(前回記事の続きです)
一級建築士 設計製図試験カド番となる今年は日建学院のパーフェクト本科を利用した。
前回記事ではパーフェクト本科の前半戦として3月から7月までの学習内容を書いた。
後半戦となる今回は8月から試験日となる10月までの勉強記録を書いていきたい。
【CONTENTS】
日建学院 設計製図 パーフェクト本科
受験準備講義
7月末に今年の本試験課題が発表された。
今年の課題は「大学」のため、後半戦はひたすら大学課題に取り組むことになる。
前半戦は隔週の半日コースだったが、8月からは毎週日曜日、かつ朝から夕方までの一日コースとなり、試験が近くなると平日夜間の講義も追加される。
早期課題(講義内で取り組み)
8月4日(日)の後半戦一回目の講義で出題された早期課題はいわゆる郊外型キャンパスの一角に増築するタイプで、3階建ての比較的オーソドックスな課題だったにも関わらず難しかった。
特に吹抜け50m2以上がやっかいで、1スパンだけ8mにして、7×8=56m2にしようと考えるも、それだと建蔽率70%をオーバーし、やむなく梁またぎ計画に。なんとかエスキスを2時間20分で終えて、作図を進めている最中に吹抜けの1階部分がエントランスホールではなく、管理系の教務室にガッツリかかっていることに気付いた。1/400の段階で吹抜けをあれやこれやと修正している内に教務室にかかってしまったことに気付かなかった。幸い作図初期段階で気付いたので、エスキスに戻り15分程度のロスで作図に復帰できたが、1階、2階、3階全てのプランを修正する大手術になった。エスキス修正時間含めなんとか時間内で完了し提出することができた。
フリーハンドで作図
講師の印象評価はA。赤字が入っていなかったけど、ちゃんとチェックしてくれたんかな…
演習講義
8月11日(日)の講義から演習講義が始まった。
基本的な流れとして、毎週日曜日の講義(9:00-18:00)の中でエスキスから記述、作図まで通しで課題に取り組むこととなる。もし終わらなかった場合、翌月曜日の夜間、改めて来校し必ず終わらせねばならない。
演習課題1A(講義内で取り組み)
郊外型キャンパスの一角に増築するパターン。
フリーハンドで作図
エスキス2時間30分、記述64分、作図3時間30分、チェック&補足記入20分、合計7時間24分(約1時間オーバー)ちょうどエスキスで30分、作図で30分オーバーした感じだ。
講師の添削結果は印象評価はAではあるものの、敷地内避難通路の矢印描き漏れや、3階のパソコン演習室を2階PC梁上部に中途半端に計画したことによる4mの片持ち梁&スラブによる構造NGとボロボロな結果となった。
演習課題1B(宿題:自宅で取り組み)
郊外型キャンパスの一角に増築するパターン。
1Aよりは簡単に感じた。
三角定規で作図
エスキス2時間20分、作図3時間5分。今回はフリーハンドではなく、三角定規を使って作図した。それなりに什器等を描き込んでの3時間だったので、まあまあ及第点のタイムと言えるだろう。
講師の印象評価はA。添削は赤字が何も入っていなかった。(悪いところが無かったのではなく、時間切れで見てくれていない可能性もある)
演習課題2A(講義内で取り組み)
今回も郊外型キャンパスの一角に増築するパターンだったが、基準階タイプ&免震基礎、さらにはエスカレーター付きという特殊条件だらけの難問だった。
エスキス3時間、記述60分、作図3時間とエスキス以外はほぼ時間通り仕上げることができた。(エスカレーターや免震基礎はテキストを見ながら描いた)
フリーハンドで作図
講師の印象評価はAだが、ちょこちょこ赤字が入っていた。
演習課題2B(宿題:自宅で取り組み)
宿題となる演習課題3Bは一式図作成ではなく、記述の強化課題であった。今年は記述に力を入れているのでありがたい。
演習課題3A(講義内で取り組み)
初の都市型大学、かつ縦長敷地の課題となり、階数は3階建で2階、3階の床面積が余る課題だった。
フリーハンドで作図
エスキス125分、記述70分、作図170分、チェック&補足記入20分と、ほぼ目標時間に違い形で終えることができた。
