みょん
※一部ネタバレあり
始まった瞬間、全てを悟った。生きて帰れないかもしれないと。
開演時間を過ぎて場内が暗くなり、それと同時にバンドの演奏が始まる。美しい照明がステージを隠すように降ろされた幕を照らす。
少しづつ幕が上がる。少しづつ見えてくる人影。あいみょんとバックバンドの姿。
ライブが始まってまだ2分ほど。それなのに感動している。
CDの音をアップデートさせたようなバンドの演奏。CDを超える迫力の歌声。初めてのホールツアー。しかも初日。それなのに出てきた瞬間にホールを掌握したかのような空気感。
1曲目は『ら、のはなし』。ヒット曲ではないしアルバムの収録曲。それでも会場の全員を一瞬であいみょんの世界に引き込む。
広々として天井の高いホール。楽曲や歌や演奏をさらに引き立てる美しい照明が会場を彩る。過去にライブハウスやフェスで観た時よりも、ずっと楽曲が魅力的に感じる。

1曲目から泣きそうになるほど感動している。この後さらに素晴らしい演奏が披露されるはず。こんなライブを2時間も観せられたら現実世界に帰りたくなくなる。ずっと夢のような空間にいたい。
この場で昇天したくなる。
あいみょんのツアー初日。三郷市文化会館のライブでの話。
愛を伝えにくるあいみょん
MCを挟まずに曲を続けざまに披露した序盤。
本人は落ち着いた様子でドッシリと構えて歌いギターを弾く。その姿のかっこよさに昇天しそうになる。
あいみょんの存在を広めたきっかけの1曲である『愛を伝えたいだとか』。イントロが鳴ると客席から拍手が起こる。
色気のある歌声と表情。みょんみが凄い。昇天しそうになる。しかしまだ序盤。ここで昇天してはならない。なんとか耐える。
曲の最後のイントロ。あいみょんがギターを弾きながら客席に近づいてくる。
自分の席は12列目の中央付近。ステージが近い。あいみょんが近い。ただでさえ表情も見えるほど近いのに、さらに近づいてくる。あいみょんが近くで愛を伝えにくる。
喜びのあまり昇天しそう。
序盤のハイライトと言える『真夏の夜の匂いがする』。独特なリズムとメロディ。CDと同様なダウナーな雰囲気。それが怪しげな照明によって曲の世界観を表現している。
その凄みに集中していると少しづつ盛り上がる演奏。そして、サビ。サビになり暗めの照明が明るくなる。
客席も照らすような明るい照明の光。雲の切れ間から明るい陽が照らしたような風景。体を揺らしゆっくり楽しんでいたお客さんたちが腕を挙げる。
「天国か地獄かわからない道をいこう」
あいみょんはこのように歌う。でも、わかる。ここは天国だ。この瞬間のあいみょんは神々しさがあった。
昇天しそうになる。
ごめんね/////
「ツアー初日が埼玉県で埼玉でこの曲を歌えることに意味を感じるし嬉しいです。春日部に住みたい」
MCでこのように話してから映画クレヨンしんちゃんの主題歌になった『ハルノヒ』を歌った。
この土地でこの曲を生で聴けることに感動。これは昇天しそうな喜び。
しかし、曲の後半、歌っている途中で言葉を詰まらせた。歌詞を飛ばした。少し不安になったが、あいみょんが照れ笑いしながら間奏では一言発した。
「ああ〜ん、ごめんね/////」
可愛い。昇天しそうになる。
おっぱい
昇天しそうになったのは自分だけではない。前方の席の客も昇天したと思う。
客を全員座らせてからアコースティックアレンジで「おっぱい」という曲を演奏した時。前方の男性は昇天した。
ライブではあまり演奏されないレア曲。前方の男性客がイントロがなった瞬間に腕を上げて拍手をしていた。
きっとその男性はあいみょんの「おっぱい」が好きなのだろう。あいみょんの「おっぱい」に喜び興奮していた。きっと彼は「おっぱい」によって昇天した。
「座らせといてなんですが、すぐにみんな盛り上がって立つと思います。だから少しづつ立つような感じで」
このように話してから「おっぱい」を披露したあいみょん。「少しづつ立つ」と言う発言を意味深に思う。
自分も初めてライブで聴いた「おっぱい」。嬉しかった。「おっぱい」で興奮して昇天しそうになる。
死ねええええええええええええ
「世界一ピュアなラブソングを!」
ライブの後半、あいみょんはこのように言ってからエレキギターをかき鳴らしながら歌った。その曲は2015年に発表された作品。
2015年にあいみょんを知る人はほとんどいなった。まだ無名のシンガーソングライターだった頃。
そんな頃に作られた「貴方解剖純愛歌~死ね~」。近年のヒット曲しか知らない人にとっては過激とも感じる歌詞。
