
引用元:テレ東公式ドラマチャンネル ドラマ笑ゥせぇるすまん
今回はロバート秋山版実写ドラマ『笑ゥせぇるすまん』の、
「第10話『海馬ガム』のネタバレ・レビュー」
についてご紹介していきたいと思います!
「この話の流れを簡潔に知りたい」
「この話のおさらいをしたい」
など気になる方はぜひご覧ください。
- 『海馬ガム』はこんなお話
- 『海馬ガム』のあらすじ
- 『海馬ガム』のレビュー
- 【全話】ドラマ『笑ゥせぇるすまん』のネタバレ・レビュー
- 【全話】アニメ『笑ゥせぇるすまん』のネタバレ・レビュー
- 【全話】漫画『笑ゥせぇるすまん』のネタバレ・レビュー
- 『笑ゥせぇるすまん』全記事まとめ
『海馬ガム』はこんなお話
バドエン度 ★★★☆☆
怖さ度 ★★★★☆
グ口度 ☆☆☆☆☆
『海馬ガム』のあらすじ
顔出 カタル(かおで かたる)役∶國村 隼
最近物覚えが悪くなってきた、大御所俳優の顔出 カタル(かおで かたる)69歳。
顔出は『大御所探偵』というシリーズもののドラマの主役をしていたのだが、最近年齢のせいか台本を覚えることが困難になり芝居中に台詞が飛んでしまうことが多くなった。
しかし大御所俳優のプライド故に台詞が覚えられないとは言い出せず、顔出は、
「…どうだろうか?ここはまだ台詞を言わない方がいいかなと」
などと毎回それらしい言い訳をして、監督や共演者になんとか台詞が覚えられないことを隠し通していた。
まさかあの大御所俳優の顔出が台詞が覚えられなくなっているとは夢にも思わない監督や共演者は、
「ですよね!いや今のお芝居見て僕もそう思いました、この台詞いらないです!」
などと毎回顔出に同意をしてくれるため、顔出はなんとか台詞覚えが悪くなった今でも俳優を続けられていた。
そんなある日、顔出は監督から、
「明日の謎解きシーン大御所探偵にはかなりの長台詞を喋っていただきますが、できればワンカット長回しで…」
と頼まれる。
『そんなの絶対無理だ…!流石にカンペを用意してもらうか?』
と顔出が周りに悟られないようにひとり焦っていると、
「すっげぇなカタルさん!俺だいぶ若いけどあんな台詞量絶対無理ッスよぉ!」
と共演者の後輩俳優のヒカルが顔出を持ち上げるようなことを言い出し、結局顔出はカンペを用意して欲しいとは言い出せなかった。
『とにかく台詞をなんとか覚えなければ…』
と顔出はその日の撮影後に家に向かって歩きながら頑張って台詞を覚えようとするが、膨大な台詞量に、
「こんな長い台詞…絶対に無理だ…」
と絶望的な気持ちになる。
そんな中、
「あれ…顔出カタルじゃない!?」
「あの、大御所探偵見てます!」
と顔出は街の人達にキャアキャアと騒がれ始めて台詞を覚えるどころではなくなり、
「ああ、ありがとう」
と言いつつも、足早にその場から逃げ出す。
そんな顔出は、人集りから逃れた先で喪黒福造と出会う。
台詞が覚えられないと落ち込む顔出に、
「そうですかぁ、俳優さんも大変ですねぇ」
と返す喪黒は、
「ご安心ください、いいものがあります」
と言って、『海馬ガム』と書いてあるガムを見せる。
「このガムを噛みながら台本を読めばたった一回でぜーんぶ覚えられますよぉ、ガムを噛んで台詞は噛まない、そんなガムです」
と海馬ガムについて説明する喪黒に、
『まさか』
と、顔出は疑いの目を向ける。
そんな顔出の疑いを晴らすために、喪黒は実際に海馬ガムを1枚噛みながら顔出から借りた台本の長台詞を覚え始める。
数十秒後、
「はい、覚えました」
と言う喪黒は、
「え!?も、もう?」
と驚く顔出の前で完璧に台本の長台詞を諳んじて見せる。
「す、すごい!」
