東京MXTVの5時に夢中!で紹介された本や映画を掲載しています。

東京MXTVの5時に夢中!で紹介された本や映画を紹介します。新潮社の中瀬ゆかりさんが番組内のコーナーで、月に1度、3本ほど紹介しています以下は、おおまかなあらすじと、中瀬親方が話していたことを簡潔にまとめたものを掲載しています。親方はどんな本を紹介してくれるでしょう。早速見て行きましょう!
【関脇】ひのえうまに生まれて:酒井順子
中瀬さん:
丙午伝説が当時の社会価値観や女性観の裏側にどう結びついてきたのかを、60年ごとに歴史を辿りながら読み解いていく。今年は丙午。丙午生まれの女性は気が強いとか、男を食い殺すなど言われている。火事が多い年という迷信があったが、次第に丙午生まれの女性は男を食い殺すというのが増えて来た。当時の芝居や小説にも丙午の女性がそう書かれていたりする。1966年の丙午は驚くことに出生率が落ち込んだ。それだけこの迷信の根の深さを物語っている。たった60年前でもこのような現象が起きていた。
丙午ということで縁談が破棄されたりする女性も少なくなかったそう。人生の選択肢が少ないのに、迷信に左右される苦悩の大きさも感じる。巻末には同じ丙午生まれの鈴木保奈美さんたちとの鼎談も。丙午に生まれて楽しかったなど楽しいトークもあります。
300年続いた呪いは一体何だったのか、迷信の裏に潜む社会的背景を描いた解体新書は非常に興味深く勉強になります。誰かに必ず話したくなる。60年に一度の今年、読むのにすごくいい機会だと思いますので、皆さん読んでみてください。
【大関】 映画:正義廻廊
中瀬さん:
2013年に香港で実際に起きた両親殺害事件。すでに判決も出ていものを題材にしている。エリートの兄を持つ弟・ヘンリーがネットに投稿した「行方不明の両親を探している」という書き込みが拡散され、ヘンリーが両親殺害を告白し逮捕される事件から物語は始まる。
法廷では2人の供述は真っ向から対立。暴力的な取り調べやメディアの煽りが陪審員を惑わせながらも新証言をきっかけに後半の判決へ進んでいく。
すでに判決が出ている実話でありながら、観客を最後まで離さない構成力は圧巻。法廷、陪審、メディア、警察という複数の視点を丁寧に描くことで、単なる猟奇事件ではなくて、社会が下す裁きそのものに主軸をおいた社会性の高い一作。
これを撮ったのは、実は新人監督。数々の賞を総なめしたのも納得。観ている自分も陪審員として正義の重さを突き付けられるような、胸の引き締まる怖い映画なんですけど、とにかく思わず目を背けたくなるようなグロいシーンもありますが、単なる犯人捜しでは終わらない緊迫の裁判の結末を、陪審員一人になった気持ちで、是非考察しながら観て欲しい。
いよいよ横綱👇
【横綱】 新書 松本清張の昭和:酒井信
中瀬さん:
貧しい家庭に生まれた松本清張は、高等小学校卒業後、すぐに奉公に出る。年下に使われる屈辱に苦労するも、向上心を武器に職人として頭角を現していく。
本作は松本清張の半生を、彼が生きた昭和という時代背景と重ね、丁寧に描いた評伝。
やがて朝日新聞の代表あてに毛筆で手紙を書くという大胆な行動に出る。のちに正社員になる。そこでまた学歴差別の壁にぶつかる。この鬱屈を突破すべく書いた「西郷札」という作品が週刊朝日の懸賞小説に入選。そして芥川賞など国民的作家への道を歩んでいく。
貧困や差別と言った逆境を創作の燃料に変えていく清張すごさはもちろん、これまであまり語られてこなかった幼少期とか思春期以降の恋愛まで詳細に書いたこの本は、めちゃくちゃ珍しい。まさに清張評伝決定版と呼びたくなる1冊になった。
松本清張の名前は知っているけどどういう方だったんだろう?と、知りたい人はまずこの本から読んで欲しい。すでに私のようにめちゃくちゃ読んできた人も、これを読めば彼の作品をもう1回読みたくなる。ここが人生とリンクしてるーとか、自分で発見したくなります。是非みんさん、松本清張の原点に触れて、松本清張作品を30倍くらい楽しんでください。
後記
先月のエンタメ番付は録画できていなかったという失態。大変失礼いたしました。今月は無事に記事が書けました(笑)そういえば今年は丙午なんですよね。ラジオの方でも紹介されていましたが、60年前はまだまだ迷信が生きていた感じで、出生率が落ちたんですよね。今年はそんなことはないとは思いますがどうなるのか?そして、松本清張さんの評伝も気になります。ご本人のことは意外に知らないって方も多いと思います。この機会に私も読んでみようと思いました。それではまた来月♪
最新版! エンタメ番付3月場所はこちら