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七十二候:第42候「禾乃登」(こくものすなわちみのる)

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「こくものすなわちみのる」
と読みます。
 
「こくもの」とは穀物のことで、
まだ暑さが残る季節ですが、
夏の暑さも次第に和らぎ、
様々な穀物が実り始める頃という意味です。
 
この頃は「立春」から「二百十日」が過ぎて
台風の到来も多い時期です。
無事に収穫が出来ますようにと
各地で「風祭(風鎮祭)」などが行われます。

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「禾」という字は
「いね」や「のぎ」とも読み、
稲・麦・稗・粟などの穀物を総称した言葉です。
「粟」(あわ) の穂がたわわに実った様子を
かたどったもので、
古くは「穀物」と言えば「米」ではなく、
「粟」のことを指していたのだそうです。
 
 
「粟」はイネ科アワ属に分類される
一年生草本作物です。
アジア原産とされ、野生原種が
ユーラシア大陸に広く分布しています。
原種は、雑草の「エノコログサ」
(猫じゃらし、犬子草)と推定されています。
「エノコログサ」は、イネ科の一年生植物で、
そのふわふわとした穂が子犬の尻尾を
連想させることから「犬子草」とも呼ばれ、
「ねこじゃらし」として親しまれています。
「粟」と異なり、「エノコログサ」の種子は
小さく剛毛が多いため食用には向きませんが
飢饉の際、救荒作物として利用された歴史が
あります。
公園や空き地、駐車場の脇など身近な場所で
繁茂してしまう強健な野草で、
厄介な雑草としても扱われています。

 
 
日本においては、縄文時代から
既に栽培されていて、
米・麦・豆・黍 (きび)・稗 (ひえ) などとともに、「五穀」の一つに数えられています。
因みに「粟」(あわ) という名前は、
五穀の中でも味が「淡い」ということから
付けられたと言われています。

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近代までは「稗」(ひえ)と並ぶ
庶民の大切な主食でしたが、
1900年頃から栽培が急激に減少し、
粟栽培はすっかり衰退しています。
 
ところが最近になって再び、
ヘルシーな雑穀として注目を集めています。
 

 
「粟」は直径1.5㎜程度と小粒の雑穀です。
「もち種」と「うるち種」があり、
殻の色で「赤アワ」「黄色アワ」「紫アワ」
などと分けられ、品種も多様。 
 
 
粟は優れた栄養価を持ち、
白米に比べビタミンB1が多く、
食物繊維や鉄分、カルシウム、
マグネシウムも多く含んでいます。
 
表面の色素はポリフェノールであり、
パントテン酸の含有量が雑穀の中では
特に多いです。
その他、ビタミンE、B₁、B₆、
ナイアシン、カリウム、鉄、亜鉛も
多く含みます。
 

 
「粟」の多くは「もち種」です。
「もち種」は粘性が強く
餅や粥として用いられています。
甘みがあり、独特のもっちりとした食感が
美味しく、クセがなくて優しい味わいです。
 
2〜3倍の水加減で炊くと、トロリと溶ける
チーズのように炊き上がります。
塩味を強めに整えると、
更にチーズ風の美味しさが出現するので、
ピザにしたり、グラタンにしたり、
クリームやソース感覚で
いろいろな料理を楽しむことが出来ます。
 
一方「うるち種」は、
炊き上がりがプチプチ、パラリとした
食感なので、これを上手く生かすと
鶏そぼろ感覚で使用することが出来ます。
 

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