
年始の行事と言えば「初詣」ですが、
大きな社寺では初詣と同様に
年の最初に行われる「初縁日」も
かなり賑わうようです。
十二支
十二支には「初午」など、「初」をつけて
その時期に相応しい催事を行う風習が
あります。
初甲子(はつきのね)

その年最初の「甲子」(きのね) の日。
令和8(2026)年は2月19日。
各地の大黒天を祀った寺院や大黒堂では、
大黒天の最初の縁日が開かれ、
二股大根や小豆飯などを供えて福を祈ります。
初寅(はつとら)

正月最初の寅の日、
令和8(2026)年は1月4日で、
福徳・商売繁盛を願って
毘沙門天 (びしゃもんてん) に参詣します。
蜈蚣 (むかで) は毘沙門天の使いとして、
またお足(お金)が多いという洒落から
信仰を集めています。
初卯(はつう)

その年最初の「卯」の日に、
商売繁盛や開運出世などを願って
神社に参詣すること。
令和8(2026)年は1月5日です。
東京の亀戸天神の妙義社、大阪の住吉神社や、京都の石清水八幡宮、上賀茂神社などが有名。
卯を神獣として祀る神社は全国に点在しており、うさぎの繁殖力の強さにあやかって、
子宝祈願や安産祈願で賑わうようです。
初辰(はつたつ)

その年最初の「辰」の日で、
令和8(2026)年は1月6日です。
防災のまじないをする日で、
江戸時代には、この日に、屋根に
水(初辰の水・潮の水)を撒きました。
初巳(はつみ)・初弁天(はつべんてん)

その年最初の「巳」の日に
弁財天に参詣することで、
令和8(2026)年は1月7日になります。
「巳成金」(みなるかね) というお札を受けて、
開運を願う習慣があります。
初午(はつうま)

2月最初の「午」の日は、稲荷神の祭日で、
各地の稲荷神社では「初午祭」が行われます。
和銅4(711)年2月の「初午」の日に
稲荷大神が稲荷山に降臨したとされることから、
「初午」に稲荷神社をお参りして、
五穀豊穣を祈るようになりました。
「いなり寿司」「しもつかれ」「初午団子」
などの行事食もあります。
なお令和8(2026)年の「初午」は2月1日、
「二の午」は2月13日、
「三の午」は2月25日になります。
「三の午」がある年は、
出火の危険があると言われていますが、
果たしてどうなることでしょうか?
初庚申(はつこうしん)

その年最初の「庚申」(かのえさる) の日で、
令和8(2026)年は2月15日になります。
この日、各地の帝釈天や庚申堂は、
参詣者で賑わいます。
東京の柴又の帝釈天の参道に市が立ち、
「飲むお守り(御符)」と言われる
「一粒符」(いちりゅうふ) が売られます。
初亥(はつい)

