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訪問支援チームによる心理療法がコストを増やさず効果を発揮

国立精神・神経医療研究センター(NCNP)は3月13日、地域で暮らす重症精神障害をもつ人の不安症状に対し、訪問支援型チームが行う「曝露療法に基づく認知行動療法(ebCBT)」が、コストを増やすことなく症状を改善することを明らかにしたと発表した。この研究は、同センター精神保健研究所地域精神保健・法制度研究部の佐藤さやか室長らの研究グループによるもの。研究成果は、「Psychological Medicine」にオンライン掲載されている。


画像はリリースより
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統合失調症などの重症精神疾患をもつ人の約40%は、日常生活に支障をきたすレベルの不安感を抱えている。曝露療法を含む認知行動療法は不安改善に有効とされるが、従来は医療機関内での実施が主流であり、通院が困難な重症精神障害をもつ人には十分に提供されてこなかった。また、訪問支援型ケースマネジメント(ACT)に心理療法を組み込んだ際の効果や経済的影響については、十分に解明されていなかった。

通常支援にebCBTを付加、18か月後も有意な改善を維持

研究グループは、国内15のACTチームを対象にクラスターランダム化比較試験を実施した。ACTスタッフ(看護師、精神保健福祉士など)が公認心理師による研修と継続的な助言を受け、通常支援に加えて12か月間のebCBTを提供した介入群(50名)と、通常支援のみの対照群(43名)を比較解析した。

解析の結果、主要評価項目である特性不安および他者評価不安について、介入開始から12か月後および18か月後のいずれにおいても、介入群で有意な改善が認められた。さらに、全般的機能やリカバリーの程度、生活の質も向上した。医療コストに関しては両群間で有意差はなかったが、対照群で入院者がやや多かったため、介入群の方が1年間にかかるコストが相対的に低額となる可能性も示唆された。

非心理職による専門的介入の普及と個別化医療へ期待

同研究成果は、特別な設備や追加コストをかけずに、地域支援の中で専門的な心理療法を実装できる可能性を示したものである。

「公認心理師のバックアップがあれば、看護師や精神保健福祉士などの非心理職でも効果的な介入が可能であることが実証された。今後は他地域での再現性を確認し、地域精神保健における新しい支援モデルとして普及することが期待される」と、研究グループは述べている。(QLifePro編集部)

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