と目を丸くする顔出はすっかり海馬ガムの効果を信じ、喪黒から海馬ガムをもらうことにする。
翌日、顔出は海馬ガムのお陰で長台詞のシーンを一発で無事に撮り終える。
「一発OKとはたまげた!よく覚えられるなぁ!」
とヒカルから絶賛され、スタッフからも拍手され顔出はホッとすると同時に誇らしげな気分になっていた。
『海馬ガムのお陰だ』
と撮影後に顔出がひとり楽屋で海馬ガムを眺めていると、ノックの音がしてプロデューサーと脚本家と監督が入ってくる。
「顔出さん今日のシーンお見事でしたぁ!」
と拍手をするプロデューサーは、
「もうあんまり素晴らしかったんでさっき脚本家と監督と相談しまして、今シーズンですね、大御所探偵が長台詞をワンカットで語り切るっていうのを毎回お決まりの見どころにしようって」
と顔出に話す。
『なんだって!?とんでもないことになった…』
と内心青ざめる顔出だったが、プロデューサーと脚本家と監督に期待に満ちた目で見られた顔出はとてもやりたくないとは言い出せず、仕方なく、
「やりましょう!」
と答える。
喜んで楽屋を出て行く3人を見送った顔出は、海馬ガムを見ながら、
『効き目は1日2時間、くれぐれも1日1枚だけにしてくださいねぇ、それ以上噛むと副作用であなたの記憶が…なくなります』
と、海馬ガムを渡す時に忠告していた喪黒の言葉を思い出していた。
「1日1枚…」
と呟く顔出は、海馬ガムの残りの枚数を数える。
海馬ガムは残り7枚あった。
「最終回まで持ちそうだ」
と顔出はとりあえずホッとする。
顔出は海馬ガムさえあれば毎回長台詞のシーンがあってもなんとかなるだろうと思ったのだった。
その後顔出は毎回海馬ガムを噛んで長台詞を覚えて撮影をこなしていった。
顔出の長台詞のシーンは世間的にも好評で、大御所探偵は顔出の長台詞のシーンが追加されるようになってからどんどん視聴率を上げていた。
世間に評価され、共演者からも「あんな長台詞どうやって覚えてるんですか?」と尊敬の眼差しで見られる顔出は鼻高々になっていた。
しかしそんなある日、顔出がうっかりしている内に楽屋に遊びに来ていたヒカルに、
「これどんな味だろ?もらっていいっスか?」
と海馬ガムを1枚噛まれてしまう。
「あああ!?」
と顔出が気付いた時にはもう遅く、海馬ガムはすでにヒカルの口の中だった。
しかし海馬ガムの存在に気付かれる訳にはいかない顔出は、
『貴重な海馬ガムをよくも…!残り少ないのに…!』
という内心の動揺を抑えてすぐに平静を装う。
そんな中楽屋にプロデューサーが入ってくる。
「休憩中すみません〜、あの実はですね午後のシーンなんですけど、予定では大御所探偵の台詞はないシーンなんですが、ちょーっと追加したくてですね、まぁ相棒のユミに昔の思い出話をするっていう長台詞なんですけど…」
とおずおずと話すプロデューサーは、
「こちらが追加台詞になります」
と追加の台本を顔出に差し出す。
『今日はもう1枚噛んでしまった…』
とすでに午前中に海馬ガムを1枚噛んで長台詞のシーンを撮り終えていた顔出はこの予想外の事態に内心慌てるが、断るわけにもいかず渋々午後の長台詞のシーンの撮影を了承する。
1日1枚という約束の海馬ガムはもう使えないため顔出はひとりになった楽屋で必タヒに追加の台詞を覚えようとするが、海馬ガムを噛まないとまったく台詞が頭に入らず、
「無理だ…覚えられる訳ない…」
と真っ青になる。
午後の撮影まで時間がない中顔出は徐々に焦り始め、『もう1枚海馬ガムを噛んでしまおうか』と思い始める。
『くれぐれも1日1枚だけにしてくださいねぇ、それ以上噛むと副作用であなたの記憶が…なくなります』
