
3月1日(日)から3月7日(土)まで
令和8(2026)年の「春の火災予防運動」が
全国一斉に実施されます。
春の火災予防運動
要点
目的
春は乾燥と強風により、
火災が特に発生しやすい季節です。
そのため、火の取り扱いへの注意を促し、
住宅用火災警報器の設置や点検、
初期消火の準備などを重点的に呼びかけ、
尊い命と財産を守ることを目的としています。
特に高齢者や身体の不自由な人の
安全確保(避難経路の確保など)が
重要とされています。
春は火災が多い
「令和7年版 消防白書」によると、
令和6年中の出火件数を四季別に見ると、
春季(3月~5月)及び冬季(12月~2月)の
出火件数が多くなっており、
総出火件数の56.5%を占めます。
原因
気象庁のデータにより、春は乾燥が続く上、
1年の中でも特に風が強い季節であることが
分かります。
着火しやすくなる「乾燥」と、
燃え広がりの原因になる「強風」という
条件が揃うために、春は火災が多くなります。
| 1月 | 3,761 | 冬 (12-2):10,810 |
| 2月 | 3,277 | |
| 3月 | 3,634 | 春 ( 3- 5):10,184 |
| 4月 | 3,289 | |
| 5月 | 3,261 | |
| 6月 | 2,585 | 夏 ( 6- 8): 8,451 |
| 7月 | 2,618 | |
| 8月 | 3,248 | |
| 9月 | 2,605 | 秋 (9-11): 7,696 |
| 10月 | 2,512 | |
| 11月 | 2,579 | |
| 12月 | 3,772 |
出火原因
「令和7年版 消防白書」火災の出火原因を見ると
「たばこ」や「こんろ」「電気器具」など、
私達の生活に身近なものが火種となり
発生していることが分かります。
| たばこ | 3,058 件 |
| たき火 | 2,781 件 |
| こんろ | 2,718 件 |
| 電気機器 | 2,577 件 |
| 放火 | 2,377 件 |
| 火入れ | 1,804 件 |
| 電灯電話等の配線 | 1,701 件 |
| 配線機器 | 1,636 件 |
| 放火の疑い | 1,527 件 |
| ストーブ | 1,016 件 |
うっかり火災が多い
「たばこ」による火災の
主な経過別出火件数を見ると、
「不適当な所への放置」が1,903件と最も多く、
「たばこ」の経過別出火状況を見ると、
「不適当な所への放置」が原因であり、
寝たばこや灰皿以外(ゴミ箱、床、布団など)
への吸い殻放置が最多です。
「こんろ」による火災は、
経過別出火件数を見ると、
「放置する、忘れる」によるものが
1,067件と最も多くなっています。
住宅防火
火災による死者の多くが
住宅火災によるもので、
総死者数の約7割を占めています。
逃げ遅れ
そして火災で亡くなった原因で
最も多いのが「逃げ遅れ」で、
5割〜6割以上を占めています。
夜間の22時から翌朝6時までの
就寝時間帯に火災が発生し、
気付くのが遅れて死亡するケースが
非常に多いのです。
そして火そのものよりも、
燃焼によって発生する煙を吸い込んでしまい
意識を失って逃げられなくなるケースが
大多数です。
いのちを守る7つのポイント
住宅火災を予防し、いのちを守るためには、「火災を起こさない」、「拡大させない」、「早く気付いて避難できるようにする」などの予防対策が重要です。
そして消防庁ではその具体的な対策などを
「住宅防火 いのちを守る7つのポイント
(3つの習慣・4つの対策)」に
まとめています。
大事な命や家を守るために、これを参考に
日頃から火災予防に取り組みましょう。
3つの習慣
○ 寝たばこは、絶対やめる。
たばこによる火災は、住宅火災の原因として
継続して上位に位置し続けています。
就寝中は火種や煙に気づきにくく、
そのまま火災に発展する大な被害に繋がります。
布団の近くでの喫煙は、絶対にやめましょう。
○ ストーブは、燃えやすいものから
離れた位置で使用する。
離れた位置で使用する。
衣類、布団、新聞紙などの可燃物は、
ストーブの熱で知らないうちに乾燥・過熱し、
火災に繋がることがあります。
ストーブの周囲には十分な距離を保ち、
物を置かない習慣を徹底しましょう。
また古いストーブやこんろは故障や不具合により
火災に繋がる危険があります。
安全装置付きの機器を使うことで、
調理油過熱防止装置や立消安全装置などが働き、
