神の棄てた裸体:石井光太著のレビューです。
- 作者: 石井光太
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/04/24
- メディア: 文庫
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感想
想像を絶する生活、ショッキングなレポート
覚悟のいる石井さんのルポ。
どんなに心して読もうと思っていても、その覚悟の上の上を行く世界があるということをまざまざと見せられる一冊でした。
東南アジアから中東まで旅をしながら、各地で現地の人たちと一定期間生活を共にした筆者。
そこで目にするものは想像を絶する生活があり、ショッキングな話があまりにも続くので、2-3日本書を開かずにいた日もありました。
劣悪な状況下で働く人々、子供たち。
そんな人々の取材を続けながら、時に相手に感情移入したり手助けをしたくなる筆者の苦しい葛藤。
良かれと思ってやったことが、相手を逆に苦しめてしまう事態を引き起こしてしまうこともあった。
警察すらも信用ならないところで正義を訴えってもどうにもならない。余計なことをしたら人ひとりの命があっさり奪われてしまったという話は本当にやるせない。
戦争が終わってもさらなる苦しみが人々を襲っている現状。
一夫多妻制は国によってはどうしても必要であり、この制度が多くの女性たちを救っているという事実を初めて知った。
とても厳しいレポートではありますが、要所要所、気持ちが温まるシーンもあり、時に知らない町を私も歩いているような錯覚を覚えるほど情景が目に浮かびました。
それにしても石井さん、大変なことにチャレンジされているなぁ。