演習課題3B(宿題:自宅で取り組み)
3A同様 都市型大学で縦長敷地の課題で、5階建ての基準階タイプの課題だった。西側5m道路の斜線と、北側及び南側の採光NGにならないよう敷地のヘリアキ算定に気を使う必要があった。
フリーハンドで作図
エスキス2時間10分、作図2時間55分(記述はなし)とほぼ目標時間通りに完了。おおきなミスもなし…と思っていたらサービス駐車場を忘れていた。作図終わるまで気付かなかったなあ。
外構のチェックが漏れがちなので気を付けたい。
演習課題4A(模擬試験:学校で取り組み)
9月1日(日)に模擬試験が行われた。
5階建ての基準階タイプで、100m2以上の大きな吹抜け内に階段を計画し、さらには隣棟の渡り廊下と2階部分でブリッジにより接続するという難問だった。
それでもエスキス2時間10分、記述55分、作図3時間とほぼ目標タイムで終えることができた。
フリーハンドで作図
しかし帰りの電車の中で改めて作成した図面の写真を眺めていたところ、交流ホール上部の面積を2階の床面積から引くのを忘れていることに気付いた。本番だったら失格要件に該当する重大なミスに茫然…
9月1日は提出だけとなり、翌9月8日の講義の中で返却された。

採点結果は図面36/60点、記述36/40点、合計72/100点。記述の点数はまあまあだが、作図の点数が低い。本来なら失格となる面積表の計算間違いをしているし、アプローチもミスっているので仕方ない結果と言える。反省点だらけの模試となった。
演習課題4B(宿題:自宅で取り組み)
5階建ての基準階タイプ。基準階は2パターンあり(2階と3階及び4階と5階)作図は1階、2階、5階が求められた。特殊な部分として、浸水対策により1階FLがGL+1mという要求がなされた。
フリーハンドで作図
エスキス2時間40分、作図3時間10分、チェック&補足追記20分というタイムであった。(記述はなし)
演習課題5(宿題:講義内&自宅で取り組み)
2面接道、残り2面は公園に接する敷地に立つ地下1階、地上3階建ての大学で、敷地面積は少し狭め、かつ東南角に保存樹木があり、南北に下る勾配屋根と特殊条件満載の課題となった。
1階と3階は比較的ゆとりがあるものの2階がキツキツの計画でプランニングに苦戦。2階が講義室関係なのだが、何とか押し込めようと四苦八苦し、時間だけが無常に過ぎていく結果となった。最終的に小講義室を1室だけ3階に上げることで対応したが、このプランニングで時間をかけてしまうと本番ではタイムオーバーとなってしまうので、ある程度早い段階で見切りを付けるようにしないといけない。
フリーハンドで作図
エスキス3時間超、作図3時間。記述は今回は冊子タイプ(問題数が多い)だったのでタイムは除外した。
特訓講義
試験まで残り一ヶ月。9/15の講義から最終段階の特訓講義に突入した。
特訓課題1A(講義内で取り組み)
敷地内に保存樹木があり、ピロティ式の屋外通路が求められた課題であった。
フリーハンドで作図
エスキス2時間30分、記述60分、作図3時間で完了し、何とか講義内で提出することができた。
特訓課題1B(宿題:自宅で取り組み)
都市型の基準階(7階建て)タイプの課題。
フリーハンドで作図
エスキス2時間30分、作図3時間、チェック&補足20分。エスキス段階で隣地斜線の検討を忘れ、作図途中で北側の隣地斜線が抵触することに気付いた。とりあえず減点覚悟の書き入れ寸法で修正しつつ、階高を全体的に3.7mに下げて対応した。隣地斜線は問題なくクリアすることが多いので、ついつい計算忘れしないよう、特に基準階タイプは気を付けたい。
特訓課題2A(講義内で取り組み)
都市型の基準階タイプの大学。私が大の苦手としている階数指定なし、面積指定なしの課題であった。案の定、エスキスが難航した。それでも何とか2時間半で終え、課題文を読みながらエスキスの最終チェックをしていたところ、吹抜けの見落としが発覚し、エスキスのやり直しが発生してしまった。さらに吹抜けについては1-2階部分に設けるだけで良かったところ、基準階まで必要だと思い込みハードルを爆上げした。結果、基準階のY方向を1スパン増やし、無理くり吹抜けを設ける計画となってしまった。
