新潟県上越市は2026年4月6日、同市三和区に営巣した国の特別天然記念物コウノトリのつがいが抱卵していると発表した。産卵は、同所で初めて営巣が確認された昨年に続き2年連続で、今年は市内では吉川区に次ぎ2か所目。一方、つがいの雄は昨年と同じだがパートナーの雌は別の個体だ。コウノトリは一度ペアになると死別などがない限り離れる可能性は低く、一生添い遂げると言われるが、雄は“離婚”し新たな相手を見つけた模様だ。

産卵が確認されたつがいの雄は2019年4月19日に京都府京丹後市で生まれた6歳、雌は2020年4月16日に福井県越前市で生まれた5歳。雄は昨年、同じ巣で別の雌(2022年5月8日鳥取県八頭町生まれ)とペアとなり、ひな1羽が誕生していた。
コウノトリの観察を続ける市議会議員の橋爪法一さん(76)によると、年末までは昨年のペアで巣を手直しする姿が見られたが、今年に入って一時、別のつがいに巣を奪われたという。3月になって雄が巣を取り戻した時には、別の雌がパートナーとなっていた。
橋爪さんは「ずっと観察していると、巣の乗っ取り合戦や相手が変わるなどのドラマがあった。(ペアの相手が代わり)複雑な心境だが、なんとか落ち着いてよかった」と語った。

同市教育委員会によると、巣の近くに設置したカメラの静止画像を基に、コウノトリが座っている時間などのデータを兵庫県立コウノトリの郷公園(豊岡市)の専門家に送り、3日に「抱卵」と判断された。抱卵は3月28日からと推定され、市教委は孵化(ふか)は4月末から5月1日頃の見込みとしている。
市教委は観察や撮影は巣から150m以上(車の中からは100m以上)離れて行うことや、無断で私有地や農地に入ったり、車を駐車したりしないよう呼び掛けている。