火災を未然に防ぐことが出来ます。
古い機器を使用している場合は、
買い替えも検討しましょう。
○ ガスこんろなどのそばを離れる時は、
必ず火を消す。
必ず火を消す。
こんろによる火災の原因の多くは
「放置する、忘れる」によるものです。
調理中はその場を離れず、火の扱いには
十分に注意しましょう。
4つの対策
○ 逃げ遅れを防ぐために、
住宅用火災警報器を設置する
住宅用火災警報器を設置する
火災の初期段階で警報を鳴らし、
避難時間を確保するためにも
住宅用火災警報器は欠かせません。
台所だけにしか設置していないこともありますが
就寝中の逃げ遅れも多いのが現実ですので、
寝室や居室、階段などにも設置することが
推奨されます。
設置後10年を目安に本体ごと交換して、
定期的に作動確認を行いましょう。
電池切れや故障した警報器は必ず交換しましょう
○ 寝具、衣類及びカーテンからの
火災を防ぐために、防炎品を使用する。
火災を防ぐために、防炎品を使用する。
燃える物が多いほど、火災が起きた際に
一気に広がってしまいます。
部屋の整理整頓を掛け、物を積み上げ過ぎない
ようにしましょう。
また、寝具・衣類・カーテン・絨緞などを
防炎品にすることで、
延焼を遅らせ避難時間を確保出来ます。
○ 火災を小さいうちに消すために、
「住宅用消火器」等を設置する。
「住宅用消火器」等を設置する。
火災が小さいうちに対処出来れば、
被害を大幅に減らせます。
住宅用消火器やエアゾール式簡易消火具など、
使いやすい器具を準備しておき、
家族全員で使い方を確認しておきましょう。
更にどこで出火してもボヤのうちに
すばやく消火出来るようように、
消火器の置き場も検討しておきましょう。
また古い消火器は破裂の危険があるため、
期限切れのものは早めに処分しておきましょう。
○ お年寄りや身体の不自由な人を守るために
隣近所の協力体制をつくる
隣近所の協力体制をつくる
高齢者や身体の不自由な人が、
火災時に安全に避難できるよう、
通路や階段に物を置かず、
日常的に避難経路を確保しておきましょう。
避難ルートは2方向以上を想定し、
家族や介助者と避難方法を共有しておくことが
命を守るために重要です。
家庭だけでなく地域で協力することも大切です。
防火訓練や防災イベントに参加して
地域で避難経路や消火器の設置状況を確認したり
火の取り扱いについて声を掛け合うなどの
実践的な活動を行いましょう。
また災害発生時には安否確認や初期消火に
協力しましょう。
電気機器火災
今回の「春の火災予防運動」の
重点目標ではありませんが、
「令和3年版消防白書」によると、
住宅火災の発火源別死者数は、
「たばこ」に次いで多かったのは、
「ストーブ」や「こんろ」ではなくて、
「電気機器」でした。
火を使わない電気機器ですから
「火災なんて滅多にあることではないだろう」
と思ってしまいがちですが、
いつも使っている家電にも
火災のリスクが潜んでいるのです。
電気機器による火災の発火源
「電灯電話等の配線」が最多で、
「配線器具」「テーブルタップ」が
次いで多くなっています。
「電気」が流れている電気コードやコンセント、
差し込みプラグなどが発火する可能性が
高いのです。
これらが以下のような状態になっていないか、
確認してみて下さい。
コンセントのメンテナンス不良
プラグ周辺に埃が溜まると、
湿気と合わさり表面が炭化し、
ショートや発火の原因になることがあります。
テレビやエアコン、冷蔵庫など、
コンセントに差しっぱなしにする家電製品は、
時々、埃を掃除したり、
埃からガードするコンセントカバーを
使用したりすると良いでしょう。
テーブルタップによるタコ足配線
テーブルタップに
たくさんのプラグを差し込んでいると、
過電流により発火することがあります。
テーブルタップは、安全に使用できる
「許容電流」が決まっていて、
それを超えるとコードが過熱して、
被膜が溶けて火災に繋がることがあります。
消費電力の大きい機器
(電子レンジやヒーターなど)を
同じタップで使用すると危険です。
差込口が余っていても、
このような大きな機器の電源を
1カ所から取らないように気を付けて下さい。
余った電気コードを巻いて使う/
電気コードが家具などに踏まれている
電気コードは、折れ曲がったり、
挟まれたり、踏まれたりしていない状態で、
全て伸ばして使用しましょう。
巻かれていたり、負荷がかかったりしている
部分が発熱しして出火する可能性があります。
電気機器の火災を防ぐポイント
