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うつ病における脳機能結合、他要因を考慮した構造は未解明

千葉大学は2月18日、うつ病診断と脳機能結合の潜在的な関係構造が明らかにしたと発表した。この研究は、同大子どものこころの発達教育研究センターの佐々木翼特任研究員および平野好幸教授の研究グループによるもの。研究成果は、「Neuroscience Informatics」に掲載されている。


画像はリリースより
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うつ病の脳機能に関する既存の研究では、安静時脳機能結合がうつ病の脳機能状態を反映する重要な指標となることが示唆されているが、臨床情報と脳ネットワークとの関係が、他の要因を考慮した上でどのような構造をもつのかは十分に解明されていなかった。

条件付き依存関係とは、他の要因を考慮した上で残る関係を指す。特に、臨床症状や年齢、性別、利き手などの情報、安静時脳機能結合との条件付き依存関係を統合的に捉える研究は、日本国内では見当たらなかった。

そこで研究グループは今回、日本国内の大規模データセットを用い、確率的な構造学習手法であるベイジアンネットワークを用いることで、単純な相関分析では捉えにくい「診断の有無と脳機能パターンの関係構造」を検討した。

健常者431人、うつ病患者235人の大規模脳画像データを用いて解析

研究では、広島大学と東京大学で集められた666人の大規模脳画像データを用いて解析した。対象となったのは、健常者431人(平均41.2歳、男性175人、女性256人)と、うつ病患者235人(平均42.4歳、男性121人、女性114人)。

うつ病の有無と複数の脳機能結合パターンとの間に、条件付き依存関係を確認

解析の結果、ベイジアンネットワーク(変数間の関係を有向非巡回グラフ(DAG)で表現する統計モデル)による構造学習から、うつ病の有無と複数の脳機能結合パターンとの間に、他の要因を考慮した上でも残る関係構造(条件付き依存関係)が確認された。一方で、うつ症状の強さそのものと脳機能結合の間には同様の関係構造は認められなかった。

うつ病が、複数の主要な脳ネットワークにまたがる機能的結合の違いと関連する可能性

さらに、モデルに基づく確率分布の変化の評価を行った結果、うつ病の有無は、ぼーっとしている安静時や内省的な思考をしているときに主に活動する脳ネットワークで、自分自身に関する思考や記憶、感情処理などに関与するとされている「デフォルトモードネットワーク」や、外の刺激に注意を向けたり、注意を持続・制御したりする際に関与する脳のネットワークの一つである「背側注意ネットワーク」、そして、皮質-皮質下をまたぐ結合パターンの違いとの対応関係が示された。

これらの結果から、うつ病の有無は特定の脳領域に限定されるものではなく、複数の主要な脳ネットワークにまたがる機能的結合の違いと関係する可能性が示された。同研究の重要な点は「安静時脳機能結合のパターンからうつ病を説明すること」を目的としたものではなく、医師によって診断された「うつ病の有無」が、脳ネットワークの状態と統計的に対応していることを、大規模データを用いて示唆したことにある。

うつ病の病態理解や個別化医療・治療戦略最適化への寄与に期待

日本国内の大規模脳画像データセットを用いた今回の研究により、うつ病の有無と、複数の主要な脳ネットワークに関わる機能的結合パターンの間に、条件付き依存関係が観察された。これらの知見は、単一の脳領域の異常として捉えるのではなく、診断などの臨床的情報を含めて、複数の主要な脳ネットワークの関係構造として理解する視点を提供するものである。

今後は、同研究で得られた知見を基盤として、脳機能の状態を客観的に把握する補助指標の検討や、治療経過の評価研究などへの応用が期待される。一方で、同研究は横断データに基づく解析であるため、うつ病の有無と脳機能との因果関係を直接示すものではない。

「今後は複数時点におけるデータや介入研究を用いることで、継続的な観察と脳機能ネットワークとの関係が時間的にどのように変化するのかを、より厳密に検討する必要がある。さらに、臨床表現型の違いや治療反応性との関連解析を進めることで、うつ病の病態理解を深めることや、将来的な個別化医療・治療戦略の最適化に寄与したいと考えている」と、研究グループは述べている。(QLifePro編集部)

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