みなさんは、会社の健康診断や家庭用の血圧計などで、一度は血圧を測定したことがあるのではないでしょうか。しかし、血圧計に示される「上は132、下は80」といった数値を見ても、どのような意味があるのか、よくわからない人も多いようです。

そもそも血圧ってなに?

私たちの体に流れている血液は、生きていく上で欠かせない酸素や栄養素を全身に届ける役割を担っています。心臓がポンプのように収縮と弛緩を繰り返し、血管に圧力をかけることで、動脈を介して全身の組織に規則正しく血液を届けているのです。
血圧とは
心臓から送り出された血流が血管の内壁を押す力(圧力)を指します。血圧を決定する主な要因として、心臓が1回の拍動で全身に送り出す血液量(心拍出量)や血管のしなやかさ(弾力性)のほか、血液が血管に流れ込む際の末梢血管の抵抗力(血管抵抗)、血液の粘度などが挙げられます。
腎臓の働きが悪くなると、血圧をうまく調整することができず、高血圧になる場合があります。食塩の摂取量も血圧に大きく影響しており、食塩の過剰摂取が血圧上昇と関連が深いことは、広く知られるところです。
血圧数値の「上」と「下」とは

血圧の「上」と「下」とは、最高血圧、最低血圧のこと。
最高血圧は、血液を送り出すときに心臓が収縮して、血管に強い圧力がかかっている状態の値。収縮期血圧とも呼ばれています。一方、最低血圧とは、次に送り出す血液をためこむために心臓が拡張しているときの値で、拡張期血圧ともいいます。
血圧に使われる単位は「mmHg(ミリメートル・エイチジー)」
Hgとは水銀を示す元素記号で、たとえば血圧160mmHgの場合、水銀を160mm(16cm)垂直に押し上げる力で血管に圧力をかけていることを意味します。
診察室血圧の正常値は
上140mmHg/下90mmHg未満。家庭血圧値では、上135mmHg/下85mmHg未満です。最高血圧もしくは最低血圧のどちらか、あるいは両方が正常値を上回ると、高血圧が疑われます。
血圧は常に一定ではない

血圧は常に一定ではありません。血圧を測定する時間帯や季節によって異なりますし、起床や食事、運動などの日常生活、精神的ストレスや測定時の室温など、さまざまな原因により変動するものです。
たとえば、運動すると一時的に血圧が上昇することがありますが、運動後、安静にすることで自然に下がります。これは、正常な血圧の変化です。体を動かしたり、緊張したりして、一時的に血圧が上昇したとしても、普段の血圧が正常であれば問題ありません。高血圧とは、安静にしていても血圧の高い状態が長く続いた状態をいいます。
血圧測定でわかること

高血圧の状態が長く続くと、心臓や血管に負担がかかり、脳卒中や心筋梗塞、心不全といった重篤な病気を引き起こす恐れがあります。
しかし、高血圧はほとんど自覚症状がないため、血圧計で測定しないかぎり、自分の血圧が正常かどうかを知ることは難しいでしょう。
血圧測定は
体の状態を表す大切な指標です。健康のバロメーターとして、血圧測定の習慣をつけることをおすすめします。
高血圧とは

高血圧とは、安静にしている状態で正常値よりも血圧が高い状態のことを指します。運動後 や気温の変化によって血圧は上昇することがあるため、たまたま測定した時に数値が高く 出ることもあります。このような一過性の場合もあるので、測定を繰り返したうえでも正常 値より数値が高い場合に「高血圧症」と診断されます。 健診で高血圧と診断された場合は、家庭内で血圧を測ることがおススメされます。
しかし、実際には、
正常 高値や高値血圧のレベルでも、脳卒中や心筋梗塞などを起こさないわけではありません。 脳卒中の発症率がもっとも低いのは、ガイドラインでいうと正常血圧(収縮期血圧<120 か つ拡張期血圧<80)のレベルです。
高血圧リスクチェック
チェックの数が多いほど高血圧になりやすいので、注意が必要です。
- 濃い味つけの物が好き
- 野菜や果物はあまり食べない
- 運動をほとんどしない
- 家族に高血圧の人がいる
- ストレスがたまりやすい
- お酒をたくさん飲む
- たばこを吸う
- 血糖値が高いと指摘されたことがある
- 炒め物や揚げ物、肉の脂身など、脂っこい食べ物が好き
高血圧の原因

