NAND型フラッシュメモリは、電源を切ってもデータが消えない不揮発性メモリの一種です。SSDやUSBメモリ、SDカードなどに幅広く搭載されています。
現在販売されている多くのパソコンで採用されており、データを保存する際に活躍しています。NAND型フラッシュメモリの構造や種類ごとの特徴を理解しておくことで、パソコン選びや用途に合ったストレージ選びに役立つでしょう。
この記事では、NAND型フラッシュメモリの仕組みや種類、搭載するメリットなどについて解説します。ぜひ参考にしてください。
※ 製品の情報や価格は2026年2月19日時点の情報となります。
- NAND型フラッシュメモリとは?
- NAND型フラッシュメモリの種類・特徴を解説
- パソコンに搭載するNAND型フラッシュメモリは「TLC」がおすすめ
- NAND型フラッシュメモリを搭載するメリット
- NAND型フラッシュメモリを採用!マウスコンピューターのおすすめパソコン
- まとめ:NAND型フラッシュメモリは現代のSSDに欠かせないパーツ
NAND型フラッシュメモリとは?
まずは、NAND型フラッシュメモリの概要や構造、NOR型やDRAMとの違いについて解説します。
NAND型フラッシュメモリは「SSDに搭載している不揮発性メモリ」
NAND型フラッシュメモリは、SSDに搭載されているデータを記憶するためのパーツです。電源を切ってもデータが消えない「不揮発性」の性質を持ち、パソコンやスマートフォンなどで広く使われています。
NAND型フラッシュメモリがデータを保存できるのは、メモリセルと呼ばれる極小の記憶単位に電子を閉じ込めておける構造になっているからです。電源が切れても電子が保持され続けるため、情報が失われません。
メモリセルが電子を保持している状態を「1」、保持していない状態を「0」として判定します。この「1」と「0」の組み合わせで、文字・画像・動画などあらゆるデータが表現されています。
また、電気信号でデータの書き換えができ、可動パーツがないため衝撃に強いところも特徴です。
NAND型フラッシュメモリの構造とメカニズム
NAND型フラッシュメモリの基本単位となるメモリセルは、シリコン基板上に絶縁体で挟んだ電荷を蓄積する層(フローティングゲートやチャージトラップ層)と、その上に配置された制御ゲートで構成されています。複数のメモリセルを直列に接続することで高密度に配置でき、大容量化が可能です。
近年のNAND型フラッシュメモリは数千億ものメモリセルで構成されており、それぞれのメモリセルが電子を出し入れしてデータを記憶・消去しています。
データの書き込み時は、制御ゲートに高電圧を加えることで量子トンネル効果が生じ、シリコン基板から浮遊ゲートへ電子が移動します。一方、データの消去作業は書き込みと逆です。シリコン基板に電圧をかけて浮遊ゲートから電子を引き抜きます。
読み出し時は制御ゲートに適切な電圧を加え、電流が流れるかどうかでデータを判定します。電流が流れればデータ「1」、流れなければデータ「0」と判断する仕組みです。これらの動作はすべて電気信号で制御されるため、機械的な動作が不要で高速に処理できます。
3D NANDにより記憶容量が増加
従来の2D NANDはメモリセルを平面上に並べる構造のため、微細化による高密度化には物理的な限界がありました。3D NANDはメモリセルを垂直方向に積み重ねる構造を採用しており、チップの面積を増やさずに大容量化を実現しています。
2013年にサムスンが世界初の3D NAND製品を商業化し、当初は24層程度だった積層数は、現在の最先端向けでは300層を超えるまでに進化しました。高層化と多値化(1つのセルに複数ビットのデータを保存する技術)を組み合わせることで記憶密度が向上することに加え、セル間の距離を広げられるため信頼性や耐久性も改善されます。
NOR型とNAND型の違い
フラッシュメモリの主な種類は、NOR型とNAND型の2種類です。最も大きな違いは接続構造にあり、NOR型はメモリセルを並列に接続するのに対し、NAND型は直列に接続します。
NOR型は、各セルに直接アクセスできるため高速なランダムアクセスができるところが特徴です。コードの実行に向いており、ルーターやプリンターのプログラムデータの保存に使われます。
一方、NAND型は、配線が簡素で高集積・低コストなので大容量化に向いており、NOR型と比べるとデータの書き込みも高速です。そのため、SSD・USBメモリ・SDカードといったデータストレージに幅広く採用されています。ただし、バイト単位での書き換えは苦手です。
NOR型は回路構造が複雑で大容量化には不向きですが、信頼性が高く、マイコンや組み込み機器のファームウェア保存用などで今も活躍しています。
DRAMとNAND型フラッシュメモリの違い
DRAMとNAND型フラッシュメモリは、それぞれ役割が異なります。DRAMは主記憶装置(メインメモリ)として、NAND型フラッシュメモリは補助記憶装置(ストレージ)として使い分けられます。それぞれの主な違いは、次のとおりです。
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DRAM |
NAND型フラッシュメモリ |
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用途の例 |
