
苗代に育った稲の苗を水田に植える頃を
「田植時」(たうえどき)と言います。
昔は6月頃に行われることが多かったのですが、
現在では5月頃が一般的です。
田植時(たうえどき)
お米を作るためには、稲を田んぼに植える
「田植え」が必要です。
「溝浚え」(みぞさらえ)をしたら、
「代掻き」(しろかき)をして雑草を取り、
田んぼに水を張り整えた田に、
雑節「八十八夜」で種もみを発芽させ、
二十四積「芒種」に種を蒔き、
苗の高さが12〜15㎝、本葉が3~5枚、
そして外気温が14度以上になったら、
いよいよ「田植え」です。
この稲の苗を植える時期を
「田植時」(たうえどき)言います。
地域により、また寒暖の状態によって
「田植え」の時期は異なりますが、
多くの地方では6月上旬から終わりまでに行われ
7月の初めの「半夏生」までには済ませると言う言い伝えがありました。
また田植の時期に吹く西風を
「節の西風」(せつのにしかぜ) 言って、
田に雨をもたらす風として喜ばれました。
現在の「田植時」
田植えは6月の風物詩でした。
田にはたくさんの水が必要だということもあり、
「梅雨」の中での田植えが当たり前でした。
現在は、5月頃に田植えをする農家が多く、
日本全体の田植えの時期は大分早まりました。
台風シーズンが始まる前に
稲刈りを済ませてしまいたいとい
う米作農家の悲願から
たくさんの知恵と工夫が集めて、
田植えの時期を早めてきた結果です。
多くの農家では育苗器などの加温機械を利用し、
稲の品種改良や化学肥料や農薬の助けを借り、
より早い時期の苗の成育を可能にしています。
また灌漑設備の整備により、
もはや「梅雨」時の雨水に頼ってもいません。
一般的な田植えシーズンは
次のような時期に分類されています。
上の表を見ると、北海・東北地方は、
他の地域よりも早めに「田植え」をします。
これは稲が寒さに弱いために、
日照時間が短く気温が低くなる秋よりも前に
稲を収穫しなければならないからです。
因みに、お米は収穫時期によって
「早生」「中生」「晩生」に分かれます。
・早生(わせ) :8月中旬頃
・中生(なかて):9月中旬辺り
・晩生(おくて):10月下旬以降
代田・植田・青田
田んぼは、「田植え」の前後の僅かな期間で
表情を変え、名前も変わります。
代掻きが終わり、田植を待つばかりとなった
田を「代田」(しろた)と言います。
田植えが終わったばかりの田を
「植田」と言います。
まだ短い苗が々まで整然と並んではいますが、
中には倒れた苗や浮き苗があったり、
植田の隅には「余り苗」が束になっているのを
見ることもあります。
苗の先が僅かに出るくらいに
水が張られた田には、木々や山々の緑が映り、
米処は水の国へと景色が一変します。
田植を終えた植田の稲苗が成長し、
一か月もすると「青田」(あおた)となります。
「青田」とは、苗が青々と伸び育ち
他の面を覆って見渡す限り茫々と
青一色になった田を言います。
稲作地帯の見渡す限り広がる「青田」、
山国の谷あいにひっそりと隠れるようにある
二、三枚の「青田」。
それぞれに美しい夏の田園風景です。
そしてその「青田」の面を吹く風を
「青田風」 (あおたかぜ) と言います。