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【レビュー・あらすじ・感想】南の島のティオ:池澤夏樹

 

 

南の島のティオ:池澤夏樹著のレビューです。

 

 

思わず「青い珊瑚礁」を口ずさむ♪

 

南の島へ今すぐ飛びたい!なんて気分にさせられる短編集。もうひとつめの話から、雰囲気が良いんですよ。まるで、自分が島の小さな空港に降り立ったような気分になります。

 

ティオは父親が経営するホテルを手伝っている少年で、この島にやってくる人々や島の人々との交流を通して、様々なちょっと不思議な出来事に遭遇します。

 

島を扱った小説は結構多く、その島独特の風習や掟があったりして、いつも興味深く読んでいるのですが、ティオの住む島も説明のつかないことが起こります。

 

本書は10の出来事が語られているのですが、どれひとつとっても印象深い。


10もあるとたいていイマイチなものもあると思うのですが、イマイチがないところが池澤さんの作品のスゴイところだと読み終えた時に感じました。

 

・受け取る人が必ず訪ねてくるという不思議な絵ハガキを作る「絵ハガキ屋さん」。
・黒い鞄の男が花火で描いた「空いっぱいの大きな絵」。
・ボロボロの服を着て島を歩きまわるカマイ婆の予言の話。
・バムさんが十字路から掘り出した宝物「十字路に埋めた宝物」。

 

等々、不思議な余韻を残してくれる話が多い。


なかには、戦争時代から続く人間関係を描いたちょっと哀しい話も含まれている。

 

物語に彩りを加えているのが、何といってもサンゴ礁に囲まれた海。常に自然に包まれた雰囲気の中で読書をしている感じがなんとも心地よかったです。本当にどの作品もいいんだなぁ…。

 

 

あとがきは、ティオ君が自らごあいさつ。こんな演出もなんだかお洒落。受け取る人が必ず訪ねてくるという絵ハガキの話ではないけど、この本自体が読んだ人が必ずこの島を訪ねたくなるという不思議な本と言ってもおかしくない。

 

読み終わってからしばらく「青い珊瑚礁」を、ネバーエンドで唄っていました。そう、気分はすでにリゾート地へ~☆

 

 




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