そんな曲なのに、引かれてもおかしくない曲なのに、この会場にいる人達は受け入れていた。
歌詞の表面的な部分ではなく、芯の部分を理解し受け止めていた。そして最も盛り上がっていた。
「歌えますか?」
あいみょんがサビの直前、客に問いかける。マイクから離れて煽る。客は腕を上げてそれに応える。そして、サビを歌う。
しねえええええええええええええええええええええええええええええええ
会場に響く1300人の「しね」という合唱。「歌えますか?」と問いかけたあいみょんに向けて「しね」と叫ぶ。
このままではあいみょんが昇天してしまう。1300人に「しね」と言われたら傷ついて「しのうかな?」と思うはずだ。
昇天しないで欲しい。代わりに昇天してあげたい。
でも、あいみょんは笑顔だった。天にも登るような幸せそうな顔ではあったが、より力強く歌っていた。
ドMなのかな。
しねえええええええええええええええええええええええええええええええ
2番のサビも客が「しね」とあいみょんに向かって叫ぶ。それでも笑顔。むしろ満足気。
ドMだな。
「しね」と1300人に言われて満足したドMのあいみょん。最後のサビの直前。しかし今度はマイクから離れない。
客には歌わせないつもりだ。、ギターをかき鳴らしながら真っ直ぐ前を観る。
今度はあいみょんが歌う。1300人の客に向かって同じ言葉をお返しするように歌う。
しねえええええええええええええええええええええええええええええええ
鳥肌が立つ。物凄い迫力。胸に突き刺さる。あいみょんに「しね」と言われたら昇天しそうになる。いや、昇天すべきだ。majiで昇天する5秒前。
しあいみょんは続けて最後のフレーズを歌う。それを聴いて、昇天寸前の自分は息を吹き返した。生きなければと思った。
「私を好きじゃないのならば」
貴方解剖純愛歌の最後のフレーズ。自分はあいみょんが好きだ。だから昇天してはならない。
GOOD NIGHT BABY
あいみょんの歌はストレートに励ます歌詞や希望をくれる歌詞ではない。
それでもあいみょんの歌を聴くと生きる希望が湧いてくる。自殺した少女のことを歌ったり「死ね」と歌ったとしても。光も闇も歌うからからこそ、そこに嘘偽りないものに感じる。だから希望を感じる。
君がロックなんか聴かないこと知ってるけど
恋人のように寄り添ってほしくて
ロックなんか聴かないと思うけれども
僕はこんな歌であんな歌で
また胸が痛いんだ
『君はロックを聴かない』であいみょんが煽って客に歌わせた部分。決して明るいことを歌っている訳でもない。
それでもこのフレーズをみんなで歌っている時は多幸感溢れていて、希望しかなかった。昇天するような幸福ではなく、生きる希望を感じる幸福だった。
「音楽を続けるから、また会いましょう」
あいみょんの最後の挨拶。これを聞いたら昇天するわけにはいかない。生きなければ。またあいみょんのライブを観なければ。
最後の曲は『GOOD NIGHT BABY』。
歌声は優しかった。優しく包み込むような演奏だった。それをみんなと共有している空間は最高だった。
音楽は生きる希望をくれるものだ。聴いた人に寄り添ってくれるし、時には救ってくれる。自分と心中してくれるものではない。それは音楽だけではなくアーティストの存在や言葉も同じだ。
あいみょんの音楽だけではなく、あいみょんの存在自体も希望をくれるもので、多くの人にとって大切なものになっているのだと思う。
ライブが終わった後も、次の日も、自分は昇天せずに生きている。
この日の感動をまた体験したいから。あいみょんが「音楽を続けるから、また会いましょう」と言っていたから。それに応えなければならない。
だから、自分はまだ昇天しない。
あいみょんが音楽を続けるならば、自分は音楽を聴き続けるから。また会いましょう。
でも「おっぱい」で喜んでいた前方の男性は昇天したと思う(意味深)。
セットリスト
1 ら、のはなし
2 今夜このまま
3 ふたりの世界
4 愛を伝えたいだとか
5 真夏の夜の匂いがする
6 二人だけの国
7 わかってない
8 ハルノヒ
9 ひかりもの
10 生きていたんだよな
11 恋をしたから
12 おっぱい
13 from四階の角部屋
14 鯉
15 夢追いべンガル
16 貴方解剖純愛歌~死ね~
17 マリーゴールド
18 空の青さを知る人よ
19 満月の夜なら
20 君はロックを聴かない
21 GOOD NIGHT BABY
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