大阪府が主催する初のeスポーツイベント「Osaka GeN Scramble(通称:ジェンスク)」が2026年1月30日から2月1日にかけて開催されました。
このイベントは、大阪府内のeスポーツの取り組みに面的広がりを生み出すための場として創設された、「大阪eスポーツラウンドテーブル(Osaka eSports Growth Guild)」(通称:OeGG)が、2025年度の活動における集大成として、性別や世代を超えた「つながり」と「混ざり合い」をテーマに様々なステージや展示がされています。
OeGGの一員であるマウスコンピューターでは、ジェンスクにも協賛及び出展を実施しており、この記事ではジェンスク初日のビジネスデイのマウスコンピュータートークセッションの様子と、トークセッションに参加してくれた同じくOeGG一員のNEICS合同会社 代表 有江俊治さんへのインタビューをお届けしていきます。
OeGGとは?大阪のeスポーツを“面的”に広げるためのラウンドテーブル
OeGG(Osaka eSports Growth Guild/大阪eスポーツラウンドテーブル)は、大阪府内で進むeスポーツの取り組みを、単発のイベントや個別の活動にとどめず、企業・教育機関などが連携しながら“面的”に広げていくための枠組みです。
ジェンスクは、そのOeGGに関わる企業や団体が一堂に会し、ステージ企画や展示を通じて、性別や世代を超えた「つながり」と「混ざり合い」を体感できる場として開催。ビジネスデイの開会式でも、OeGGの趣旨や活動の方向性が実績と共に紹介されていました。
なお、OeGGという名称の「Growth Guild」は、ゲーム用語の「GG(Good Game)」から発想を得たもの。ロゴも“大阪府の形を横から見るとゲームコントローラーのように見える”という着眼点を取り入れたデザインになっており、eスポーツらしさが表現されています。
開会式の最後には、OeGGの取り組みに興味を持った企業・団体に向けて「ぜひ声をかけてほしい」と呼びかける場面も。大阪のeスポーツを盛り上げるうえで、参加者を“増やしていく”こと自体が大切なメッセージとして伝わってきました。
そしてOeGGの一員であるマウスコンピューターも、ジェンスクに協賛・出展として参加。次はビジネスデイに行われた、マウスコンピューターのトークセッションの様子をレポートします。
教育機関を支えるマウスコンピューターとNEICS合同会社
マウスコンピューターのトークセッションでは、マウスコンピューターより営業推進部の大久保さんと、NEICS合同会社の代表有江 俊治さんが登壇されました。
NEICS合同会社は、代表である有江さんを筆頭に、教育機関や行政、企業に向けてICTソリューションの販売や設計を行う会社です。特徴的なのは、その事業の中にeスポーツ関連事業が含まれており、大阪府堺市にe-Sports Cafe ZEROを運営するなど、精力的に取り組んでいます。
マウスコンピューターの大久保さんは「今回、トークセッションの依頼でパートナーさんを選ぶ時に、"関西" "eスポーツ" "教育支援"と考えた時に、有江さんが真っ先に浮かびオファーしました」と力強く話します。
マウスコンピューター 営業推進部 大久保さん
「NEICS合同会社さんとは6年前からの付き合いで、基本事業であるICTソリューションの提供に加え、eスポーツをビジネスとして事業化している稀有な企業だと思います。今回のセッションでは、園田学園さんへG TUNEの導入を、NEICS合同会社さんを通じて行った事例を紹介していきます」(大久保さん)
園田学園の導入事例
園田学園ではゲーミングブランドであるG TUNEのPCを10台導入し、eスポーツ専用の教室を用意して周辺機器なども含めゲーム環境を整えています。
「きっかけはeスポーツのクラブを作りたい、という相談です。園田学園さんではパソコンの先生はいらっしゃっても、eスポーツの知見を持っている方はおらず、ハードウェアはもちろん周辺機器、教室の環境整備なども含めてゼロからスタートになるのが課題だったそうで、弊社にお任せしたいと仰っていただきました」(有江さん)
NEICS合同会社 代表 有江 俊治さん
実際に近年では、教育機関より漠然とeスポーツのクラブ活動をしたい、といった相談は増えてきているそうです。そのなかで、NEICS合同会社ではe-Sports Café ZEROの運営やイベント開催で培った知見をもとに、人材と企業の強みを活かしてカリキュラムの提案まで行っていくなど、学校に寄り添う形で教育機関におけるeスポーツ導入を助けてきました。
そして今回導入された園田学園では、導入されたゲーミングパソコンの全てがG TUNEとなっています。「導入いただくハードウェアにマウスコンピューターを選定頂いた理由というのは、なんだったのでしょうか?」という大久保さんからの問いに、有江さんはマウスコンピューターのG TUNEをすでにe-Sports Cafe ZEROに導入していたことが大きく影響していたとして、背景を話します。
「2019年頃にマウスの営業さんと初めてお会いして、GIGAスクール構想の際にはタブレットなどを導入させていただいておりました。その後、e-Sports Cafe ZEROを開業する際にG TUNEを使用させていただいたのですが、毎日数十時間動かしているハードな使い方にもかかわらず、故障なども少なくとても信頼性が高いと感じています。実際に導入後もユーザーさんからご好評を頂いてますね」(有江さん)
手の届く位置にeスポーツの環境を
トークセッション終了後、NEICS合同会社の代表である有江さんにインタビューをさせていただきました!
