韓国料理や中華料理、イタリア料理やフランス料理など、世界各国の美味しいものが集まる文明開化の街・横浜。
その横浜で、とりわけ珍しいジャンルのお料理である「バスク料理」がいただけるのはご存知でしょうか。

今回やってきたのは、地下鉄伊勢佐木長者町駅すぐの好立地、鎌倉街道沿い。
あのコロナ禍を乗り越えて営業を続ける「スペイン・バスク料理 BIHOTZA」(ビオッツァ)さんです。
バスクとはフランス南西部からスペインの北部にかけてまたがるピレネー山脈西端の地域で、山の幸と海の幸をふんだんに使った滋味深いお料理が人気です。

こちらのお店では、ピンチョスではないバスクの郷土料理がメインでいただけます。
さらにシェフはスペインとフランスの国境に近いサンセバスチャンで修行されていたことから、まさに現地の味わいをいただけるレストランです。
店内はカウンターとテーブル席がありますが、この日は2階のテーブル席へと案内していただきました。
照明は落ち着いており、美味しいお料理を頂きながら、ゆっくりと語り合うのに最適な空間です。

◆シェフお任せコース(税込8800円)
今回予約させていただいたのは、その時々の旬の食材を活かしたコース。
コース仕立てなので、シェフ渾身のバスク料理が一品ずつ提供されるのが良いですよね。

◆山のチャコリ(グラス:税込700円)
バスク地方特有のご当地ワイン、チャコリ。(写真左側の白ワイン)
海のチャコリ「グインツァ」、山のチャコリ「ピルピル」、赤のチャコリ「イカ」の3種類があり、どれもこの地方特有の葡萄品種で作られているそうです。
飲んでみるとフルーティーとともに、ブドウの葉のようなほろ苦さとコクを感じます。
しかし飲み口がすっきりとしていながら、奥行きのある味わいです。
みうけんは断酒しているため、ノンアルコールワイン(写真右側の赤いドリンク)にて。

▼PINTXOS(ピンチョス)
まずは出て来ました、旬の食材と地の食材を活かした豪華絢爛な前菜たち。
まずは生牡蠣から頂きますが、この牡蠣は北海道は厚岸産のブランド牡蠣、「マルえもん」。
新鮮さは折り紙付きで、クリーミーで濃厚かつ、ミルクのような味わいをしっかりと堪能できます。

次にスペイン産の生ハム「ハモンセラーノ」がたっぷり乗ったバゲット。
ハモンセラーノはサシの入り加減が美しく、噛み締めるごとに実に美味しさがあふれます。
パンと生ハムの間に塗られた、トマトのソースの酸味が爽やかで良いアクセント。

スペイン風オムレツ、トルティージャ。
中にジャガイモがたっぷりと入った厚めのオムレツで、柔らかくてほっくほく。

モルシージャは、スパイスがきいた豚の血とお米のブラッドソーセージ。
むちむちな食感でスパイシーに仕上がり、上に乗ったパプリカが良いアクセント。
とても柔らかくて、パンの食感とよく合う温かいおつまみです。

オリーブ、アンチョビ、唐辛子の酢漬けを一つにしたバスクでもっともポピュラーなおつまみ、ヒルダ。
オリーブの食感、塩気、辛味が一体となって、実に食欲をそそる逸品でした。

▼PRIMERO PLATO(前菜)
八朔とフェンネルを加え、フレッシュチーズをふんだんに使った旬のサラダ。
生ハムはハモンセラーノで、八朔のフルーティな酸味とフレッシュチーズのトロける食感がそれぞれ主張しています。
サラダそのものもフレッシュで、生ハムの塩気も程よく効いておりサッパリといただけます。

北海道産ズワイガニの「チャンゴーロ」(バスク風カニのオーブン焼き)も個人的にお気に入り。
妻ちゃんの自家製サングリアと共に、パチリ。

カニの甲羅にギッシリと入って焼き上げられた、カニミソとカニの身。
これをバゲットにたっぷり乗せて、パクリといただくメニューです。

一口目から伝わってくるカニミソの濃厚な美味しさがものすごいし、カニの身もたくさん入っているし、贅沢感のある一皿です。
サクサクな食感のバゲットとの組み合わせも実に良いし、カニの身がしっかり詰まり、満足度の高い仕上がりです。

▼SEGUNDO PLATO(メイン)
尾長鯛のサルサ・ヴェルデと、パンの組み合わせ。
サルサ・ヴェルデはヨーロッパ各地で見られる「緑のソース」で、特にバスクのものは魚料理との相性は抜群です。
パセリをメインに、ニンニク・オリーブオイル・魚の出汁を合わせて白ワインで香りをつけ、小麦粉でとろみをつけたソース。

