
正月十六日に、その年初めて
「聖天宮」(せいてんきゅう) に詣でること。
聖天宮の縁日は、卯・酉・16日、
これに20日を加えるところもありますが、
「初参」(はつまいり) と言えば
1月16日を指すことが多いようです。
仏教では「歓喜天」(かんぎてん) と呼ばれる
「聖天」(しょうでん、しょうてん) 様ですが、
ヒンドゥー教では
「ガネーシャ (Gaṇeśa) 」と呼ばれる
インドでは富の神様として崇められています。
「ガネーシャ」とは、サンスクリットで
「群衆(ガナ)の主(イーシャ)」で、
あらゆる障害を除去して成功に導く神であり、
商売繁盛をもたらす幸運な神であり、
智慧を司る学問の神であり、
文化や芸術を司る技芸の神であり、
病苦からの解放をもたらす医術の神であり、
あらゆる事象を司る万能の神であると
されています。
そしてインドの吉祥なカレンダーには、
必ずと言っていいほど
「ガネーシャ」の絵が描かれ、
家族の喜び事がある時には、
「ガネーシャ」の絵が
印刷されたカードが送られるなど、
インドでは広く親しみをもって
崇められています。
ところで「ガネーシャ」は、
象の頭に4本の腕を持つお姿をなさっています。
インドの三大最高神の一人・シヴァと
パールヴァティー妃の垢から作られたと言われ、
元々はとっても美男子の顔形をし、賢く、
勇敢な子供で様々な宝石を身につけさせて
大切にされていました。
ある時シヴァ神が留守の際、
母・パールヴァティーの命令で、
母の入浴の見張りをしていたところ、
父神のシヴァが帰還しました。
ところが「ガネーシャ」は
それが父とは分からず、入室を拒絶。
そのためシヴァは激怒して、
「ガネーシャ」の首を切り落とし
遠くへ投げ捨ててしまったのです。
後にそれが自分の子供だと知ったシヴァは、
投げ捨てた「ガネーシャ」の頭を探しに
西に向かって旅に出かけます。
しかし見つけることはできずに、
旅の最初に出会った象の首を切り落として
持ち帰り、「ガネーシャ」の頭として取り付け
復活させたと言われています。
また「ガネーシャ」といえば
4本腕で描かれることの多いのですが、
基本は3本の腕に斧、縄、菓子、
残りの腕は手のひらを開いて
こちらに向けています。
それぞれ次のようなことを表していると
言われています。
・斧 :障害物をなくすために使われる。
執着を断ち切る。
・縄 :信者を最高の目標へと引き寄せる。
・菓子:自分自身を理解すること。
人生を楽しむこと。
・開いた手のひら:神からの恩恵
仏教に取入れられてからは、
十一面観音菩薩に帰依したとされ、
悪神から善神に改宗し、
大聖歓喜天とか聖天 (しょうてん) と称されます
(正しくは大聖歓喜自在天)。
神像は象頭人身で、
ヒンドゥー教では単体で表現されましたが、
仏教の場合は
象の頭身を持つ男天「聖天さま」と
女天「十一面観世音様」の二体が
抱擁された双身のお姿をされています。
本来「ガネーシャ」は、
学問、商売に特化した神ですが、
日本に入ると、非常に力の強い神様で、
恋愛・病気治し・受験など
望む事は何でも叶えて下さると言われています。
その代わりに相応のお参りをする必要があり、
一度でも忘れたり怠ったりすると
災いも大きいため、
どこの寺院でもほぼ秘仏となっており、
直接お姿を見られることは
ほとんどありません。
なお「日本三大聖天」は、
以下の3ヶ所を数えるが一般的です。
埼玉県熊谷市妻沼にある
高野山真言宗・歓喜院の
「妻沼聖天山」(めぬましょうでんざん)
平安の時代から長い歳月を刻んできた
「妻沼聖天山」は、
縁結びの神様としても信仰されています。
埼玉県内唯一の国宝建造物として知られる
「歓喜院聖天堂」は、
外壁一面に精緻な彫刻が施され、
日光東照宮にも負けない圧倒的な迫力の建築で
「埼玉日光」とも称されています。
東京都台東区浅草にある聖観音宗
「本龍院」の「待乳山聖天」(まつちやましょうでん)
「待乳山聖天」では、
毎年1月7日の「大根まつり」が行われます。
大根は心身を清浄にする「聖天様」の
「おはたらき」を象徴するものとされ、
善男善女が大根を供えてお参りし、
お下がりの「ふろふき大根」を食べて
新春を祝います。
奈良県生駒市にある真言律宗の大本山
「宝山寺」の「生駒聖天」(いこましょうてん)
境内には聖天様のシンボルと言われる
「宝袋」の形をしたお賽銭箱が置かれており、
授与品にも宝袋のモチーフが多いです。
また隣の聖天堂には、
金運や商売繁盛の御利益で知られる
大聖歓喜天がお祀りされています。