フリーハンドで作図
最終的にエスキス3時間超、記述を40分で書き上げ、作図は2時間40分。チェック時間なしで何とか講義内に提出した。エスキスで3時間かかっても記述と作図で何とか挽回し提出までこぎつけたのはある意味自信に繋がったが、そもそもここまで追い込まれないようにエスキスを仕上げないといけない。
特訓模擬試験(学校で取り組み)
本試験まで残り2週間となる9月29日(日)に今年最後の模擬試験が行われた。
都市型大学ながら道路を挟んで既設の大学がある内容で階数は3階建てと比較的オーソドックスな課題であった。
エスキス1時間55分、記述50分、作図3時間、チェック&補足を書き込んでも多少時間に余裕があった。本試験もこれくらいの時間配分で行けると良いのだが…
9月29日は提出だけで、翌週の10月6日(日)に採点され戻ってきた。
フリーハンドで作図
結果は図面48点/60点、記述37点/40点、合計85点/100点。
敷地の短手となる西側が12m歩道付き道路のため、西側から利用者入口をアプローチするべきだったが、スペースの都合で北西角から敷地内に入り、北側に建物の出入口を設ける計画したのだが、それが減点となってしまった。それ以外は大きな減点は無かったので、非常におしい結果だったと言えるだろう。
それでもこれまでの模試の結果より良い点数だったので、少なからず自信に繋がった。
教育訓練給付金 修了試験(自宅で取り組み)
今回の日建学院のパーフェクト本科受講料については教育訓練給付金を利用することにしており、9月30日〜本試験前までに修了試験(WEB)を受ける必要がある。
早速、9月30日に自宅のPCで修了試験に取り組んだ。
修了試験結果
全20問を2択で答えていくだけなので、それほど難しくないが、それでも85点/100点と3問ほど間違えてしまった。
参考課題(任意宿題:自宅で取り組み)
最後の宿題は任意提出だったが、せっかくなので取り組んだ。
敷地面積が1,155m2しかない上に傾斜地という敷地条件で、当然建物平面図も小さく、その代わり4平面+断面図を描かせる特殊出題であった。
フリーハンドで作図
エスキスは2時間22分で許容範囲だったが、作図は平面図が4枚もあったのと、敷地ヘリアキを2500や4500といった500刻みにしてしまったため、方眼用紙のグリッドと建物のグリッドがズレてしまい非常に描き辛い図面となってしまった。結果、作図に要した時間は4時間10分もかかってしまった。
特訓課題3(講義内&自宅で取り組み)
エスキスは講義内で取り組み、作図(任意)は自宅で取り組んだ。
1階のFLがGL+1mによるアプローチのスロープ計画、80m2以上で9mの円が内接する大きさの中庭、傾斜床の大講義室と色々な要素が盛り込まれた難問だった。
フリーハンドで作図
エスキス2時間30分、作図4時間(記述はなし)
このレベルの難問が出ると時間内に終わらない危険性が高くなる。そうしたときどうリカバリーするか…本試験前に課題が浮き彫りになった感じだ。
直前対策講義
本試験まで残すところ一週間。直前対策講義は平日の夜間に2日間開催される。時間は18時半〜21時半で、エスキスと記述のみ取り組むことになる。
仕事を休める人は朝から来て一式図に取り組んでも良いとのことだったので、私は2日間とも有給休暇を取得し朝から学校に行き一式図に取り組むことにした。
直前対策課題1(学校で取り組み)
一団地内の一角に建設する課題で、道路との高低差があるプランだった。北側斜線がかかる内容だったが、それ以外はさほど特筆すべき特殊条件は見当たらなかった。にも関わらずプランが全然収まらずエスキスで大苦戦した。
最終的に講義室関係を1階から3階まで満遍なく配置することになってしまった。さらには教務室が奥まった位置になってしまい、全くイケてないプランとなった。
フリーハンドで作図
