おんな作家読本:明治生まれ篇 市川慎子著のレビューです。
- 作者:市川 慎子
- メディア: 単行本
明治の乙女大集合!ミーハー気分で覗く女流作家たちの日常に多くの発見あり
林芙美子、吉屋信子、森茉莉、中里恒子、城夏子、宇野千代、片山廣子、
長谷川時雨、岡本かの子、尾崎翠、野溝七生子、矢田津世子、森田たま、
山川菊栄、幸田文、佐多稲子、15人の明治生まれの作家ガイド。
ネット古書店の店主さんが、国語の時間に使った「国語便覧」が好きだったことからヒント得て作られたのがこの本。当時の作家の生い立ちから、代表作、略年譜、そして素敵なエピソードの数々がバランス良くコンパクトに掲載されている。この時代の女流作家が好きな人にはたまらない1冊ですよ。
「乙女魂の代弁者」・「ハイカラで渋好みのおしゃれ女子」など作家の人となりが想像しやすいようなフレーズでまずは紹介。そして代表作の面白みを存分に見せてもらいます。
また、作家のお気に入りや遺品は、見ているだけでうっとりするようなアンティーク小物が多く魅了されまくりでしたし、お菓子や食べ物に関しては今でもある老舗店のものもあり「この人も食べていたのね…」と感動したりと。それからそれから「こぼれ話」は、意外な一面の宝庫でした。
とかく作品ばかりに目がいってしまいがちですが、一人ひとりの性格や、交友関係を見て行と、とんでもなく面白い。
特に「人物相関図」を見ると「へぇーそうだったん?ここが繋がっていたのかぁ」
など新しい発見もあった。(好意やマイナス感情などの線で繋がっている図は注目点)
とにかく、乙女心を刺激する要素がいたるところに散りばめられている。挿絵、写真、色遣い…どこをとっても「乙女」でセンスが良い。個人的には秋になったら、マリモ好きという森茉莉の毒舌に浸ってみようと思う。
まだ読んだことのない作家さんの中から、自分に合いそうな人を見つけるのにもとても参考になる本だと思います。
この時代の女性たちって、本当に個性的で濃い。目が離せない人物ばかり。そんな彼女たちの文学が今でも読めることは本当に幸せなこと。そして、こういった本がきっかけに広がる文学の輪も愉しい。
明治生まれ篇となっているので、続編もありなのかなぁー…