という喪黒の忠告を思い出す顔出だったが、
「…ただの脅しだろ」
と顔出は思い、背に腹は代えられないと海馬ガムをもう1枚噛んでしまう。
顔出が海馬ガムを噛んで集中して台詞を覚え始めてからしばらくすると、
「4分47、4分46、4分45、4分44…」
と、どこからか謎のカウントダウンが聞こえてくる。
『…なんだ?うるさいな』
と顔出が声の出どころを探ると、声は顔出がいる楽屋の中のカーテンで仕切られている行為室の中から聞こえてきていた。
顔出がシャッとカーテンを開けると、中には喪黒がいた。
「ああ、あんた!あ、えっとお名前…」
と、顔出が喪黒に驚きつつも喪黒の名前が思い出せずに戸惑っていると、
「あなた約束破りましたねぇ」
と喪黒は言い、
「あなたの記憶が、ドーン!」
と顔出に指を差す。
午後。
海馬ガムでなんとか追加の長台詞を覚えた顔出は、楽屋から出て撮影場所へと向かう。
途中で、
「撮影再開しまーす!次の現場あちらでーす!」
と仕切っているスタッフを見つけたため、
「現場はどこかな?」
と顔出はそのスタッフに聞く。
するとそのスタッフは、
「はい?…どなたですか?」
と、顔出のことをジロジロと訝しげに見てくる。
「え?…ハハ、いやいや」
と顔出がなんだその薄情な反応はと苦笑いをすると、
「あ、ここ関係者以外立ち入り禁止なんで、すみません」
と、スタッフは顔出のことをまるで撮影現場に迷い込んで来た一般人かのように扱う。
そんなスタッフに顔出はムッとし、
「顔出カタルだよ!」
と、バ力バ力しいと思いつつも自分が主役を張っているドラマの撮影現場でそうスタッフに名乗る。
しかしそれでも尚スタッフは、
「…誰ッスか?」
と不思議そうな顔をする。
「え!?」
と流石に『何が起きてるんだ』と顔出が困惑していると、
「おお、どうした?」
と、通りがかった監督や共演者たちがスタッフに話しかける。
「いや、なんか、知らない人が…」
とスタッフが困ったように話す横で、
「君たちっ!君たちっ!」
と、『君たちなら俺のことがわかるだろ!』と顔出は必タヒに監督や共演者たちに呼びかける。
しかし長年一緒に撮影をしてきた監督や共演者たちまでもが、
「…どちら様?」
と、顔出のことをまるで知らない人を見るかのように不審そうな目で見てくる。
いよいよ訳が分からないと顔出が立ち尽くす中、
「あの〜さ、次のシーンの俺の台詞全部いらなくない?黙ったまま顔のアップで引っ張って…CM!」
と、セットの中からヒカルが出てくる。
自分の助手役だったはずのヒカルは何故か顔出の衣装である大御所探偵の衣装を着ていた。
無茶苦茶なことを言うヒカルの言葉に、しかし監督や共演者たちは、
「なるほどそんな顔で引っ張られたら誰もチャンネル変えられませんね!」
「いただきましょう!」
とまるで大御所俳優のありがたいお言葉のように絶賛して、そのまま午後の撮影を開始するためにゾロゾロとセットの中へと消えて行く。
その場にひとり残された顔出は、
「世間から…俺という存在の記憶が…なくなるってことか」
とあの海馬ガムの副作用はそういうものだったのかと今更ながらに気付き、ショックのあまりその場にガクリと膝をつく。
その後顔出はここにいても仕方がないと自宅へと向かう。
いつもは帽子を目深に被って顔を隠しながら歩いて帰っていた顔出だったが、もうそんなことをする必要もなくなったと顔出は途中で帽子を外して堂々と顔を晒して歩く。
顔を晒しても誰にも注目されず声もかけられない状況に、顔出は不思議な気持ちになっていた。
そんな顔出は、フと街のビルに設置してある巨大な酒の広告看板を見上げる。