正月最初の「亥」の日。
この日、摩利支天 (まりしてん) を祀る寺院に
詣でます。
摩利支天は仏教の守護神で、
陽炎 (かげろう) が神格化したものと言われ、
金剛猪身 (こんごうちょしん) の背に立つことから、
古くより十二支の「亥」の日がご縁日とされて
きました。
この神を念ずると一斉の災いを免れ、
身を隠す術を得ると言われ、
日本では武士の守護神とされました。
三十日秘仏
初妙見(はつみょうけん)
新年になって初めて「妙見菩薩」の
祀られている寺院に詣でること。
元日と毎月の朔日・15日が縁日。
「妙見菩薩」は北斗七星の神格化されたもので
災害滅除の利益があると言われています。
「妙見信仰」は全国的に盛んですが、
大阪の「野勢妙見」(のせみょうけん) が有名。
初祖師(はつそし)
正月三日に東京・妙法寺、池上の本門寺などの
日蓮上人を祀った祖師堂に参詣すること。
両大師詣(りょうだいしまいり)
正月三日、上野の東叡山寛永寺にある
両大師堂に参詣すること。
江戸時代には、黒門前に市が立って
賑わったと言われています。
ところで「両大師」とは、
天台宗の高僧・良源「元三大師」(がんざんだいし) と
寛永寺を創建した天海「慈眼大師」(じげんだいし)
のことです。
初水天宮(はつすいてんぐう)
1月5日、その年最初の水天宮の縁日。
天御中主神 (あめのみなかぬし) を始め、
平家ゆかりの安徳天皇、建礼門院、二位尼を
お祀りする、福岡県久留米市の「水天宮」、
または東京日本橋蛎殻町の「水天宮」には、
船人の守護と安産の守り神として
多くの人が参詣します。
初薬師(はつやくし)
1月8日、その年最初の薬師如来の縁日に
詣でること。
薬師如来 (やくしにょらい) は、
左手に薬壺 (やくこ) を持ち、右手を持ち上げて、
施無畏 (せむい) の印を結ぶ医薬の仏で、
衆生の様々な病患を救うとされ、
広く信仰されていますが、
正月に参ると、三千日の利益があるとして
特に参詣人が多いです。
初金毘羅(はつこんぴら)
1月10日、新年初めての金毘羅宮の縁日。
金毘羅は薬師の十二神将の一つで、
航海安全の守護神として信仰を集め、
江戸時代の金毘羅参りは
伊勢参りと並ぶ賑わいを見せていた。
香川県の金比羅宮、東京芝の金比羅宮などは
殊に賑わう。
初虚空蔵(はつこくうぞう)
1月13日、虚空菩薩を祀る寺に参詣すること。
虚空蔵菩薩は、知恵・福徳・音声を授ける菩薩で
「十三詣」で特に馴染み深いです。
京都法輪寺の「嵯峨虚空蔵」、
茨城の「村松虚空蔵」、会津の「柳津虚空蔵」が
日本三大虚空蔵として有名。
初閻魔(はつえんま)
1月16日の閻魔の初縁日。
この日と7月16日は、地獄の獄卒も休むといい、かつては奉公人が休む
「藪入」(やぶいり) でもあったため、
閻魔堂や十王堂へ参詣しました。
初聖天(はつしょうてん)
その年始めて「聖天宮」(しょうてんぐう) に
詣でること。
聖天宮の縁日は、卯・酉・16日・20日がありますが
奈良県生駒の聖天、東京の待乳山など、
真言宗では正月十六日とされています。
聖天さまは、
「大聖歓喜自在天」(だいしょうかんぎじざいてん)、
「大聖歓喜双身天王」(だいしょうかんぎそうじん
てんのう) と称され、
インド名では 「ガネーシャ」 「ビナーヤカ」 など、
様々な呼び名があります。
双身は、男天と女天が抱擁した姿をしていて、
夫婦和合や子授け、福徳を授けると言われて
います。
初観音(はつかんのん)

1月18日、観世音菩薩 (かんぜおんぼさつ) の
初縁日に詣でること。
東京の「浅草観音」、京都の「清水観音」など、
各所の観音は、多くの参拝客で賑わいます。
なお、元日に観音を参ると、
平日の百日分の功徳があるとされますが、
これは「初観音」とは言わないそうです。
初大師(はつだいし)・
初弘法(はつこうぼう)

1月21日のその年最初の弘法大師の縁日のこと。
「初大師」には、その年厄年に当たる男女が
厄除けのお詣りをし、護摩焚きを行うため、
各地の大師堂は混雑します。
関東では「川崎大師」が一大霊場として有名。
東京の西新井大師では、境内に達磨市が立ち、
人出も多いです。
京都の東寺の縁日は「初弘法」と言われ、
境内には、骨董・特産品・植木・園芸・陶器等々、
1000軒の露店が並び、例月よりも多数の人々で
賑わいます。
初愛宕(はつあたご)
1月24日、「愛宕権現」(あたごごんげん) の縁日。
愛宕権現は、火災を防ぐ「火伏せの神」として、
人々の厚い信仰を集めています。
京都西郊の愛宕山山頂に鎮座する愛宕神社では
全国に約900社を数える愛宕神社の総本社で、
「愛宕さん」とも呼ばれています 。
愛宕山は海抜924mの霊峰で、
山頂への表参道は急峻な道で知られますが、
多くの参詣人が訪れ、「火迺要慎」(ひのようじん) と書かれた護符をいただき、家庭の台所や飲食店の厨房、会社の茶室などに貼ります。
初天神(はつてんじん)

1月25日、天神様(菅原道真)を祀る天満宮に、
その年最初の参詣をすること。またその縁日。
大宰府の太宰府天満宮、京都の北野天満宮、
大坂の大阪天満宮、東京の湯島天満宮、
亀戸天神社などが有名。
この期間に鷽替え神事を行う神社もあります。
初不動(はつふどう)
1月28日のその年最初の不動尊の縁日。
不動尊は不動明王のことで、五大明王の主尊。暴悪忿怒 (ふんぬ) の形相をしており、
右手に降魔 (ごうま) の剣を持ち、
左手には縛め (いましめ) の羂索 (けんさく) を
持っていることが特徴です。
悪を滅ぼしながら修行者を守り、
修行を成功させる存在です。
関東では、千葉県の「成田不動尊」が
最も有名です。
初荒神(はつあらがみ)
1月28日は、一年で最初の
「三宝荒神」(さんぼうこうじん) の縁日で、
「初不動」「初荒神」と呼ばれています。
「三宝荒神」は、
竈の神として祀られています。