エスキス2時間半、記述55分、作図3時間ジャスト。とりあえず完成させることを目標に仕上げた。
直前対策課題2(学校で取り組み)
都市型大学で基準階タイプの課題だった。講義室や研究室、ゼミ室などの階の振り分けが難しかった。この手の課題は苦手だ。
エスキス2時間20分、記述50分、作図3時間30分を要した。
フリーハンドで作図
完成後の自己採点結果はまさかのD!(A、B、C、Dの4段階評価の一番下)
学生ホールが何なのか理解できず、普通に室と思い基準階に配置したが、本来は1階に配置すべきエントランスホール的なものだった。さらにはセキュリティの区分けも出来ておらず反省点の多い課題となった。
散々な結果だったものの、学ぶ部分も多く、本試験では同じミスをしないと心に誓い最後の講義を終えた。
本試験
10月13日(日)天気は晴れ。いよいよ本試験の日がやってきた。
11時になり試験開始。
試験内容は駅前の都市型大学、しかも建築学部ということで、設計主文の中で建築学生の見本となるような大学施設を計画することととなっていた。しかも私が苦手とする階数指定、床面積指定なしの基準階タイプであった。
結果はどうだったかというと、散々なものであった。一番のミスは東側6m道路の斜線が発生しないと考えてしまったことだ。と言うのも西側駅前広場(80m幅員)が「道路法上の道路である」という注釈が書かれており、敷地全体がその2A内に収まっているため、ついつい6m道路の斜線は考慮しなくて良いと読み間違えてしまった。問題文の駅前広場80mに自分で◯して「2Aかつ35m以内」と注意メモを書いていたにも関わらず、35m外の部分の考慮が頭からスッポリ抜けてしまった。試験開始当初から妙に気持ちが焦っていたので、冷静にエスキスできなかったのだろう。道路斜線を当てるという普段ならありえないようなミスをしてそのまま気付かず最後まで行ってしまった。気付いたのは最後の最後、断面図を描いているときにおかしいと気付いたがもはや試験終了直前で絶望のまま試験を終えた。
本試験当日のことを詳しく書いた記事です。
日建学院 個人クリニック
本試験の3日後、パーフェクト本科の講師と再現エスキスを元に個人面談をした。
講師曰く「プランは良く出来ている。それだけに斜線のミスが勿体なかった」と言われた。
「ひょっとしたら採点官が見落とすかも知れないから諦めないで下さい」とも言われたが流石にそれはないだろう。
講師との面談後、営業担当から呼び止められた。
営業担当「来年はどうしますか?」
私「元々、カド番落ちしたら諦めるつもりでした。もう一回学科からは精神的にキツすぎるので…」
営業担当「ここまでやって諦めるのは勿体無さすぎますよ。学科に一度受かってるんだからまたすぐ受かりますよ。ぜひ頑張って欲しいです!」
私「学科に受かったのは2021年ですよ。それから丸3年間全く学科の勉強に触れてないから大分忘れていますよ」
営業担当「今年と去年の学科の本試験問題と解答がありますので、差し上げます。一度やってみてから考えてはどうですか?」
そうして2023年と2024年の学科の問題を貰い家路についた。
まあ、せっかくなので解くだけ解いてみるか… 50点もいかないかも知れないが…
後半戦の勉強時間
後半戦の勉強時間は約300時間となった。3月から7月までの前半戦も300時間だったので、合計すると今年の設計製図にかけた時間は600時間となる。今年はカド番ということもあり、さすがに昨年や一昨年より多く勉強した。
最後に
本試験結果は12月25日となるが、ランクⅣでの不合格は確定だろう。元々、今年落ちたら一級建築士は諦めるつもりでいた。
しかし日建の営業担当から過去2年分の学科試験の問題をいただいたので、とりあえずそれだけは取り組んでみたいと思う。その結果、あまりに出来ていなかったら、当初予定通りすっぱり諦めるかも知れないし、逆に予想外に出来たら再チャレンジを考えるかも知れない。
何にしてもまずは2年分の過去問に取り組んでからだ。
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