オリーブオイルのコクに魚の出汁の旨味がしっかり効いたソースに、ふんわりと調理された尾長鯛。
食味は軽やかでありながら旨味はしっかりと感じられ、アサリの出汁もしっかり効いているのが美味しいです。
付け合わせの野菜も素晴らしく、特にカブがしっかりした食感で、甘さとほろ苦さのコンビネーションが絶妙です。

さらにお肉料理が選べます。
・NZ産 牛赤身肉のロースト
・NZ産 仔羊肉のロースト(ラムチョップ)
・ハンガリー産 鴨肉のロースト
まず出て来たのは、塩とチミチュリソース。
元々はアルゼンチンのものだそうで、とうがらし・にんにくをオリーブオイルとビネガーで調味した、フレッシュでスパイシーなソース。
キリッと酸味を感じる味わいが爽やかで、どこかで食べた事があると思いきや、イランで食べたゴルメザブジに似ている味付け。

牛肉も気になったのですが、みうけんはハンガリーの鴨肉にしました。
日本にいると、ハンガリー産って珍しいですよね!
ブロッコリー・黄色いカブ・スペイン産の赤ピーマンが添えられて美しく登場です。

パリッと焼かれた皮目と、たっぷりの脂身の甘さが実に素晴らしいんですよねぇ。
赤身の部分も噛み締めるたびに旨味が溢れてきて、やはり鴨は美味しいなと思います。
日本の鴨南蛮もそうですが、鴨からあふれる強烈な旨味は、まさに特別感のある味わいです。

そして、妻ちゃんはNZ産の仔羊肉のロースト(ラムチョップ)をチョイス。
見ただけで、その美しいレアな焼き加減が印象的です。
ラムチョップはマトンほど臭みもなく、かつ骨付きのお肉なのでその美味しさは折り紙つき。

ナイフでサックリと切って、または骨にかぶりついて。
コンガリ焼けた部分と、しっとりレアな部分のそれぞれの美味しさがあふれます。
2種類のお肉を妻ちゃんとシェアしましたが、どちらも食べ応えもプレミア感もあって素晴らしいの一言でした。

▼ARROZ(米料理)
「アロス・メロッソ」(Arroz meloso)は、スペイン・バスクを含む各地で食べられている「スープを含んだ半リゾット状の米料理」。
直訳すると「トロトロのお米」という意味だそうで、熱々の鉄瓶に入ってやって来ました。

さっそく器に取り分けていただきましたが、さすがは海の美食地帯でもあるバスク料理。
海鮮の旨味で米を食べさせる料理ですが、こちらのものは小エビとイカがたっぷり入っています。
熱々が美味しいご飯に、ほのかにできるオコゲ。

出汁がしっかり効いているだけでも美味しいのに、しっかりと効いたサフランがなおのこと香り高さを伝えてくれています。
これはまさに、塩気に頼らず、旨味で味わう完成度の高い米料理です。
バスクの人はいつもこんな美味しいものを食べているのかなと思うと、実に羨ましい限りです。

▼POSTRE(デザート)
デザートはバスクチーズケーキにミックスベリーソースがけ。
そして、洋梨入りのタルタ・デ・サンティアゴ。
コーヒーまたは紅茶もついてきます。

やはりバスク料理をウリとするお店だけあって、バスクチーズケーキの完成度の高さが際立ちます。
しっかりとした食感の外側の部分と、滑らかでしっとりとした内側の部分の食感のコントラストが実に良いです。
食べた時にお口に広がる甘味と、ほのかな酸味の組み合わせも嬉しいですねぇ。

◆◇◆後記◆◇◆
横浜で「本格バスク料理」のコースを味わえるお店は多くありません。
伊勢佐木長者町の「スペイン・バスク料理 BIHOTZA」は、山と海の恵みを一皿に凝縮した実力店。
税込8800円のシェフお任せコースは、ピンチョスからアロス・メロッソ、バスクチーズケーキまで物語のある構成。

観光地とはまた違う、横浜の奥深い食文化を感じられる夜です。
「横浜 バスク料理」「伊勢佐木長者町 ディナー」「横浜 記念日 レストラン」で探している方は、ぜひ一度体験を。
伊勢佐木長者町駅すぐという立地も魅力で、記念日や接待など特別な日に選びたい、記憶に残るレストランです。
Bihotza
045-315-3393
横浜市中区長者町5-85 三共横浜ビル 1F(旧 明治安田生命ラジオ日本ビル)
https://tabelog.com/kanagawa/A1401/A140104/14057529/
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