1.コンセント周りは埃が溜まらないように
メンテナンスすること。
また使わないプラグは抜く習慣を
つけましょう。
2.各家電の使用電力を把握し、
電源を取る場所や使うタイミングを
考えること
3.電気コードの状態をチェックし、
負荷をかけない配線を心掛けること
林野火災の約7割が
冬から春に発生
「林野火災」とは
「森林、原野又は牧野が焼損した火災」
のことを「林野火災」と言います。
「山火事」や「山林火災」「森林火災」も
林野火災に含まれます。
林野火災の近年の傾向
林野火災の年間発生件数は、
昭和49(1974)年の8351件をピークに、
以後減少傾向となり、例年1300件前後を推移、令和6(2024)年には出火件数が初めて
1000件を下回りました。
ですが令和7(2025)年には、
2月には岩手県大船渡市、
3月には岡山県岡山市や愛媛県今治市などで
大規模な林野火災が相次いで発生しました。
また令和8(2026)年に入っても、
各地で山火事が相次ぎ、
全国各地で林野火災特別警戒アラートが
発表されるなど、
火災が起きやすい気象状況となっています。
林野火災の特徴
「林野火災」は、一度発生すると
早期に延焼拡大することがあります。
消火のための消防隊の立入りが困難なこと、
消火用水の確保が難しいこと、
広範囲の消火が必要なこともあり、
他の火災に比べて鎮火までに
時間が掛かります。
それは人命や家屋などへの
危険が生じるだけでなく、
貴重な森林資源の焼失や
それによる土砂の流出といった
二次災害の危険性も高まります。
更に自然の回復には
長い年月と多くの労力を要します。
「林野火災」が多く発生する時期
実は、これら「林野火災」の約7割が
冬から春(1月~5月)にかけて
集中して発生しています。
林野火災の原因
冬から春にかけては、
風が強いことに加えて、
降水量が少なく、空気が乾燥し、
更に森林内に落ち葉が積もっていて
燃えやすい状態になっていることが
原因となっているためです。
特に2月から5月頃に多くなる「林野火災」は、
この時期に農作業に由来する枯草焼きなどの
火入れが行われることや、
山菜採りやハイキングなどで
入山者が増加することによる火の不始末なども
一因として考えられます。
また、草や枝などの焼却が
山林に飛び火することも原因となっています。
このように「林野火災」の出火原因は、
人的要因の場合が多くあります。
「林野火災」の予防
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」では
廃棄物の焼却は原則禁止されており、
「森林法」では
森林又は森林の周囲1kmでの火入れには
市町村長の許可が必要とされています。
市町村の火災予防条例では、
たき火など屋外での火の取扱いには
消防機関への届出が必要となる場合が
あります。
これらの法令・条例を守ることは勿論、
屋外で火を取扱う際には、
次のような点に注意することが重要です。
気象庁・消防庁・林野庁の
林野火災予防のための
新たな取り組み
気象庁・消防庁・林野庁は、
令和7(2025)年12月17日に、
「大船渡市林野火災」を踏まえて、
林野火災予防のための新たな取り組みを
開始したことを発表しました。
少雨に関する気象情報
これまで気象庁が発表する
「少雨に関する気象情報」では
林野火災との関連が
明示されていませんでしたが、
今後は「林野火災への注意」を
新たに明記して呼びかけます。
運用期間は、林野火災が起こりやすい
1月から5月にかけてです。
臨時の記者会見の開催
少雨の地域が全国的に広がっている場合には、
気象庁・消防庁・林野庁が合同で
記者会見を開催し、
専門的な気象解説とともに、
国として直接、火災予防を訴えることで、
社会全体の警戒意識を高めます。
林野火災予防ポータルサイトの開設
令和7(2025)年12月に、
気象庁のウェブサイト内に
「林野火災予防ポータルサイト」が
新たに開設されました。
SNS等による情報発信の強化
X(旧ツイッター)などを通じ、
記録的な少雨時や火災多発時に
リアルタイムで情報を発信します。
林野火災注意報・警報を新設する自治体も
自治体レベルでも独自の
「林野火災注意報・警報」を新設して、
地域に即した警戒を促す動きが広がっています。
東京消防庁では、
林野火災警報・注意報を導入したり、
警報発令中の屋外での
たき火等を厳しく制限したり、
警報時の規制違反に対して罰則の強化を
始めています。