パソコンのメモリ(RAM) |
SSD・USBメモリ・SDカードなど |
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揮発性 |
揮発性 (電源OFFでデータ消失) |
不揮発性 (電源OFFでもデータを保持) |
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リフレッシュ動作 |
必要 |
不要 |
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読み書き速度 |
高速 |
DRAMより低速 |
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記憶容量 |
容量は少なめ |
大容量化に向いている |
両者の根本的な違いは、揮発性の有無です。DRAMは電源を切るとデータが消える揮発性メモリで、定期的にリフレッシュ動作が必要になります。NAND型フラッシュメモリは電源を切ってもデータを保持する不揮発性メモリで、リフレッシュ動作は不要です。
データの読み書き速度はDRAMのほうが速く、CPUとストレージの間でデータを高速に処理する役割を担います。NAND型フラッシュメモリは1チップあたりの記憶容量が大きく、写真・動画・文書などの大容量データの長期保存に向いています。
NAND型フラッシュメモリやDRAMは不足すると価格が高騰する
半導体メモリ市場は、需給バランスによって価格が変動します。2025年11月には、NAND型フラッシュメモリの契約価格が同年9月と比較して最大60%上昇しました。背景にあるのは、クラウドサービス・AI・IoTデバイスの普及による需要の急拡大です。
加えて、メモリメーカーが利益率の高いAI向けサーバー用製品の生産を優先したことで、一般向けの供給が減少しました。生産能力の増強には工場建設から設備導入まで大規模な投資と時間が必要なため、需要の急増に供給が追いつきにくい構造にもなっています。
NAND型フラッシュメモリの種類・特徴を解説
NAND型フラッシュメモリは、1つのセルに保存するデータのビット数によって種類が異なります。ビット数が少ないほど耐久性と速度に優れ、多いほど大容量化と低コスト化に向いています。種類ごとの読み書き速度・書き換え可能回数・コストの目安は次のとおりです。
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種類 |
1セルあたりのビット数 |
書き換え可能回数の目安 |
読み書き速度 |
コスト |
|
SLC |
1ビット |
9~10万回 |
最も速い |
最も高い |
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MLC |
2ビット |
8,000~1万回 |
速い |
高い |
|
TLC |
3ビット |
3,000~5,000回 |
標準的 |
中程度 |
|
QLC |
4ビット |
1,000回程度 |
遅い |
最も低い |
各種類の特徴について、詳しく解説します。
SLC|耐久性に優れるが高価
SLCは、1つのセルに1ビットのデータを記憶する方式です。書き換え可能回数は9~10万回と4種類のなかで最も多く、高い耐久性と信頼性を持ちます。データの読み書き速度も最も速く、安定した高い性能が求められる場面で活躍します。
一方で、1セルに1ビットしか格納できないため大容量化が難しく、製造コストも高額です。そのため、エンタープライズ向けSSDや工場・医療機器といった産業用途で採用されることが多く、一般向けの製品にはほとんど使われません。
MLC|産業用などに採用
MLCは、1つのセルに2ビットのデータを記憶する方式です。書き換え可能回数は8,000~1万回程度で、SLCより少ないものの実用上は十分な耐久性があります。
SLCの2倍の容量を同じセル数で実現できるため、性能とコストのバランスがよく、高い信頼性が求められる産業用機器やハイエンドサーバー向けSSDに採用されます。
一般向けのコンシューマー製品への採用は少なくなっていますが、データの安全性が重視される場面では今も有力な選択肢です。
TLC|性能・コストのバランスがよい
TLCは、1つのセルに3ビットのデータを記憶する方式です。書き換え可能回数は3,000~5,000回程度とMLCより少ないですが、一般的な個人利用では十分な寿命があります。
MLCと比較して理論上1.5倍の容量を実現でき、容量あたりのコストが低い点も魅力です。一般ユーザー向けSSDの主流となっており、パソコンのシステムドライブや写真・動画の保存用ストレージとして幅広く使われています。
近年の3D NAND技術により信頼性がさらに向上し、データセンターでの採用も増えています。
QLC|耐久性は低いが安価
QLCは、1つのセルに4ビットのデータを記憶する方式です。書き換え可能回数は1,000回程度と最も少なく、大量の書き込みが繰り返される用途には向きません。ただし、データの書き込み・消去をすべてのブロックに均等に分散させるウェアレベリング技術により、実用的な寿命を確保しています。
