
「二日灸」は、
「ふつかきゅう」とか「ふつかやいと」と読み、灸は「お灸」のことです。
旧暦の「2月2日」「8月2日」にお灸を据えると、
「病気や災難に遭わずに
無病息災でその年を暮らせる」とか、
「長寿になる」という俗信がありました。
そのためこの「二日灸」をすえようと、
この日には鍼灸師の所に客が殺到しました。
令和8(2026)年は、
新暦の「3月20日」と「9月12日」です。
旧暦の2月2日に行う「二日灸」は、
二月の別名でもある如月を用いて、
「如月灸」(きさらぎきゅう・きさらぎやいと)とか、
「春の灸」とも言います。
旧暦の2月2日は、新暦の大体3月中頃に当たり、
令和8(2026)年は2月20日です。
この頃は冬から春への季節の変わり目で
体調を崩しやすく、
地方ではそろそろ田植えなどの
農作業が始まり忙しくなる時期です。
一方、旧暦8月2日に行う「二日灸」は、
「後の二日灸」とか「秋の灸」とも言います。
新暦の8月後半から9月前半に当たり、
令和8(2026)年は9月12日です。
この頃は、農作業では収穫の時期なので、
やはり忙しくなる時期です。
このような時期に体の調子を整えるため、
習慣としてお灸をすえると良いと
考えられたのではと言われています。
江戸時代の儒学者・貝原益軒も
その著書『養生訓』の中で、
脾胃(胃腸)が弱く、食が滞りやすい人は
毎年二月八月に灸をするとよい
と記しています。
慶安2(1649)年の江戸幕府三代将軍・
徳川家光の時代に江戸幕府が発令した、
「慶安御触書」(けいあんのおふれがき) の中に
次のような一文が登場します。
春秋灸をいたし、
煩候ハぬ様ニ常ニ心掛へし、
何程作ニ精を入度と存候ても、
煩候てハ其年の作りをはつし、
身上つふし申ものに候間、
其心得専一なり、
女房・子供も同然の事
春と秋にお灸を据えて、
病気にならないように
日頃から心掛けなさい。
どんなに農作業に精を出したいと
思っていても、
病気になれば、その年の作物の収穫を
棒に振ることになる。
(結果として)生活を破綻させること
(身代を潰すこと)になるので、
病気をしないための管理こそが
最も重要(専一)である。
妻や子供(家族全員)も同じである。
㊟「慶安御触書」が幕府法令がどうかに
ついては諸説あります。
ついては諸説あります。
家光は生来の病弱であったことから、
毎日のようにお灸をすえるほど
大のお灸愛好家だったと言われています。

