えびす聖子:高橋克彦著のレビューです。
- 作者:高橋 克彦
- 発売日: 2010/12/03
- メディア: 文庫
ひとつひとつ制覇していく感じがRPGっぽいです
古本屋さんでこのインパクトのある装丁が目に入り、「古事記」を絡ませた話のようだったので読んでみることにした。
一人の村の青年シコオが、鬼退治に出かける話で、「桃太郎」を彷彿させられるような内容。
「因幡の国を目指せ。」というお告げに従い出かけると、そこには同じお告げを聞いた者たちがたくさんいることが分かってきます。
その道中には様々な試練が用意されている。いくつもの試練を仲間たちとともに知恵を出し合い、力を合わせて進んで行く。
仲間たちとシコオが試練を乗り越えるごとに団結が強まり人間として成長していくあたりがページを追うごとに感じられます。
見せ場はなんといっても最終場面。黄泉の島へ行くまでに、次々に襲ってくる洞窟内に潜む蛇や蜂などに果敢に向かっていくシコオ。そのシーンは古事記の中で描かれている映像が私の中でワァ―と広がりました。
そして、クライマックスまで正体がわからない「鬼」は一体何ものなのか。
ひとつひとつ敵を制して行く感じ、仲間や武器の使いこなし等々、読むRPGっぽいノリです。会話ベースで進んで行くのでより一層そんな雰囲気に思えたのでしょうか。
ゲームがそうであるように最後のシーンを見るまでは…という気持ちにさせられます。
最後に里中満智子さんの熱い解説が待っています。要所要所に古事記が絡まってくるのが面白い1冊。個人的には中だるみが出ましたが、最後まで読む価値はありました。