高血圧の原因は多岐にわたりますが、主な原因は塩分の過剰摂取と動脈硬化です。
食塩を過剰に摂取すると、血液中の塩分濃度が高まり、体が水分を保持しやすくなります。これにより血液量が増え、血圧が上昇します。
また、動脈硬化により血管が狭くなると、血管にかかる圧力が高くなります。
主な原因以外にも下記のようなことも原因として考えられます。
- 肥満: 肥満は高血圧を引き起こすリスクを2〜3倍に高めます。特に内臓脂肪型肥満では、脂肪細胞から分泌される物質により血管が収縮し、血圧が上昇します。
- 運動不足: 運動不足は血圧調整機能を低下させ、血圧を上昇させます。
- ストレス: ストレスが溜まると交感神経が活性化し、心拍数が上昇し、それにより血圧が上昇します。
- 喫煙: タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、血圧を上昇させます。
- 遺伝: 高血圧になりやすい体質は遺伝することがあります。
- 病気や薬物: 特定の病気(例えば腎臓病や内分泌疾患)や薬物(例えばNSAIDsや甘草)も高血圧の原因となることがあります。
男性と女性で血圧は違う?

男性と女性で血圧が異なる場合はいくつかあります。
- 血管の弾力性: 血圧の高低を決定する一つの因子として、血管壁の弾力性があります。年齢が高い人ほど、また男性ほど動脈硬化すなわち血管壁の弾力性の減少が起こりやすくなります。これは、小児期と比較して成人では塩分や脂肪の摂取量が増加し、動脈硬化あるいは循環血液量の増加が起こりやすくなるためです。
- ホルモンの影響: 女性は男性に比べて血圧が低い傾向があります。これは、女性ホルモンであるエストロゲンの働きにより、血管のしなやかさが保たれ、男性と比較して血圧上昇のカーブが緩やかになるためです。
- 更年期の影響: 女性の場合、40代から始まる更年期に入ると、血管をしなやかに保つのに役立っていたエストロゲンが減少し始めます。そのため、血圧上昇も急カーブを描くようになり、60代、70代までには高血圧の割合が男性に追いついてしまうことがあります。
以上の理由から、男性と女性で血圧の値に違いが見られます。ただし、これらは一般的な傾向であり、個々の健康状態や生活習慣により異なる場合があります。血圧管理については、医師と相談しながら適切な対策を講じることが重要です。
日常生活の留意点について

減塩について
塩分をとり過ぎると体内に水分が蓄積し、血流量を増加させます。これにより血圧が上昇します。1日6g未満を目標にしましょう。
入浴について

入浴も血圧の上昇や下降に関係します。特に冬は、寒い脱衣所で裸になると血圧が上がり、熱い風呂に入るとさらに上昇し、風呂に浸かっていると徐々に下がります。
そして、風呂から上がると血圧は大きく下がります。あまり熱い湯(42℃以上)ではなく、ぬるめ(40℃ぐらい)の風呂に5〜10分間位浸かりましょう(長湯は禁)。風呂場は冷たくないよう暖房をかけたり湯気がたっている状態で使用するのが良いでしょう。
十分な睡眠と休養について

毎日、仕事や家事、育児など社会生活を営んでいれば、必ず過労や緊張、精神的ストレスがありますがなるべくとり除きたいものです。そのためにも、毎日規則正しい生活を送り休養を十分にとり疲れを残さないようにしましょう。過重労働・超過勤務・夜更かしは禁物です。
たばこについて
「百害あって一利なし」とはまさにたばこです。喫煙により血管が収縮し、一時的に血圧が上がるばかりでなく、血液の流れを悪くし、血液が凝固しやすくなり、動脈硬化の原因となります。そうでなくても私達の体は加齢と共に動脈硬化が進んでいます。あなたの血管は、長い習慣の喫煙により、ボロボロになっていませんか?
お酒について

1日の飲酒量は、男性ではアルコールとして1日20〜30mlまで、日本酒なら1合=180cc、ビール中びん1本、ウイスキー水割ならシングル2杯まで。女性はその半分までが適量です。
大量飲酒は血圧を上げ、脳卒中や心臓病、肝臓病などの原因になりますが、一方では少量飲酒者は飲まない人に比べて動脈硬化がいくらか軽く、心筋梗塞や循環器病での死亡も少ない事も知られています。
運動や労作について

運動や労作の許される程度は、その人の高血圧の重症度や合併症の有無と関連するので、まず医師にどの程度、運動しても良いかを、たずねてみましょう。軽い運動(散歩・自分のペースでのジョギング・ラジオ体操・自転車にのる)は、血液の流れを良くし、全身に良いだけでなく、肥満防止につながり気分転換にもってこいです。
但し、運動をしていて、息切れが強い、胸がドキドキする、頭がフラフラするなどの症状が起こり、しんどい時は、医師に相談して下さい。