SLCと比べて理論上4倍の容量を実現でき、コストも低いため、映像ファイルのアーカイブなど読み取り中心の大容量ストレージに向いています。データの読み書き速度はTLCより遅く、空き容量が少なくなると速度が低下しやすい点には注意が必要です。
パソコンに搭載するNAND型フラッシュメモリは「TLC」がおすすめ
パソコン向けSSDを選ぶなら、TLCが最もバランスのよい選択です。一般的な個人利用では十分な耐久性や速度を持ちながら、大容量化とコストを両立しています。たとえば、日常的なオフィスワークやクリエイティブワークであれば、TLC搭載SSDで不満を感じることはないでしょう。
1TBのデータをコピーした際の所要時間をTLCとQLCで比較した結果は、次のとおりです。
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種類 |
時間 |
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QLC |
42分54秒 |
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TLC |
8分47秒 |
※ マウスコンピューターの検証環境での結果です。実際の速度は、パソコンの構成や使用状態によって異なります。
TLCは、QLCと比較して約4倍の速度でコピーできました。データベースサーバーの運用や頻繁に大容量データを書き込む高負荷な用途では、MLCなども選択肢に入ります。また、コストと容量を重視する場合はQLCも選択肢に入りますが、書き込み頻度が高い用途には向きません。
用途と使い方に合わせてNANDの種類を選ぶことが、長く快適に使えるストレージ選びにつながります。
NAND型フラッシュメモリを搭載するメリット
NAND型フラッシュメモリは、従来のHDDに比べて次のような利点があります。
・データの書き込み・消去速度が速い
・高密度化・大容量化しやすい
・耐久性が高い
・製造コストが安い
ここでは、NAND型フラッシュメモリのメリットについて解説します。
データの書き込み・消去速度が速い
NAND型フラッシュメモリは、磁気ディスクや光学ディスクと比較してデータの書き込み・消去速度が速いパーツです。HDDのように読み書きヘッドを物理的に移動させる必要がなく、電気信号によってデータを処理するため高速なアクセスが可能です。
連続したデータの読み書きにも優れており、大容量の動画ファイルを転送する際などにも速さを実感できるでしょう。
ただし、製品によって速度は異なるため、購入前に仕様表で読み書き速度を確認することをおすすめします。
高密度化・大容量化しやすい
高密度化・大容量化しやすい点も、NAND型フラッシュメモリの強みです。メモリセルを直列に接続する構造により配線が簡素になり、高集積化に向いています。さらに、3D NAND技術を活用すればメモリセルを垂直方向に積み重ねられるため、チップの面積を増やさずに容量を拡大できます。
加えて、TLCやQLCといったマルチレベルセル技術を使い、1つのセルに複数ビットのデータを記録して記憶容量を広げられるのもメリットです。こうした技術の組み合わせにより、スマートフォンからデータセンターまで幅広く対応できる大容量ストレージを実現しています。
耐久性が高い
NAND型フラッシュメモリは、耐久性の高さも魅力です。可動パーツが一切ないため、振動や衝撃による物理的な故障リスクを抑えられています。HDDのように回転するディスクやヘッドが存在しないため、長期間にわたって安定して使えるところがメリットです。
また、3D NANDではセル間の距離が広がり、隣接するセルからの電気的な干渉が減ることで、信頼性が向上しました。さらに、ウェアレベリング技術により特定のセルに書き込みが集中しないよう制御されているため、寿命も長くなっています。
製造コストが安い
製造コストが安い点も、NAND型フラッシュメモリの特徴です。回路構造がシンプルで大量生産に向いており、容量あたりのコストが下がりやすい構造になっています。
3D NANDの普及により製造プロセスの微細化に頼らずとも大容量化できるため、製造の難易度が低減され、コストを抑えられるようになりました。
市場が拡大するにつれて製造技術も成熟し、一般向けのSSDやUSBメモリを手頃な費用で入手できる環境が整っています。
NAND型フラッシュメモリを採用!マウスコンピューターのおすすめパソコン
マウスコンピューターは、メモリの容量やCPUのグレードなどをカスタマイズできるBTO(Build To Order)パソコンを販売しているメーカーです。ここからは、NAND型フラッシュメモリを採用したマウスコンピューターのおすすめパソコンをご紹介します。
※ 製品の情報や価格は2026年2月19日時点の情報となります。
1.仕事や普段使いに使いやすい「mouse A5-A5A01SR-A」
| OS | Windows 11 Home 64ビット |
| CPU | AMD Ryzen™ 5 7430U プロセッサ |
| グラフィックス | AMD Radeon™ グラフィックス |
| メモリ標準容量 | 16GB (16GB×1 / シングルチャネル) ⇒ 16GB (8GB×2 / シングルチャネル)< 2025年12月16日 15時00分~ > |
| M.2 SSD | 500GB (NVMe) |