そこにはついこの間までその酒の広告塔になっていた自分の顔がでかでかと写し出されていた。
しかし今、その看板の写真はヒカルの顔に変わっていた。
『本当に世間から自分が消えちまったんだなぁ』
と実感した顔出は、俯いて「…フッフッフッ」と肩を震わせる。
しばらく肩を震わせていた顔出だったが、その後泣き笑いのような表情で顔を上げたあとどこか吹っ切れた様子で足取り軽く自宅へと歩いて行く。
そんな顔出と人混みの中ですれ違った喪黒は、
「あの方にとってはこれはこれで幸せなのかもしれませんねぇ、えっとお名前は…もう忘れてしまいましたけど、オーホホホホホ」
と、ひとりごちながら去って行くのだった。
『海馬ガム』のレビュー
この話は怖くていいですね。
『1日1枚以上噛むとあなたの記憶がなくなります』
なんてすごく怖い設定でドキドキしました。
オチもいいですね。
『あなたの記憶がなくなります』
は自分の記憶がなくなるのではなく、世間から自分という存在の記憶がなくなるというのは予測できなくて面白いオチでした。
世間から忘れられた顔出さんが一瞬絶望したかと思いきやそのあと妙に嬉しそうな顔になって足取り軽く去って行くという終わり方も予想外の展開ですごく良かったです。
とんでもなく絶望的な話の流れだったのにまさか若干の救いがある終わり方になるとは思いませんでした。笑
顔出さんの最後の泣き笑いみたいな表情もとても絶妙で良かったですね。
肩を震わせて泣いているかのように見せかけていざ顔を上げたら口元がにんまりしている、けれど眉は下がり目は潤んでいる。
この表情が世間に忘れられた悲しみもあるけれどどこかスッキリとした開放感も味わっているという顔出さんの心情を明確に表していてとても印象深かったです。
これでこそ“顔で語る”演技ですね。笑
流石リアルでも大御所の國村隼さんです。
恐らく最後に顔出さんがこの状況を喜んでいるとも見えるように、最初の方に、
「あれ…顔出カタルじゃない!?」
「あの、大御所探偵見てます!」
とキャアキャアと騒ぐ街の人たちを、
「ああ、ありがとう」
と言いながらもどこかうっとおしそうにして逃げている顔出さんのシーンを入れたのでしょうね。
ちゃんと伏線も張ってあって面白いです。
面白いと言えば、後輩俳優のヒカルさんが海馬ガムを噛んでしまい、噛みながら偶然読んでいた顔出さんの新聞記事を自分でも気付かない内にすべて丸暗記してしまい、その後その文章を大立ち回りで他の共演者やスタッフの前で披露していたシーンは笑えました。
ある意味一番長台詞を喋っていたのはこのヒカルさん役の俳優の方でしたね。笑
それとこの話は喪黒さんの登場シーンが選挙ポスターに紛れているというものでしたが、アニメの第38話『愛妻写真』の中にも喪黒さんが選挙ポスターに紛れているというシーン(6:20〜6:22)があるためなんだかとてもデジャヴでした。

引用元:笑ゥせぇるすまん『愛妻写真』
あと、街のお酒の看板の文言が、
『香りがカタル。もう一つの物語。』
から、
『香りがヒカル。もう一つの物語。』
に変わっていたのがちょっと面白かったです。
どちらの文言もうまいこと俳優の名前を使っていますね。
それにしても、最後の方の喪黒さんのカウントダウンは何だったのでしょうかね?
あれは顔出さんが世間から忘れられるまでをカウントダウンしていたのでしょうかね?
だとしたらちょっと怖いですね。
ほんのり怖くてほんのり切なく、しかし若干の救いを見せてくれる終わり方で個人的にこの話はすごく好きでした。
次の話(11話)↓
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