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「Eye(目)」を「Preservation(保存)」する、失明リスクへの対抗策

アステラス製薬は、地図状萎縮(GA)を伴う萎縮型加齢黄斑変性(AMD)に対する国内初の治療薬「アイザベイ(一般名:アバシンカプタド ペゴルナトリウム)」の発売に伴い、2026年1月29日にプレスセミナーを開催した。
GAは全世界で推定500万人以上、日本でも約10万人が罹患していると推定されるが1)、これまで国内には有効な治療法が存在せず、診断されても経過観察に留まるしかない深刻なアンメットメディカルニーズが存在した。


堀聡志氏(アステラス製薬提供)

同社メディカルアフェアーズジャパンヘッドの堀聡志氏は、「アイザベイ」は「Eye(目)」と「Preservation(保存)」を組み合わせた造語であると紹介。GAの進行により運転免許を失うなどQOLが著しく低下する現状を指摘した上で、次のように述べ、新薬投入の意義を強調した。
「GAは時間とともに面積が広がっていく病気だが、治療により進行スピードを緩やかにできる。つまり、患者さんの見える世界をより長く維持できる可能性がある点が最大のポイントだ」

「身内なら即座に開始させる」専門医が語る早期治療の鉄則

続いて、横浜市立大学大学院医学研究科視覚再生外科学主任教授の門之園一明氏が新薬の特性と適正使用について講演を行った。


門之園一明氏(アステラス製薬提供)

AMDには、抗VEGF薬などの治療法が確立されている「滲出型」と、これまで治療法がなかった「萎縮型」の2種類がある。アジア人の場合、「萎縮型」のGAは「滲出型」より発生頻度は約3分の1と少ないが2)、無治療では確実に進行して社会的失明に至るリスクがあるとデータを用いて提示した3)4)
アイザベイは、萎縮型AMDの背景となる補体因子「C5」を阻害することで網膜細胞の変性を抑制する。門之園氏は、同剤が失われた視力を回復させるものではなく、あくまで現在の視機能を「維持」するためのものであると説明した。
質疑応答で治療開始のタイミングを問われた門之園氏は、不可逆的な進行を食い止める緊急性を、以下のように語った。
「治療は病気の進行を抑制するだけなので、開始は早ければ早いほどいい。もし私の知人あるいは親戚がこの病気にかかったら、すぐにでも治療開始を薦める。治療期間は生涯継続となるが、運転免許の維持など、患者が幸せな人生を送れる期間を延ばすことが期待できる」
これまで「経過観察」しか選択肢のなかった萎縮型AMDの患者に対し、ついに「治療」の道が拓かれたことは画期的である。しかし、本剤は視力を回復させる魔法の薬ではない。「視機能維持」のための眼球注射継続への患者理解と、視機能が保たれている段階での「早期発見」が、今後の眼科診療における焦点となるだろう。(QLifePro編集部)

1) Cheung, C.M.G., et al. Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 263, 2081-2099 (2025).
2) Rim, T.H. et al. Ophthalmology. 2020; 127(10):1371-1381
3) Keenan TDL, et al. Adv Exp Med Biol. 2021;1256:1-31.
4)Colijn JM, et al. JAMA Ophthalmol. 2021 Jul 1;139(7):743-750.

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