| パネル | 15.6型 液晶パネル (ノングレア) |
| 通常価格 (税込) |
123,800円 |
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mouse A5-A5A01SR-A
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「mouse A5-A5A01SR-A」は、6コア12スレッドの AMD Ryzen™ 5 7430U プロセッサーを搭載した15.6型スタンダードノートパソコンです。500GB NVMe M.2 SSDを搭載しており、OSやアプリの起動を素早く行えます。
メモリは16GBを搭載しており、WebブラウジングやMicrosoft Officeの活用、動画視聴など日常的な用途を快適にこなせるでしょう。また、Wi-Fi 6Eに対応しており、高速かつ安定したインターネット通信ができます。
一般的な用途に必要な性能・機能を備えた、シンプルなモデルをお探しの方におすすめです。
2.AI機能を便利に使えるビジネスノート「MousePro G4-I7U01BK-E(Copilot+ PC)」
| OS | Windows 11 Pro 64ビット ( PKIDラベル貼付対応 ) |
| CPU | インテル® Core™ Ultra 7 プロセッサー 258V |
| グラフィックス | インテル® Arc™ グラフィックス 140V |
| メモリ標準容量 | 32GB (CPU内蔵32GB / デュアルチャネル) |
| M.2 SSD | 500GB (NVMe Gen4×4) |
| パネル | 14型 液晶パネル (ノングレア) |
| 通常価格 (税込) |
250,580円 |
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MousePro G4-I7U01BK-E(Copilot+ PC)
この製品を詳しく見る
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「MousePro G4-I7U01BK-E(Copilot+ PC)」は、AI機能を快適に利用できるビジネス向けのモバイルノートパソコンです。AI処理に特化したNPUを内蔵したIntel® Core™ Ultra 7 プロセッサー 258Vを搭載し、便利なAI機能をローカルで利用できます。
また、32GBメモリ、500GB NVMe M.2 SSDを搭載しており、マルチタスクや大容量ファイルの保存にも対応可能です。約946gという非常に軽量なモデルなので、持ち運ぶときも負担になりません。
さらに、人を検知して自動でロック・スリープ解除を行う機能や、スタンバイ中にシステムの起動を防ぐ機能なども搭載しており、利便性に優れたビジネスモデルです。
3.グラフィックスボード搭載のクリエイター向けモデル「DAIV KM-I5G6A(NVIDIA Studio 認定PC)」
| OS | Windows 11 Home 64ビット |
| CPU | インテル® Core™ Ultra 5 プロセッサー 225 |
| グラフィックス | NVIDIA® GeForce RTX™ 5060 Ti (8GB) |
| メモリ標準容量 | 16GB (8GB×2 / デュアルチャネル) |
| M.2 SSD | 1TB (NVMe Gen4×4) |
| 通常価格 (税込) |
294,800円 |
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DAIV KM-I5G6A(NVIDIA Studio 認定PC)
この製品を詳しく見る
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「DAIV KM-I5G6A(NVIDIA Studio 認定PC)」は、動画編集や3DCG制作などのクリエイティブワークにおすすめのデスクトップパソコンです。
CPUはIntel® Core™ Ultra 5 プロセッサー 225、グラフィックス(GPU)はNVIDIA® GeForce RTX™ 5060 Ti(8GB)を搭載しており、高い処理性能が求められる用途にも対応できます。
また、1TB NVMe M.2 SSDを採用しており、大容量データの保存や高速な読み書きが可能です。さらに、NVIDIA Studio認定を取得しており、さまざまなクリエイティブアプリを快適に使用できます。
まとめ:NAND型フラッシュメモリは現代のSSDに欠かせないパーツ
NAND型フラッシュメモリは、読み書きの速度が速く耐久性に優れた不揮発性メモリです。大容量化にも向いており、現代のSSDに欠かせないパーツといえます。
SLC・MLC・TLC・QLCなどの種類があり、用途に応じて使い分けられるのも魅力です。パソコンには、速度と耐久性のバランスがとれたTLCをおすすめします。
マウスコンピューターは、スペックをカスタマイズできるBTOに対応したパソコンメーカーです。詳しい製品の情報やキャンペーン情報は、下記の公式サイトからチェックしてみてください。
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