――インタビューのお時間いただきありがとうございます!
まずはNEICS合同会社としてeスポーツ事業に乗り出すことになったきっかけなどあれば教えていただけますでしょうか?
有江さん:
きっかけはとある自治体さんから、「eスポーツの教室を作りたい」と相談を頂いたことなんですが、その当時はeスポーツのことを全く知らない状態からのスタートで…。
ゲーム好きの社員がたまたまいたので、「eスポーツってなに?」とヒアリングするところから始めました。
――ICTソリューションの導入支援などをメインにやってきたNEICS合同会社さんからすると、eスポーツ事業への参入は大きな決断だったのではないでしょうか?
有江さん:
ご存知の通り、当社はもともとOA機器の販売を教育機関や行政をメインに行っていたのですが、令和元年からGIGAスクール構想が始まって、1人一台タブレットが当たり前になることでパソコン教室など需要が減ってしまい、得意分野であるOA機器の販売が難しくなってしまった時期がありました。
その時に、「じゃあ次のビジネスは何だろう」というもやもや感からスタートして、たまたま頂いたeスポーツ教室の話を聞いたときに、OA機器販売というこれまでの経験を活かしたビジネスが、eスポーツ事業ならできるのではないかと考えました。
――なるほど、それで現在のeスポーツイベントの開催やe-Sports Cafe ZEROの運営に至ったということですね。ゼロから始めたということで、eスポーツ事業もだいぶ苦労されたと思います。
有江さん:
そうですね、一番の課題はeスポーツを知っている人材の獲得でした。やはり何もわからない状態から始めたので、eスポーツを理解している人が必要です。そんな時に、たまたまeスポーツの専門学校講師をしていた方が教育現場への営業として入社してくれて。それがちょうどe-Sports Cafe ZEROの店舗を契約したタイミングで、そこから全てがスタートしていったと感じています。
――実際に事業として始められてみて、いかがだったでしょうか。
有江さん:
いままで導入支援をしていたOA機器と比較して、ゲーミングPCは価格帯が高くなるため、まずは「どうやってゲーミングPCのメリットを感じていただくか」が課題でした。お客様にとっても購入のハードルが上がってしまいますからね。そこで「eスポーツ×教育」に着目して、例えばVRゴーグルやAIなどを併せてパッケージとして提供することで、eスポーツ以外の教育環境も同時に整えていけるようなソリューションとして位置づけました。
――なるほど、eスポーツだけではなく、教育に対しての利点もセットで提供できるようにされたと。そこは長く教育機関へ携わってきたNEICSさんならではの強みだと思います。もともとやられていた事業との違いは感じられましたか?
有江さん:
ゲーミングPCなので「ビジュアルも重要視される」というのはOA機器販売のなかでもeスポーツ特有だと思います。我々もe-Sports Cafe ZEROはかなりビジュアルにこだわらせていただいていますし、園田学園さんも最初はG TUNEのホワイトモデルを見て、マウスコンピューターさんに興味をお持ちいただいたんですよ。
――それは新しい視点に感じます!
でも確かにゲーミングPCといえば「かっこいい」が必要ですよね。業務用の高性能PCでもゲームは動きますが、"動けばOK"というわけでもないですし。
有江さん:
その通りです。特にeスポーツのクラブ活動などは、学校としても「こういう活動をしています!」とアピールしたいポイントでもあります。なので、ゲーミングPC本体のビジュアルがとても重要視されますね。
――僕も自分のゲーミングPCを組み立てる時は、見た目もかなり意識したので、言われてみれば当然ですね。最後に、今後の展望などがあれば教えてください。
有江さん:
まだまだeスポーツが「ゲームでしょ?」と捉えている方が多くいらっしゃいます。なので私たちは、そういった方達にもeスポーツを理解してもらうために、「手の届く位置にeスポーツの環境を」と考えています。数台でもいいから各学校にゲーミングPCを置くなど、手が届く範囲にeスポーツがあれば認めてくれる方も増えるのではないかと。なので今後はそういった部分に注力し、皆様の周りにeスポーツの環境を構築していけたらと思います。
――ありがとうございました。