”死”をネタにすることは、よくある。古くは雑誌に投稿するとき、ギャグのネタとして。投稿したネタが採用されたかはともかく、起承転結どこにでも使ったと思う。身近でないようで身近な、”死”というインパクトは扱いやすい。今もこうして、公開する記事のために使っている。
年末年始は人の”死”に関する報道がとりわけ気になる。三遊亭楽太郎(現:6代目円楽)が笑点で、GWや帰省ラッシュの時期になると決まって「渋滞情報を自宅のテレビで見るのが楽しみ」というネタをやっていたが、折々耳にする”死”も年中行事のように据わりが良い。川で流された、餅が喉につかえて、著名人の病気⋯風物詩と言って、良いのかもしれない。”死”を軽んじたり悼まないわけでは決してなく、これらに内在されている文化を我々が感じ取っているのだ。そこから、ある種のやるせなさや、ときに笑いを生じる場合だって、あって当然のことだろう。
そんな「文化の指標」として、アメリカにおける様々な死因(死にかた)をまとめた本がある。『図説 死因百科』(マイケル・ラルゴ著、橘明美監訳、紀伊國屋書店)は、現代のアメリカ、ひいては日本で”死”が話題になったときに参照したくなる辞典である。
- 作者:マイケル・ラルゴ
- 発売日: 2012/06/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
ちなみに日本で私が耳にした話題から調べてみると、「音楽業界」の項では薬物乱用で亡くなったミュージシャンの一覧が載っているし、前述した「もち」の項を読めば、アメリカでも毎年高齢者が喉につまらせて死者が出ていることがわかる。もちろんこれからの季節、「春休み」や「溺死」といった項もバッチリだ。これ以上は実際に本書を読んでのお楽しみとさせて頂きたい。
本書にも書いてある通り、学術的、統計としては正式ではないが、著者が歳月をかけて調べた限りの信憑性の高い数字・情報が記載されている。むしろ正式な情報自体が不足しているものをよくぞこれだけ、という内容である。文化を感じ取るだけでなく、これからの生き方を考えるときや、話の種として傍らに置いて読んで損のない本なのでお薦めしたい。