高のイントロじゃないか(僕は字幕の添削をしてるので、「文字単位の情報の濃さが高い文章」を見つけると興奮しやすいんだ)。

 

こんな主人公の小説読みたいよ。文学だからって、なにも精神薄弱で、ウジウジしていて、自分の罪に悩まされ、行動力がなく、手を変え品を変え自己嫌悪をヘビーローテーションしてる主人公じゃなくたっていい(そんな主人公も好きだけど)。時を超えて愛されるのは、悟空であり花道であり、ナルトやゴンでしょ。まっすぐでヘコたれないヒーローを応援したいじゃないか。

 

そう思うと、「坊っちゃん」っていうタイトルも巧妙よな。朴訥というか、素朴というか、飾らない親しみやすさがある(というかそれしかない)。この愛すべき主人公を、僕らは「坊っちゃん」と呼びながら小説を読み進めることになるんだけど、それって清(常に主人公の味方だった女中)の視点で読むってことでしょ。「私が坊っちゃんの価値を一番よく分かってるんです」って思いながら、直接手助けできないもどかしさを味わいながら、ハラハラとページをめくる読書体験を誘うタイトル。さすがに漱石先生は抜け目がないぜ。

 

夏目漱石 坊っちゃん

(↑青空文庫のリンクです。読もうぜ、「坊っちゃん」)

 

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