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文書の工夫と個別支援で読解の負担軽減へ

千葉大学は3月11日、認知症高齢者が文書を読む際の視線の動き(アイトラッキングデータ)を分析し、文書の「読みやすさ」を修正することに加え、個別支援を行うことが、読解に伴う負担を軽減する可能性があることを明らかにした。この研究は同大大学院看護学研究院の犬山彩乃特任助教と諏訪さゆり教授らの研究グループによるもの。研究成果は「BMC Geriatrics」にオンライン掲載されている。

認知症高齢者の自立を阻む「文字情報」の壁

世界で5,700万人を超える認知症患者にとって、薬の説明書や契約書などの「文字情報」を正しく理解することは、自立した生活を送る上で極めて重要である。しかし、認知症に伴う記憶や注意、実行機能、言語機能への影響から、多くの患者が文書の読解に困難を抱えている。
そこで研究グループは、視線の動きという客観的な指標を用いることで、どのような文書が「読みやすい」のか、その具体的な特徴や必要なサポートのあり方を探索した。

アイトラッキングによる視線分析と「音読」の効果


画像はリリースより
(詳細は▼関連リンクからご確認ください)

同研究では、75〜90歳代の認知症高齢者9人(男性5人、女性4人)を対象に、眼鏡型のアイトラッカーを装着してもらい、文書読解時の視線の動きを可視化した。テストには難易度の異なる2種類の文書を用意し、それぞれについて「元の文書」と、フォントサイズや行間・文字間隔を拡大、1文の短縮、漢字の割合を約39%から27〜30%へ減らすなどの配慮を施した「修正バージョン」を作成。「音読」と「黙読」の両方のパターンで読解を分析した。

分析の結果、以下の点が明らかになった。
• 難易度の低い文書はエラーが少ない:文字数や漢字が少ない難易度の低い文書は、「読み飛ばし」や「誤読」が有意に少なく、認知負荷を軽減して注意力の持続を助けることが示唆された。
• 「修正バージョン」+「音読」で読解が改善:元の文書と修正バージョンを比較したところ、特に「音読」を選択した参加者において、読解時間、注視回数、視線の逆戻りが有意に改善した(黙読では有意差なし)。これは、声と視線が同調することで集中力が高まる音読の利点と、文書の修正効果が相乗的に働いたためと考えられる。
• 個別支援の必要性:視線データの質的分析から、文書の修正だけでは読解を完了できないケースもあることがわかった。支援者が「読む箇所を指差す」「読み始めを促す」といった働きかけを行うことが、読解の完了を後押しする重要な要素であることが確認された。

ユニバーサルデザイン化とケアの向上にむけて

同研究により、認知症高齢者への情報伝達には「読みやすい文書の作成」と「個人の能力に応じた個別支援」の両輪が効果的であることが示された。特に、視線移動のターゲットとなる「漢字」については、単に減らすだけでなく、3〜4文字に1回の頻度(約30%前後)で適切に配置することがスムーズな読解の目安となる可能性が示された。

「今後は、医療や介護の現場における説明用ツールの改善や、社会全体の情報のユニバーサルデザイン化を推進する上で、同研究で得られた知見が重要な指針となることが期待される」と研究グループは述べている。(QLifePro 編集部)

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