「集まってくださりありがとうございます」と言って頭を下げ。たかはしほのかはギターを優しく奏でた。

リーガルリリーの最新ミニアルバム『where?』のリリースイベントとして渋谷のタワーレコードで行われた、たかはしほのかの弾き語りライブ。K-POPコーナーと併設された場所にあるので、周囲からはリーガルリリーに興味がない買い物客の声も聴こえる。そんな中で音楽が鳴って、それが店舗の雑音に溶け込んでいく空気が、不思議と心地よかった。
ギターを弾きながら「私は1997年に産まれました」と告げてから歌われた1曲目は『1997』。バンドだと重厚な演奏の楽曲なのだが、弾き語りだと繊細で優しい印象になる。
2曲目の『ハイキ』は弾き語りだと、ギターの響きがほんのりとジャジーでオシャレだ。こちらは最新ミニアルバム収録曲。音源も素晴らしいのだが、弾き語りだと音源以上にメロディの美しさを感じて心地よい。
曲間を殆ど取らず、休むことなく演奏を続けるたかはし。久々に演奏された『僕のリリー』の演奏はライブ序盤と比べると、熱量が高まっていた。繊細さよりも熱さが際立ってきている。
そこから続く『ぶらんこ』はスローテンポの楽曲だが、熱量を込めつつも繊細に弾くギターが素晴らしかった。心地良さよりもヒリヒリした空気で痺れてしまう。リバーブのかかったボーカルで歌っていたのも、楽曲の幻想的な空気を弾き語りでも表現していて良い。
こうしてインストアイベントをするのは5年振りです。皆さん、5年間で変わったことはありますか?
私はグレーです。変わっていない部分もあるし、変わった部分もあるし、両方あるので。
今回のミニアルバムは何年もかけてひとつずつを拾い集めて作った曲を集めました。だから変化した部分も、変化していない部分も詰まっています。
自分の居場所もわからないという状況になってしまった時に、私は音楽を作ります。そうすれば自分の変化に気づけるし、変化していない部分にも気づけるから。自分の居場所を見つけるために音楽を作るんです。
ウイルスが蔓延した世の中になってから、私が1番最初に作った曲をやります。
言葉を選びながら話をした後に演奏されたのは『キラーチューン』。最新ミニアルバムのラストナンバーとして収録された楽曲だ。
優しい歌声で歌っているが、だからこそ歌詞に込められた棘とのギャップにやられてしまう。しかも弾き語りだとバンド演奏以上に歌詞がダイレクトに響く。
特に〈無惨なことが起こる前に 政治家たちが世界を変えるよ そんなことを四畳半で思うだけでパンを食べてる〉という皮肉たっぷりの歌詞が最高だ。たかはしのようなおっとりとした雰囲気のシンガーが鋭い目で歌うギャップにもやはりやられてしまう。
「今日はありがとうございました」と挨拶してから、最後に最新ミニアルバム収録曲の『若者たち』が演奏された。切なくも優しいメロディと歌声が心地よい。温かな余韻を残してたかはしはステージを後にした。
たった6曲のミニライブではある。しかし最初から最後まで違う印象を残す楽曲を続け、それぞれ違う感動を与えてくれた。最新アルバムから披露されたのは3曲。その楽曲もバンドで演奏されると、また違う感動を与えてくれることだろう。
7月2日。自分はリーガルリリーのワンマンライブへ行く予定だ。会場は日比谷野外音楽堂。そこではどのようなライブをやるのだろう。きっと音楽も人を生かすことを実感するような、最高の感動を与えてくれるはずだ。
■リーガルリリー たかはしほのか『Mini Album「where?」発売記念 弾き語りインストアLIVE』 at タワーレコード渋谷店 2023年6月4日(日) セットリスト
1.1997
2.ハイキ
3.僕のリリー
4.ぶらんこ
5.キラーチューン
6.若者たち
