もじゃもじゃ:渡辺淳子著のレビューです。
- 作者:渡辺 淳子
- 発売日: 2015/03/27
- メディア: Kindle版
お見合い初日にハンバーグ、割り勘!
関西弁を話す人々と、このタイトルから、コメディタッチの話なのかな~と思っていたけど、意外にも結婚にまつわる大きなテーマを真剣に描いたものだった。
表紙のもじゃもじゃ頭の人がおばちゃんに見えたのだけれど、この人、1つ目の話に登場するクリーニング店に勤める24歳の男性。市が運営する結婚相談所『かいつぶりの会』に登録している男性なのだ。
この小太りな年下男、もじゃもじゃとお見合いすることになった明美。初対面でお茶の後、いきなりハンバーグ店へ連れてかれ、会計は割り勘。その一連の行動や発言に驚かされるが、不思議と嫌な感じはない。しかし、交際となると・・・。
結局、明美は他の人をまた紹介してもらうことになるのだが、なんだか妙にもじゃもじゃ頭の彼のことが頭から離れない。その後もクリーニングしてもらいに行ったり、フラットな付き合いが続いていたりする。
この二人の行方はどうなるのか心配しながら最終章へ。結婚式の風景が広がるのかと思いきや、今度は結婚相談所の運営側の人々の話に移り変わる。
こちらは親世代の話で、娘や息子の将来を案じ、彼らの結婚について頭を悩ます。
結婚させたい親と、結婚がすべてではないと考える娘。よくある話なのだけれど、読み進めるごとにどちらの気持ちも切ないほど心に迫ってくるものがあった。この話が一番グッと来たかな~。
紹介は陽気なおばちゃんの声から
3つの話が収められている。どの話も面白く相談所からかかってくるお世話係りのおばちゃんの電話の声が小説の中での合いの手のようで、いい感じのリズムになっている。
「こんばんはーかいつぶりの会ですー。元気にしてはる?」この電話がかかってくると話が展開するので、おばちゃんの電話はわくわくしたものだ。
結婚相談所、実際にもいろんなドラマがあるんだろうな~。サクラとかいるんだろうか?「幸せは~歩いて来ない、だから歩いてゆくんだよ~♪」読み終わってから、こんな音楽が頭の中を巡った。ちょっと古いけどね(笑)
そうそう、もじゃもじゃとはどうなった?ぜひ、本書でご確認を!